アダム・ニューマン前CEOのスキャンダルを経て経営再建中のウィーワーク(WeWork)。コロナ後のサービス再開に向けて準備を着々と進めているようだ。
Tomohiro Ohsumi/Getty Images
- 新型コロナウイルスへの感染を防止するため、ウィーワーク(WeWork)はコワーキングスペースの見直しを計画。建築コンサル大手のアラップ(Arup)に提案を依頼した。
- アフターコロナのコワーキングのあり方について、アラップは16ページにわたる資料を提出。
- 同資料によると、ラウンジ、パントリー、ミーティングルームの座席数は減り、エレベーターホールなどにはソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保できる立ち位置を示すステッカーが配置される。
- コワーキングスペースを展開する企業は、パンデミック終息後のサービス再開に向けてレイアウトを含めた全面的な見直しを行うとみられる。
アメリカで140万人以上(5月18日現在)の感染者を出した新型コロナウイルスの影響で、多くの企業がオフィスを閉鎖し、従業員に在宅勤務を指示していたが、感染拡大のピークは超えたとの見方が強まり、一部の企業はオフィスの再稼働を検討している。
ただし、オフィス再開後も新型コロナの感染拡大を防ぐ配慮が求められる。ホワイトハウスと疾病予防管理センター(CDC)は、企業などの雇用主に対し、共用スペースの閉鎖、オフィス内の日常的な消毒、人どうしの6フィートの距離確保を徹底するよう求めている。
こうしたポイントを踏まえ、コワーキングのようなサービスは濃厚接触の可能性を最小限に抑えるための再デザインが必要になる。
Business Insiderの取材に対し、ウィーワークは建築コンサル世界大手のアラップに協力を仰ぎ、コロナ後のコワーキングスペースのあるべき姿について16ページの資料をつくったことを明らかにした。
ウィーワークの再稼働後のコワーキングは次のようになるようだ。
エレベーターホールには、ソーシャルディスタンスを確保するため、利用者の待つべき位置を示すステッカーが貼られる。
Courtesy of WeWork
エレベーターホールにはタッチフリーの消毒液ディスペンサーが設置され、壁のモニターにはコワーキング内の衛生環境ガイドラインが表示される。フロアにはエレベーター待ちの利用者が立つべき場所を示すステッカーが貼られる。
ステッカーの間隔について、資料には数字が記されていないが、おそらくCDCが推奨する6フィート(約2メートル)だろう。
レセプションの脇にタッチフリーの消毒液ディスペンサー。カウンター前にもソーシャルディスタンスを示すステッカー。
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コミュニティラウンジの座席数は削減される。4人用スペースは2人用の配置に。
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ビジュアルガイド(視認用のサイン)を使い、ラウンジの利用可能人数と適切な着席場所を示す。
パントリーの食器などは使い捨てに変更。タッチフリーのソープディスペンサーとペーパータオルを設置。シンクには衛生環境ガイドラインを掲示。
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キッチンの座席数も減らして濃厚接触を防ぐ。
コロナ以前と同様に共用のコピー機を使えるが、そばに消毒液ディスペンサーとペーパータオルが設置され、衛生環境ガイドラインも掲出される。
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1人用の電話(テレカン)ブースはスタッフが定期的に清掃。使用前後にテーブルなどを拭くようサインを掲出。
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ミーティングルームの座席数は減り、着席場所を示すステッカーが貼られる。
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トイレにもタッチフリーのソープディスペンサーを設置。最低20秒間の手洗いを指示するサインを掲出。
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他の共用スペースと同様、バスルームは終日、定期的な清掃が行われる。
オフィス全体でフレッシュな空気を循環させるため、「業界を代表する」エンジニアリング会社と提携し、暖房換気空調設備(HVAC)を刷新。
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(翻訳・編集:川村力)