2020年版:資産5億円以上の超富裕層になりやすい業界トップ10

ニューヨーク証券取引所の取引フロア。超富裕層になった人の多くは、金融業界で働いていた人たちだ。

ニューヨーク証券取引所の取引フロア。超富裕層になった人の多くは、金融業界で働いていた人たちだ。

Bart Sadowsk/Shutterstock

  • いくつかの業界では、ほかの業界よりもはるかに多くの富裕層が生まれている。
  • 食品・飲料業界で巨万の富を築いた人もいるが、不動産業界ではそれよりもずっと多くの人が「超富裕」になっている。
  • 純資産500万ドル(約5億3800万円)を超える超富裕層の4人に1人は、銀行・金融業を仕事にしている。

人々は、さまざまなアイデアをビジネスに変えて巨万の富を稼いできたが、一部の分野は、ほかの分野よりも稼ぎやすいようだ。

調査会社ウェルスX(Wealth-X)は2020年版「富の10年(Decade of Wealth)」レポートの一環として、純資産が500万ドル(約5億3800万円)を超える世界中の超富裕層のデータベースを分析し、その富がどのように築かれたかを調べた。

ウェルスXの調査結果をもとに、超富裕層がもっとも多いのはどのビジネス分野なのかを紹介しよう。


10. 食品・飲料

カインド・ヘルシー・スナックス(KIND Healthy Snacks)の創業者ダニエル・ルベツキー(Daniel Lubetzky)。

カインド・ヘルシー・スナックス(KIND Healthy Snacks)の創業者ダニエル・ルベツキー(Daniel Lubetzky)。

KIND Healthy Snacks

ウェルスXによれば、超富裕層のうち食品サービスで財を成したのは3.8%にすぎない。ダニエル・ルベツキー(Daniel Lubetzky)は、オーストラリアへのビジネス出張中に、丸ごとのフルーツとナッツでスナックをつくろうと試行錯誤したのをきっかけに、最初の「カインド(KIND)バー」を開発した。フォーブスによれば、それ以来、カインドバーを含むスナックの販売で12億ドル(約1290億円)の財産を築いたという。

9. 建築・エンジニアリング

サイクロン式掃除機を発明したジェームズ・ダイソン(James Dyson)

サイクロン式掃除機を発明したジェームズ・ダイソン(James Dyson)。

Bruno Vincent/Getty Images

ウェルスXのレポートによれば、超富裕層のうち建設・エンジニアリング分野で富を築いたのはわずか3.9%で、そのうちの1人がジェームズ・ダイソン(James Dyson)だ。正式な工学の学位を持っていないにもかかわらず、1986年に世界初のサイクロン式掃除機を発明して以来、別の家電製品にも手を広げ、純資産61億ドル(約6570億円)を稼いでいるとフォーブスは伝えている

8. ホスピタリティ・エンターテインメント

シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)の共同創設者ギー・ラリベルテ(Guy Lalibert)

シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)の共同創設者ギー・ラリベルテ(Guy Lalibert)。

s_bukley / Shutterstock.com

ウェルスXのレポートによれば、莫大な純資産を持つ人のうち、ホスピタリティとエンターテインメントの分野で財を成したのは4.1%だ。大道芸人出身のギー・ラリベルテ(Guy Lalibert)は、100万ドルの芸術助成金を元手に、モントリオールを拠点とするサーカス団を「シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)」として知られる数十億ドル規模のエンターテインメント帝国に育て上げ、12億ドル(約1290億円)の財産を築いた。この経緯については、以前Business Insiderで伝えている

7. 製造

ダイアン・ヘンドリックス(Diane Hendricks)

ダイアン・ヘンドリックス(Diane Hendricks)。

ABC Supply Co.

超富裕層のうち、製造分野で富を築いた者は4.1%。その1人が、ダイアン・ヘンドリックス(Diane Hendricks)だ。ヘンドリックスは、屋根、窓、壁板などの建築資材を製造するABCサプライ(ABC Supply)の経営で89億ドル(約9580億円)の財産を築いたとフォーブスは伝えている。

6. IT(テック業界)

マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)

マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)。

Kim Kulish/Corbis via Getty Images

ビル・ゲイツ(Bill Gates)、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)、ラリー・ペイジ(Larry Page)などのテック業界の億万長者は、資産10億ドル(約1076億円)を超える世界の大富豪のなかでもとくに有名な面々かもしれないが、IT分野で財を成した富豪は比較的少ない。ウェルスXによれば、純資産500万ドルを超える人のうち、テック業界で財産を築いたのは4.7%にすぎない。

5. ヘルスケア(医療・製薬)

エルネスト・ベルタレリ(Ernesto Bertarelli)

エルネスト・ベルタレリ(Ernesto Bertarelli)。

Manuel Queimadelos Alonso/Getty Images

ウェルスXによれば、純資産500万ドルを超える人のうち、ヘルスケア業界で財産を築いたのは4.9%だ。スイスで一番の大金持ちであるエルネスト・ベルタレリ(Ernesto Bertarelli)の純資産は、製薬会社セローノ(Serono)の株が生んだものだと、フォーブスは伝えている


4. 不動産

スティーブン・ロス(Stephen Ross)

Stephen Rossスティーブン・ロス(Stephen Ross)。

Photo by Nicholas Hunt/Getty Images

ウェルスXによれば、超富裕層のうち5.4%は不動産分野で富を築いたという。純資産76億ドル(約8180億円)のスティーブン・ロス(Stephen Ross)はアメリカでもっとも裕福な不動産開発業者だと、The Real Dealは2019年に報じている。

3. 非営利組織

ビル・ゲイツ(Bill Gates)

ビル・ゲイツ(Bill Gates)。

zz/PBG/AAD/STAR MAX/IPx

ウェルスXによれば、超富裕層の7%超は、非営利組織のためにフルタイムで働いている。ただしその多くは、ビルとメリンダのゲイツ夫妻のように、もともとは別の分野で富を築いた人たちだ。

2. 企業および消費者向けサービス

ワールド・ワイド・テクノロジー(World Wide Technology)の共同創業者で会長のデイビッド・スチュワード(David Steward)。

ワールド・ワイド・テクノロジー(World Wide Technology)の共同創業者で会長のデイビッド・スチュワード(David Steward)。

AP Photo/Jeff Roberson

ウェルスXによれば、超富裕層の16%以上は、企業・一般消費者向けのサービス業で富を築いた。デイビッド・スチュワード(David Steward)が創業したITサービス会社ワールド・ワイド・テクノロジー(World Wide Technology)は、110億ドル(約1兆1800億円)を超える売上を稼ぎ、スチュワードは35億ドル(約3770億円)の財産を築いたと、フォーブスは伝えている。


1. 銀行・金融

JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)の会長兼CEOジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)

JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)の会長兼CEOジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)。

Gretchen Ertl/AP

ウェルスXによれば、銀行・金融分野ほど超富裕層が多い業界はない。純資産500万ドル超の超富裕層のうち、22.6%は金融業界で富を築いた人たちだ。JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)の会長兼CEOジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)もその1人だ。

[原文:Want to become a billionaire? Here are the industries that produce the most ultrawealthy people

(翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)

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