NASAが主催した「地球写真コンテスト」の入選作16枚を見てみよう

バハマ諸島近くの海

バハマ諸島付近の潮の干満と海流は、風がサハラ砂漠の広大な砂丘を形作ったのと同じように、海底の砂や藻を色とりどりの溝のような模様に彫刻した。

Serge Andrefouet, University of South Florida via NASA

  • NASAは先月、アースデイの50周年とNASA地球観測所の20周年を記念して写真コンテストを開催した。
  • 5万人を超える人々が、お気に入りの画像に投票した。
  • 受賞作は、バハマの海底砂丘と海藻床のサイケデリックな写真だった。
  • すばらしい16枚の写真を見てみよう。

アメリカ航空宇宙局 (NASA) はウェブサイト「NASA Earth Observatory」で、地球を撮影した衛星写真を毎日公開している。

先月、アースデイ50周年と「Earth Observatory」の20周年を記念して、写真コンテストを開催し、一般の人々がこれまでに公開された中で最高の地球の写真に投票した。

5万6000人以上が5ラウンドに分けて投票した「地球トーナメント」の勝者は、2001年に撮影されたバハマの砂と海藻の衛星写真だった。この写真は潮の流れと海流がうっとりするような形を作り出している。撮影したのは、南フロリダ大学のリモートセンシングの専門家、セルジ・アンドレフォーエ(Serge Andrefouet)だ。

上位にランクインした写真は以下の通り。


準優勝作品の1つ目は、2019年に240年以上ぶりに噴火したライコケ火山の衛星写真。千島列島にある火山だ

2019年6月22日、千島列島にあるライコケ火山が噴火し、大量の灰と火山ガスが噴出した。

2019年6月22日、千島列島にあるライコケ火山が噴火し、大量の灰と火山ガスが噴出した。

Joshua Stevens, with NASA EOSDIS/LANCE and GIBS/Worldview and the Suomi National Polar-orbiting Partnership.

2019年6月22日、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士たちが、ライコケ火山の噴火を撮影した。その噴煙は細い柱状に上昇し、それから広がった。噴煙は10マイル(16キロメートル)の高さに達していた可能性がある。

2つ目の準優勝作品はナミビアのナミブ砂漠の衛星写真。ナミビアのナミブ砂漠の衛星写真。赤い砂丘が、曲がりくねったクイセブ川に接している

ナミブ砂漠

ナミビアのナミブ砂漠の北側にはカイセブ川が流れている。2019年11月13日。

Joshua Stevens, using Landsat data from the U.S. Geological Survey, via NASA

この画像は、ナミブ砂漠の北側、つまりクイセブ川沿岸の砂漠を写している。砂は酸化鉄で覆われているため、赤く見える。

川の反対側には岩だらけの土地がある。砂漠の上には川からの霧が立ち込めることがよくある。

3位になったのは、宇宙から見た地球を撮影した一組の画像だ

この衛星画像は「青い双子のビー玉」と呼ばれ、左が西半球、右が東半球を写している。

この衛星画像は「青い双子のビー玉」と呼ばれ、左が西半球、右が東半球を写している。

NASA images by Reto Stöckli, based on data from NASA and NOAA.

NASAの科学者とグラフィック・アーティストのチームが、複数の衛星ミッションから得られたデータをもとに、信じられないほど詳細な地球の画像を作成した。画像データには、都市の光、陸地を覆う雲、数十億個の微細な海洋植物の葉緑素が反射する光などが含まれている。

この土星の写真は、本来は地球の写真ではないにもかかわらず、コンテストのベスト8に選ばれた

この土星の写真は、本来は地球の写真ではないにもかかわらず、コンテストのベスト8に選ばれた

10億km離れた土星の向こう側からは、地球は小さな明るい点に見える。2006年9月15日。

NASA/JPL/Space Science Institute

この土星の画像は、2006年9月15日に探査機カッシーニが広角カメラで撮影した165枚の写真を合成したもので、太陽が土星の後ろにあるため、それがバックライトになり、土星の輪の濃淡を明らかにした。

