大手シネコン各社、都市部を除いて営業再開。映画館に客は戻るか手探り発進

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東京都内にあるTOHOシネマズ。今なお営業休止中だ。

撮影:大塚淳史

営業休止していた、複合型映画館(シネマコンプレックス、通称シネコン)の大手各社が、都市部を除いた地域で、営業再開の動きを見せている。5月14日に安倍晋三首相が緊急事態宣言を39県で解除を表明。その動きに大手シネコン各社も呼応した。

4月18日以降、全国66館全てを営業休止していたTOHOシネマズは、5月15日から、青森、宮城、静岡、長崎など7県にある10劇場を再開する。ローソン傘下のユナイテッド・シネマ、松竹マルチプレックスシアターズが運営するMOVIXも、同じく5月15日から共に、地方にある5劇場の営業を再開する。イオンエンターテイメントが運営するイオンシネマは5月18日から、東北や九州など16県の計27劇場で営業を再開する。

TOHOシネマズは4月興行収入が前年同月比96.9%減

大手シネコンで唯一、興行収入を毎月公表しているTOHOシネマズは5月13日に、東宝グループが運営する695スクリーンの4月の興行収入を公表。前年同月比96.9%減の1億9783万2004円だった。営業休止する以前からすでに、新型コロナの影響で、映画館へ足を運ぶ人が減っていたことも影響した。TOHOシネマズに限らずシネコン各社は状況は同様だ。

営業を一部再開していくとはいえ、当面、難しい状況は続くかもしれない。感染を恐れる観客の心理面もあるが、それ以上にまず、公開する作品が決定的に足りていない。

例えば、TOHOシネマズのホームページを見ると、2月から8月に公開予定だった作品で、延期となったものは71作品。その内、延期後の公開日程が決まってるものはわずか5作品。残り66作品の日程はまだ決まっていない(5月13日現在)。

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TOHOシネマズのホームページで案内されている、上映延期となった作品群。

出典:TOHOシネマズのホームページより。

営業再開するTOHOシネマズ仙台の上映作品ラインナップを見てみると、「AKIRA アキラ(IMAX)」、「パラサイト 半地下の家族」、「ミッドサマー」といった、営業休止前から既に公開していた作品、「オズの魔法使」、「ベン・ハー」、「ショーシャンクの空に」、「エデンの東」、「俺たちに明日はない」といった歴代のアカデミー賞作品が並ぶ。また、「シン・ゴジラ」や「君の名は。」といった過去の大ヒット作品も上映スケジュールに入っている。熱烈な映画ファンにとってはたまらないラインナップではある。

TOHOシネマズの担当者は、上映ラインナップのブッキングが難しい理由についてこう説明する。

「(TOHOシネマズは)全国で66カ所にありますが、(緊急事態宣言が継続する東京や大阪など)都市部に劇場が多く、売り上げも大きいです。(一部映画館は再開するが)こういった状況では、大作であると宣伝費をかけたのに売り上げが大きく落ちる。新作映画の権利元、配給会社は、受け手側(映画館)が完全に開かないと、公開という判断は難しいです」

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5月15日から営業再開するTOHOシネマズ仙台の上映ラインナップは、過去の名作が多数並ぶ。

出典:TOHOシネマズのホームページより。

とはいえ、映画館の営業再開自体は前進だ。

「今後も、各自治体で映画館に対する休業要請が解除となって、シネコンが入っている商業施設が営業を再開すると決まれば、こちらもそこから劇場の飲食物やグッズの仕入れ、上映作品のブッキングなどを行います。2、3日、準備期間を頂いて営業再開となっていくと思います」(TOHOシネマズ担当者)

大手シネコン各社は、営業再開後も、消毒液による手洗い、座席の間隔を空けるなどの対応をし、レイトショーも当面中止としている。映画館に再び人は戻ってくるのか、手探りの中、再び動き出した。

(文・大塚淳史)

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