新型コロナウイルスは、少しずつみずからの遺伝子を変化(変異)させながら、世界中で流行している。2020年5月14日現在、全世界での感染者は400万人を超え、死者数も30万人に迫っている。
AngelinaBambina/Shutterstock.com
新型コロナウイルスが世界で猛威をふるっている。
感染症の原因として「悪者」扱いされるウイルス。確かに人類の社会活動、経済活動に大ダメージを与える憎き相手ではあるものの、少し見方を変えると、まったく違う一面が見えてくる。
ウイルスとは、いったい何者なのか?
どのようにして生まれ、これまでに地球で何をしてきたのか。東京理科大学で生物学的な側面からウイルスを研究する、武村政春教授に話を聞いた。
ウイルスは生物なのか、非生物なのか?
生物の遺伝情報が保存されているDNAは、何かの拍子に突然変異することがある。
nobeastsofierce/Shutterstock.com
新型コロナウイルスは、中国・武漢で発生して以降、少しずつ進化(変異)を重ねている。
進化できることは、生物に共通した特徴といえるだろう。
あらゆる生物は、細胞の中にみずからの設計図ともいえる「DNA」をもっている。DNAには、細胞内でタンパク質をつくり出すための情報などが記録されており、これを「遺伝子」という。