6月30日付けで退任する島田慎二会長(左)と米盛勇哉社長。写真は2019年8月21日の会見時のもの。
撮影:大塚淳史
バスケ男子プロリーグ「Bリーグ」の千葉ジェッツふなばしは5月25日、取締役会を開き、6月30日付けで島田慎二会長と米盛勇哉社長の退任、田村征也取締役が社長に就任する。また、島田会長は同日、Bリーグのチェアマンに就任することが発表されている。
新社長はモンストイベント手がけた実績
ミクシィはスポーツビジネスに力を入れている。2019年4月に千葉ジェッツを子会社化した。写真はミクシィの木村弘毅社長(2019年12月10日にあったミクシィの新オフィス内覧会のもの)。
撮影:大塚淳史
千葉ジェッツは新経営体制を発表した。田村新社長は、2019年に取締役に就任しており、同時に千葉ジェッツの親会社であるミクシィの執行役員スポーツ事業本部・本部長でもある。過去にモンストのeスポーツ大会など大規模イベントで陣頭指揮を取ってきた。
ミクシィは2017年に千葉ジェッツのスポンサーになり、2019年4月に千葉ジェッツの株式の過半数を得てグループ化した。これまでも千葉ジェッツとアリーナの新設計画などを協議してきているが、今後はいっそう本格的に経営参画していくことになりそうだ。
田村新社長はリリースで意気込みをコメントした。(コメントはリリースより抜粋)
「新しい経営体制では『千葉県をバスケットボール王国にする』というビジョンを掲げ、地域に根差し、県下における競技人口の増加を目的としたバスケットボールの普及、地元から多くのプロの輩出を目指した選手育成の強化、そしてブースターの皆さまや競技者たちに憧れを持ってもらえるような、強く魅力的なトップチームづくりを行ってまいります。
千葉ジェッツふなばし成長の源泉である『地域愛着』をこれまで以上に重んじながら、成長のために新しいことは取り入れ、時代の流れに合わせた変化ができる強く柔軟なクラブ経営の実現を目指します。そして、千葉ジェッツを100年続くクラブチームに成長させるべくクラブ代表として尽力することをお約束いたします」
千葉ジェッツ支えた名物経営者はBリーグチェアマンに
6月30日付けで退任する島田慎二会長。写真は2019年8月21日の会見時のもの。
撮影:大塚淳史
一方で、千葉ジェッツの経営を支えてきた功労者がチームを離れる。2012年に就任し、当時破綻寸前だった千葉ジェッツの経営を立て直した島田会長は、Bリーグのチェアマン就任が発表されている。今後はリーグ全体を統括する立場に移る。
「2020年6月30日をもって株式会社千葉ジェッツふなばし代表取締役会長を退任することになりました。昨年の8月20日に代表取締役社長を退任し、会長として経営のサポート役に徹してまいりましたが、このタイミングで完全にクラブを離れることを決意いたしました。非常に厳しい経営環境でありますが、新経営陣、フロントスタッフ、チームを信じて託します。
ブースター、パートナーをはじめ千葉ジェッツを取り巻く全ての皆さまに心より御礼申し上げます。これからも千葉ジェッツふなばしへの変わらぬご支援をお願いします。およそ8年半の長きにわたり本当にありがとうございました。感謝」(リリース文より)
米盛社長は1年未満で「異例」の退任
6月30日付けで退任する米盛勇哉社長。2019年8月21日に行われた社長就任会見では意気込みを語っていた。
撮影:大塚淳史
今回一番の驚きだったのが、米盛社長の退任。2019年8月に就任したが、1年を経たずに離れることとなった。米盛社長は直近1カ月以上、Twitterでの発信を止めていた。
「6月30日をもって代表取締役社長を退任することとなりました。昨年の8月の正式就任から結果的に約1年の短い在任期間となりましたが、本当に多くの方に支えていただき、1シーズンを過ごすことができました。ブースター、パートナー、ボランティアスタッフ、取引業者様、地域の皆様、Bリーグ及び他クラブの方々、フライトクルー、チーム、従業員等、全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。 新型コロナウイルスの影響下で厳しい経営環境が続く中、クラブ単体としてできることはやってきたものの、今後クラブが存続しさらに繁栄するために親会社と連携することとなりました。今回の退任に際し心残りが無いと言えば嘘になりますが、千葉ジェッツが新たな体制で繁栄し取り巻く全ての人々をハッピーにできることを祈っております。本当にありがとうございました」(リリース文より)
なお、田村新社長の就任会見、島田会長、米盛現社長の退任会見の予定はないという。ミクシィの木村社長はTwitterで2人へのねぎらいのTweetをしている。
(文・大塚淳史)