地球は、土星の左側にある明るい内側の輪と薄くなった2つの外輪の間の小さな光だ。

当時オーストラリアで発生していた山火事の上空からオーロラを撮影したこの写真もベスト8に選ばれた

2011年9月17日、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士が南極のオーロラとオーストラリアの山火事の様子を撮影した。

2011年9月17日、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士が南極のオーロラとオーストラリアの山火事の様子を撮影した。

Expedition 29 crew, ISS Crew Earth Observations, and Image Science & Analysis Laboratory at the Johnson Space Center

国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士がインド洋上空を通過中に撮影したオーロラ。鮮やかな緑色の光は、太陽風による地球の磁場の乱れによるものだ。

南太平洋のこの小さな環礁は独特の形をしている。リング状の構造は、火山島の外輪山の周りにサンゴ礁ができた結果だ

アタフ環礁の形状は、南太平洋のかつての火山島の周りにサンゴ礁が形成された結果だ。 2009年1月6日撮影。

アタフ環礁の形状は、南太平洋のかつての火山島の周りにサンゴ礁が形成された結果だ。 2009年1月6日撮影。

Expedition 18 crew/ISS Crew Earth and the Image Science & Analysis Laboratory at the Johnson Space Center

時が経つにつれて、中央の火口は陥没し、周縁の露出した岩礁の表面は浸食でビーチになり、やがて植物の成長が可能になった。島は海抜2メートルしかないため、熱帯低気圧や海面上昇に対して脆弱だ。

この人工衛星の着色画像は、アラスカのコロンビア氷河の左側が後退している様子を示している

2014年7月2日、チュガッチ山地を通ってプリンス・ウィリアム湾へと下って行くコロンビア氷河。

チュガッチ山地を通ってプリンス・ウィリアム湾へと下って行くコロンビア氷河。2014年7月2日。

NASA Earth Observatory

アラスカにあるこの大きな氷河は、予期せぬ速さで後退している(氷河は通常、雪不足で薄くなり、後退する)。着色された衛星画像によって、その動きがよくわかるようになる。

NASAが作成したこの画像は、世界中の気象パターン(サイクロン、砂嵐、火災など)を1つマップに可視化している

2018年8月23日の世界中の熱帯低気圧、砂嵐、火災を視覚化した画像。

2018年8月23日の世界中の熱帯低気圧、砂嵐、火災を可視化した画像。

Joshua Stevens, using GEOS data from NASA GSFC

2018年8月23日には、北アメリカとアフリカで山火事が起こり、3つの熱帯低気圧が太平洋を引き裂き、アフリカとアジアで砂嵐が吹き荒れた。海上の嵐のエアロゾルは青で表示され、火災からの黒い炭素粒子は赤、砂塵として分類された粒子は紫色で表示されている。

この画像は、トーナメントのベスト16に残った。

人工衛星はアイスランドの2つの火山の間を流れる溶岩を撮影した

ランドサット8号は2014年9月6日、アイスランドのバルダルブンガ火山とアスカ火山の間を流れる溶岩を捉えた。

ランドサット8号は2014年9月6日、アイスランドのバルダルブンガ火山とアスカ火山の間を流れる溶岩を捉えた。

NASA Earth Observatory image by Jesse Allen, using Landsat data from the U.S. Geological Survey

2014年、アイスランドの大地に亀裂が生じ、大量の溶岩が噴出し始めたところを衛星が撮影した。

衛星画像によって、2020年2月に南極最大の氷河の1つが溶けたことがわかった。南極大陸の気温が史上最高となったことが原因だ

2020年2月の熱波で、南極半島北端の氷河が広範囲に融解した。左の写真がが2020年2月4日、右が2020年2月13日。

2020年2月の熱波で、南極半島北端の氷河が広範囲に融解した。左の写真がが2020年2月4日、右が2020年2月13日。

Joshua Stevens, using Landsat data from the U.S. Geological Survey and GEOS-5 data from the Global Modeling and Assimilation Office at NASA GSFC

