新型コロナの追跡アプリを活用? 中国・杭州市は、市民の健康度を監視するアプリの導入を目指している

新しいアプリのイメージ

新しいアプリのイメージ。日々の健康スコアを0~100で示すという。

Hangzhou Municipal Health Commission

  • 中国の杭州市は、飲酒や睡眠、歩数といった習慣をもとに、市民に日々スコアを付ける恒久的な健康追跡アプリを導入しようとしている。
  • このアプリは、中国の新型コロナウイルスの追跡アプリと似たようなものになりそうだ。新型コロナウイルスの追跡アプリは利用者に色別のコードを与え、特定のエリアに入ったかどうかを特定したり、自分の近くにいた人を追跡できるといった機能もついていた。
  • 杭州市の新たなアプリが同じような使われ方をするかどうかは分からない。また、アプリがどのようにしてデータを集めるかも不明だ。
  • プライバシー擁護派は、新型コロナウイルスの流行している間に導入された新たな追跡システムが世界中で恒久的なものになったり、プライバシーを侵害する可能性があると警鐘を鳴らしている。

中国のある都市では、新型コロナウイルスが流行している間に導入された健康監視アプリを、健康状態や日々の習慣をもとに点数を付け、格付けする恒久的なシステムにすることを考えている。

人口約1000万人を抱える杭州市は、歩数やアルコール消費量、睡眠時間といったそれぞれの習慣をもとに、人々に毎日点数を付けるシステムの導入を検討しているとCNBCが報じた

それぞれの"健康スコア"とその詳細は携帯電話に表示され、スキャンすることができるという。

杭州市が検討しているアプリは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国の一部で導入された健康アプリに似ている。このアプリは利用者に色別のコードを与え、スキャンするとその人が外出できるかどうか、特定の建物に入ることができるかどうか分かるというものだった。

携帯電話には赤、黄色、緑のいずれかの色が表示され、当局はその結果に基づいて人々の動きをコントロールしたり、それぞれの行動履歴や接触履歴を追跡する。

スマートフォン

中国ですでに利用されている新型コロナウイルスの健康アプリの画面(左)と地下鉄の駅でQRコードをスキャンする男性(右)。2020年4月、武漢。

AP Images

杭州市で最初に開発されたこのアプリは、流行が落ち着いた今もまだ中国の一部地域で使用されているとCNBCは報じている。

そして、CNNによると、杭州市はこれを恒久化したバージョンを作ろうとしている。

杭州市衛生健康委員会が提供した新たなアプリのイメージを見ると、"健康スコア"は0~100、赤色から緑色のグラデーションで表示される。

この新たなアプリが新型コロナウイルスのアプリと同じような使われ方をするかどうかは分からない。また、アプリがどのようにしてデータを集めるかも不明だ。

体温チェック

体温チェックを受ける男性(2020年1月、杭州市)。

Feature China/Barcroft Media via Getty Images

CNNによると、衛生健康委員会の委員長は全従業員の行動を追跡する企業用の"集団健康スコア"の可能性も示唆した。

新型コロナウイルスの追跡アプリは、メッセージアプリ「WeChat(微信)」や決済アプリ「アリペイ(支付宝)」にインストールされていた。

アリババの子会社でアリペイを運営する「アント・フィナンシャル」はCNBCに対し、「このプロジェクトについてはどこからの接触もない」と話している。

広報担当者も、ユーザーのプライバシーを守ることが「我々のプラットフォームにおける全てのサードパーティー・サービスプロバイダーに対する必要条件だ」と語った。

アリババ本社

杭州市にあるアリババ本社。

Reuters

新型コロナウイルスの流行を受け、世界各地で追跡アプリが導入されたり、政府による監視が増える一方で、プライバシーに関する不安も高まっている。プライバシー擁護派は、緊急時の監視手段が一般に広まったり、"ニューノーマル"に影響する可能性があると懸念している。

杭州市が検討中のアプリは、中国の社会信用システムにもよく似ている。社会信用システムは、ビデオゲームを買い過ぎたり、政府がフェイクニュースと見なしたものをネットに投稿するといった「悪い」社会行動を罰し、人々を格付けするものだ。

Business Insiderでも報じたように、このシステムの下ではそれぞれのスコアに応じて見返りがあったり、罰されることになる。具体的には、鉄道の利用を禁止されたり、子どもを良い学校に通わせられなくなったり、インターネットのスピードを落とされるなどの罰則があるという。

社会信用システムは杭州市を含め、少しずつ試験運用が進められている。

杭州市が検討している新たなアプリについて、怒りをあらわにする市民もいると、CNNは報じている。

「既往歴や健康診断の結果は個人のプライバシーだ。なぜそれが他人に見せる健康コードに含まれなければならないのか?」と、ある人は短文投稿サイト「ウェイボー(微博)」 に書いている

「喫煙、飲酒、睡眠不足で点が引かれるなんて、わたしたちの生活は完全に監視されるということか?」

[原文:A Chinese city plans to monitor its citizens and rank them by healthiness with an app, making its emergency COVID-19 surveillance regime permanent

(翻訳、編集:山口佳美)

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