レノボ・ジャパンはThinkPadシリーズの新製品を発表した。
出典:レノボ
レノボ・ジャパンは5月26日、同社のPC製品「ThinkPad」シリーズの新ラインナップを発表した。
発表されたのは、ThinkPadシリーズの「X1 Carbon」「X1 Yoga」「X13」「T」「L」「E」の法人向け計16モデル。加えて、打ちやすさに定評のある同シリーズのキーボードをほかのWindows PCやAndoridスマホなどでも利用できる「ThinkPad トラックポイント キーボード Ⅱ」も登場した。
新型コロナ特需はWindows 7サポート終了と同様の勢いか
写真左からレノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏、モバイル製品担当の吉原敦子氏。
出典:レノボ
同日に開かれたウェブ発表会で、レノボはいずれの製品についても、この新型コロナウイルス感染症拡大で需要の高まったテレワークへの対応を強調した。
レノボ・ジャパンは自社調査結果で約8割の会社が新型コロナウイルス終息後も「引き続きテレワーク制度を維持することを期待している」とし、同社執行役員副社長の安田稔氏はこの結果を「完全に元の(新型コロナ拡大前の)世界に戻ることはないと断言できる理由だ」と話す。
また、安田氏は2020年度の見通しについて以下の様に述べており、Windows 7特需にわいた2019年度同様の需要の高まりに期待している。
「2019年度はWindows7のEOS(End Of Support:サポート終了)の影響でかなり大きな需要があり、通常の年の2倍近いものだった。
2020年度はその需要がなくなり、基本的には2、3年前の規模戻ると思っている。ただ、テレワーク需要がゴールデンウィークの頃から顕著に高まっているのに加え、(文部科学省主導の)GIGAスクール構想の前倒しも決まっている。2019年と同様ぐらいの需要は見込まれるのではないか」(安田氏)
テレワークに最適な機能や周辺機器を提案
ThinkPadシリーズはIBM時代から数えて“28歳”を迎える定評のあるシリーズ。
出典:レノボ
基本的に今回のThinkPad新製品は、最新CPUの搭載などのスモールアップデートで、既存製品のブラッシュアップといったものが多い。
だが、例えば、より高速な通信が可能な「Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)」の標準サポート(対応ルーターが別途必要)、Zoomなどのオンライン会議時に便利な着信応答・終了などがファンクション(Fn)キーで行える機能も搭載するなど、テレワーク特需に対応できる機能も搭載する。
画面の大きさと価格、薄型軽量の絶妙なバランスを保ったという「ThinkPad L14 Gen1」。
出典:レノボ
また、新製品の中でハイライト的な製品である「ThinkPad L14 Gen1」は14インチ液晶ディスプレイのノートPCで、USB 3.1準拠のUSB Type-Cポートなど豊富な外部入出力端子も備えつつ、重量は約1.61kg(一部モデルは1.73kg)と持ち運びもある程度可能な構成となっている。
同社のモバイル製品担当の吉原敦子氏はL14 Gen1の12万5000円(税別)からという直販価格について触れ、「薄型軽量の製品は価格が高くなりがちだが、(L14 Gen1は)ちょうどよいバランスの製品」とアピールしている。
Bluetooth 5.0と、2.4GHz帯を使った独自のワイヤレス接続方式を用いる「ThinkPad トラックポイント キーボード Ⅱ」。
出典:レノボ
ほかにも、前述のワイヤレスキーボード「ThinkPad トラックポイント キーボード Ⅱ」(税別1万4500円、5月26日発売)やモバイルモニターの「ThinkVision M14t」(参考出展、発売日未定)、すでに展開中のヘッドセットやWebカメラ製品についても言及。テレワークにおけるさまざまなニーズへの対応を行っていく。
(文・小林優多郎)