2020年2月6日、南極では気温摂氏18度を記録した。これは、その日のロサンゼルスとほぼ同じ気温だ。そして、乾燥した暖かい風が氷河を急速に溶かした。

この写真は、内部波と呼ばれる水中の波を捉えている。これは、海の底にある冷たく重く塩辛い水が、暖かく軽く塩分の薄い水の動きとは異なるために起こる

2019年11月29日、内部波がアンダマン海の中を移動している。

2019年11月29日、内部波がアンダマン海の中を移動している。

Lauren Dauphin and Norman Kuring, using Landsat data from the U.S. Geological Survey.

内部波はインド洋東部、タイやミャンマーに近いところで見られる。

地球からは月の片側しか見えないが、この衛星画像では反対側を見ることができる

深淵宇宙気候観測衛星(DSCOVR)は、自身と地球の間を通過する月を撮影した。

深淵宇宙気候観測衛星(DSCOVR)は、自身と地球の間を通過する月を撮影した。

DSCOVR EPIC team

この写真は、月の裏側を見せてくれる。月には恒久的な暗黒面はない

ISSの宇宙飛行士は、カメラに稲妻の閃光を捉えた。紫がかった白い爆発は、クウェートの黄色の街の明かりとサウジアラビアのハフル・アル・バティン市の間にある

2013年12月12日にISSの宇宙飛行士が撮った写真は、クウェートとサウジアラビアの街の明かりの中にある稲妻の閃光を捉えている。

2013年12月12日にISSの宇宙飛行士が撮った写真は、クウェートとサウジアラビアの街の明かりの中にある稲妻の閃光を捉えている。

Expedition 38 crew and the ISS Crew Earth Observations Facility and the Earth Science and Remote Sensing Unit at the Johnson Space Center.

宇宙飛行士による観測は、稲妻が発生するプロセスについて科学者が学ぶのに役立つ。

1968年、アポロ8号の乗組員が月を周回するミッション中に撮影した、有名な「地球の出」の写真も支持を集めた

この白黒写真は、1968年12月24日、アポロ8号の乗組員が月を周回した際に、月面上に地球が昇ってくるところを撮影したもの。

この白黒写真は、1968年12月24日、アポロ8号の乗組員が月を周回した際に、月面上に地球が昇ってくるところを撮影したもの。

NASA JPL

宇宙飛行士たちは、この画像を1968年のクリスマスイブに月周回軌道から地球の人々に送信した。5億人がそれを見たと推定されている。

これは探査機ボイジャー1号が宇宙から撮影した、有名な地球と月の写真だ

1977年9月18日、ボイジャー1号が1166万kmの距離から撮影した地球と月。

1977年9月18日、ボイジャー1号が1166万kmの距離から撮影した地球と月。

NASA JPL

ボイジャー1号は、現在、これまで作られたどの人工物よりも地球から遠く離れており、今も宇宙空間を漂い続けている。この画像は、1977年9月5日の打ち上げから数週間後に撮影されたものだ。

優勝したのは、バハマ諸島沖の海中の砂や海藻の色とりどりの模様を撮影した画像だった

このバハマの砂浜と海草の衛星写真は、2001年1月17日にランドサット7号に搭載されたセンサー、ETM+(Enhanced Thematic Mapper plus)によって撮影された。

このバハマの砂浜と海草の衛星写真は、2001年1月17日にランドサット7号に搭載されたセンサー、ETM+(Enhanced Thematic Mapper plus)によって撮影された。

Serge Andrefouet, University of South Florida via NASA

風がサハラ砂漠の砂丘を動かして波のような形を作るのと同じように、バハマの砂や海藻は水流によって変形する。それはサイケデリックな絵画のように見える。

[原文:NASA hosted a bracket-style tournament to let the public pick the best photo of the planet. See the winner and runners-up.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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