トランプ政権vsツイッター…過去に非難するツイートをした従業員が報復対象に

トランプ大統領

REUTERS/Mike Segar

  • ツイッターの従業員が過去に行ったドナルド・トランプ大統領に批判的な内容のツイートが再び注目され、トランプ大統領の側近や最高顧問から批判を受けている。
  • ツイッターのサイト整合性責任者であるヨエル・ロスは、2016年と2017年に、トランプ大統領のことを「人種差別的なミカン」「ホワイトハウスにいるナチ」とツイートした。
  • ロスは現在、根拠のない事柄を含むツイートの一部に事実確認ラベルを追加するというツイッターの決定に対するトランプ大統領陣営の怒りの中心にいる。
  • ツイッターのジャック・ドーシーCEOは「事実確認:会社の行動に最終的に責任を持つ人がいる。それは私だ」とツイートした。「我々の従業員には手を出さないでほしい」

ドナルド・トランプ大統領は5月27日の朝、自身のツイートの一部に事実確認が必要だとするラベルを追加するというツイッター(Twitter)の決定に強い拒絶反応を示し、ツイッターや他のテック企業が反保守的な偏見を持っていると非難した。

今、トランプ大統領の側近や顧問は、彼らの怒りをぶつける新らしいターゲットを見つけた。それは、過去にトランプ大統領を厳しく批判するツイートをしてきたツイッターのサイト整合性責任者、ヨエル・ロス(Yoel Roth)だ。

27日、彼の2016年と2017年のツイートは再び注目され、広く共有された。その中には、トランプ大統領を「人種差別主義のミカン(racist tangerine)」「ホワイトハウスにいるナチ(ACTUAL NAZIS IN THE WHITE HOUSE)」と呼ぶツイートや、そしてミッチ・マコーネル上院院内総務を「人格のないオナラの袋(a personality-free bag of farts)」と表現するツイートなどが含まれている。

私はただ、人種差別的なミカンに投票した州の上空を飛ぶのには理由があると言っているのです。

ツイッターの広報担当者はBusiness Insiderに、ロスは確かにデル・ハーヴェイ(Del Harvey)副社長が率いる、事実確認が必要なツイートにラベルを貼ることを勧告するチームの一員であると語ったが、ツイートにラベルを貼るかどうかの決定は「リーダーの判断」によって行われると付け加えた。

27日の夜、ツイッターのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)CEOは、トランプ大統領の選挙に関する主張に対して事実確認を求める決定を支持した。

「ファクトチェック:企業としての我々の行動に最終的に責任を負うべき人物がいる。それは私だ。従業員には手を出さないほしい。我々は世界中の選挙に関する不正確な情報や論争のある情報を指摘し続ける」

さらに、「当社のポリシーに基づき、当該ツイートは、投票用紙を得るために登録する必要がないと誤解させる可能性があると判断した(実際は登録した有権者のみが投票用紙を受け取る)」とドーシーCEOは続けた

「このことをより明確にするために、@realDonaldTrump氏のツイートのリンクを更新している」

これは我々を“真実の仲裁者”にするものではない。我々の意図は、矛盾する発言を指摘し、論争中の情報を示し、人々が自分で判断できるようにすることだ。そして、我々の行動の背景がわかるように、我々の透明性を高めることは非常に重要だ。

トランプ大統領の側近や顧問は、ロスのツイートを、ツイッターや他のテック企業全体で反保守的な偏見がある証拠だとしている。ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr.)は、Breitbartがロスの過去のツイートを報じた後、ツイッター上でロスを非難した。ケリーアン・コンウェイ(Kellyanne Conway)大統領上級顧問は、27日朝のFOXニュースで、ロスを「恐ろしい」と言い、放送中に大声で彼のツイッターアカウントを読み上げた。

「サンフランシスコの誰か、彼を起こしてフォロワーが増えると伝えて」と、コンウェイは水曜日のトーク番組「Fox & Friends」で言った

ロスへの批判は、郵送による投票が民主党によって有権者の不正行為に利用されていると証拠もなく主張したトランプ大統領のツイートに事実確認ラベルを追加するというツイッターの決定へのトランプ陣営から広範な反発の一部だ。そのツイートは現在、トランプ大統領の主張を否定する独立したファクトチェッカーへのリンクを含む「事実を得る(get the facts)」というラベルが貼られている。

ツイッターがトランプ大統領の虚偽または誤解を招くような発言を調停するための措置を取ったのは初めてのことだ。ツイッターは、フェイクニュースに対処するポリシーがあるにもかかわらず、トランプ大統領が虚偽を拡散することを可能にしていると反対派から長年にわたって非難を浴びてきた。

トランプ大統領は27日の早い段階で、これに反応してツイッターを激しく非難し、保守派に対して不公平だとして、ソーシャルメディアのプラットフォームを閉鎖するか、「強く規制する」と脅した。

ツイッターは我々がこれまで彼ら(ツイッターとその同調勢力)に言ってきたことがすべて正しいことを証明した。この後、大きな動きがあるだろう!

[原文:This Twitter employee is now at the center of Trump's pushback against the platform because he criticized Trump in past tweets (TWTR)

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み