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- 若年層は新型コロナウイルスに対して高齢者ほど脆弱ではなく、感染しても軽症ですむ傾向があると言われている。
- だが、子どもの重症例の報告には不明な点が多く、当然ながら親を不安にさせている。
- 子どものCOVID-19の症状は成人の場合と似ており、小児多系統炎症症候群(PMIS)は胃腸に症状が出るのが特徴だ。
アメリカで新型コロナウイルスが拡大したとき、公共衛生に関する呼びかけは、最も脆弱な人々である高齢者、心臓や肺などに疾患を抱える人々に向けられた。
若年層、特に子どもの多くが感染しづらいとみられ、いくつかの調査でもそのことに言及している。
アメリカの子どもと青少年2500人以上を対象としたCOVID-19に関するアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の4月の調査で、18歳未満は人口の22%を占めるが、報告されたすべての新型コロナウイルス感染者では18歳未満はわずか1.7%だったことがわかった。しかも、感染した子どもの多くが軽症または無症状で、これは中国での調査結果と似ている。感染した1歳から17歳の子どものうち、入院したのはわずか14%だった。
だが子どものCOVID-19と関連して、「小児多系統炎症症候群(PMIS:pediatric multisystem inflammatory syndrome)」と呼ばれる、時には死に至る、不明な点が多い呼吸器疾患が報告されていて、親を不安にさせている。
PMISは、ニューヨークで5月12日までで少なくとも100人の子どもが発症し、3人が死亡した。ヨーロッパではさらに早い段階で報告され、4月30日までで7カ国において少なくとも100人が発症した。
では、子どものCOVID-19とPMISはどこが違うのだろうか。
子どものCOVID-19の症状は、成人の症状と似ている
成人と同じように、COVID-19にかかった子どもは次のような症状がみられる。
- 咳
- 息切れ、呼吸困難
- 発熱
- 悪寒
- 筋肉痛
- のどの痛み
- 味覚、嗅覚障害
成人と同様に、このリストは完全なものではなく、多くの人々が診断されていくにつれて、変わっていく。例えば、陽性が確認された人の中には、鼻水や嘔吐、下痢など他の症状がみられることもある。
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PMISには、胃腸関連の症状がある
PMISは、COVID-19にかかった後、症状が出るとみられている。最初は新型コロナウイルスとの関連性は不明だったが、5月13日の医学誌「ランセット」で発表された研究によると、それらには強い関連性があることがわかった。
この疾患は「患者の免疫反応によるもの」というのが医学界の最新の見識となっている、とボストン小児病院の救命救急医、ジェフリー・バーンズ(Jeffrey Burns)博士はCNNに語った。
PMISは、川崎病や中毒性ショック症候群などと同様の稀な幼児疾患の一つとみなされている。アメリカ小児科学会によると、症状は次の通り。
- 継続した発熱
- 腹痛、下痢、嘔吐
- 発疹、皮膚の変色
- 呼吸困難
- 倦怠感、錯乱
もし、子どもにいずれかの症状がある場合は、医師に相談しよう。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)