快適な椅子、安定したネット接続と電力供給…テック幹部のホームオフィス構築依頼が急増

理想の在宅ワーク環境とは。

コロナウイルスの影響で、自宅で仕事をする男性。2020年3月16日。

Annette Riedl/picture alliance via Getty Images

  • 将来的には在宅ワークが働き方の中心になると見られるため、テック企業の幹部たちはアップグレードされたホームオフィスを求めている。
  • シリコンバレーのある設計事務所では、ハイテク企業のクライアントからの要望が殺到しているという。
  • 人間工学に基づいた椅子、信頼性の高い電力のための発電機、安定したインターネット接続などが、より効率的なホームオフィスを求める幹部たちの要望のトップに挙げられている。

シリコンバレーのテック企業のオフィスでは、人々が仕事に復帰し始めるころには、コロナウイルス感染症を考慮した変革が起きているだろう。

ある設計事務所によると、雇用主は従業員同士の接触を減らすために一方通行の通路を設ける必要があるかもしれないという。また、シリコンバレーのオフィスによくあるスナックルームは新時代のオフィスでは姿を消しているかもしれない。

企業が長期的にリモートワークを推奨するようになれば、ホームオフィスはより広く受け入れられるようになるだろう。グループワークをする日にだけオフィスに入り、個々のタスクは自宅で完了させることもできる。その結果、労働者はホームオフィスについて再考するようになってきている。

グレッグ・モットーラ(Greg Mottola)氏はSquare、ピクサー(Pixar)、アドビ(Adobe)、ブルーボトル・コーヒーなどのオフィスデザインを手がける建築会社、ボーリン・サイウィンスキー・ジャクソン(Bohlin Cywinski Jackson)の所長だ。パンデミック以前から、同社の業務の約20%は高級住宅の設計に費やされており、その多くはセカンドハウスだった。

モットーラ氏はBusiness Insiderの取材に対し、サンフランシスコ地域のテック幹部からの要望が殺到したことを受けて、同社はホームオフィスの設計にさらに力を入れていると述べた。

「もう自宅は夜に帰って数時間寝るだけの場所ではない」とモットーラ氏はホームオフィスについて語っている。

「オフィスに行かず、一日中そこにいる日もあるかもしれない。この傾向は、今後も続くだろう」

テック業界はすでにリモートワークが導入されており、単なるオフィスへの出勤よりも生産性が重視されていたが、加えて3月中旬、同地域に自宅待機命令が出たことでベイエリアのオフィスで働く数千人の労働者が在宅勤務を命じられた。その時、従業員や幹部の多くはオフィスを放棄し、ベイエリアにある小さなアパートのダイニング・テーブルやソファなどに、間に合わせのワークスペースを作った。

モットーラ氏は、具体的な顧客の名前を挙げなかったが、依頼をしてきたのは「あなたが思い浮かべるような企業の幹部」だという。彼らのホームオフィスの改造について、驚くような要求はないという。インターネット接続、人間工学に基づいたデスクとチェア、照明などだ。

彼のクライアントは、ホームオフィスの家具に美しさではなく、より実用的であることを望んでいるという。

「美しい、モダンなデザインというだけで椅子を選ぶことはない」とモットーラ氏は述べた。

「作業するための椅子、つまり人間工学に基づいた椅子を選ばなければいけない。なぜなら、数日か数週間か、あるい数カ月も、そこに座って作業することになるかもしれないからだ」

モニターの設置場所などを検討するクライアントもいるが、多くのクライアントは、ビジネスを行う第一の方法はスマートフォンだという。

「我々が取引をしているテック系のクライアントには、ノートPCすら使っていない人もいる。すべては彼らの電話の中にある」とモットーラ氏は述べた。あるいは、iPadと外付キーボードだ。

シリコンバレーの多くのオフィスはオープンフロアで、人や機材が密集している。さらに、フラットな構造もその特徴で、CEOであっても個室が割り当てられておらず、社員と同じフロアにいることがある。

モットーラ氏に仕事を依頼しているテック系クライアントの多くはこのような環境から来ており、ホームオフィスをデザインする時には、それを念頭に置いていると言う。

「彼らはオフィスであちこち動き回っている。そして、同じことを家でも行っているようだ。そのような極端な移動を」とモットーラ氏は述べた。

今後、新しい家の買い手は、快適で、よりよく計画されたホームオフィスを作るためのスペースを求めるだろう。

雇用主は「従業員の働き方により柔軟性を高めるために、リモートワークをさらに広めようと考えている」とモットーラ氏は言う。

「その時、ホームオフィスは、人々が住宅に求めるものにも大きな影響を及ぼすだろう」

そして、それには賃貸物件も含まれる。

一方、ベイエリアの顧客は、どのようにして持続可能な形でホームオフィスにエネルギーを供給するかということも考えている。モットーラ氏によると、カリフォルニア州北部の比較的辺鄙な地域では、地震や山火事などの緊急事態に備えて、発電機のニーズがあるという。自宅で仕事をするときは、自然災害があろうとなかろうと、生産性を維持しなければならない。

「リモートで作業する場合には、信頼性の高いサービスを確保する必要がある」とモットーラ氏は述べている。

[原文:Silicon Valley execs are requesting revamped home offices with generators and ergonomic chairs as more companies adopt work-from-home policies

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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