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ポストコロナを生き抜くための新たな指針「ニューノーマル」とは何か。各界の有識者にインタビューをしていくシリーズ。今回は思想家で出版社「ゲンロン」創業者の東浩紀さん。
前編では、日本のコロナ対策において欠けていた視点、それによる社会の分断の加速について話してもらったが、後編ではビッグデータと個人のプライバシーや監視についての問題点を指摘する。さらにグローバルの文脈において、このコロナ禍をどう捉えれば良いのか? まで話は及んだ。
コロナ禍から世界が学ぶべき教訓とは? 思想家の東浩紀さんが語る。
提供:ゲンロン
—— 日本以外の国の対応はいかがでしたか。
どの国でも「命のためにはとりあえず監視だ」と進んで受け入れ、情報技術がそれを強力に組織してしまった。イタリアでも韓国でも、GPSを付けた感染者の追跡が政府によって強力に推し進められました。
アメリカでは、ユダヤ教の聖職者の葬儀が、市長によって強制的に止められたこともありました。これは宗教の自由のとんでもない侵害です。