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- フェイスブックは、ミネアポリスでの抗議行動を受けて「銃撃」すると警告したトランプ大統領の投稿に対して、何の措置も取っていない。
- ツイッターは、この投稿が「暴力を賛美するもの」に関するルールに違反しているとし、警告を添付していた。
- フェイスブックのザッカーバーグCEOは、トランプ大統領の発言に「生理的な拒否反応」を示した。
- しかし、フェイスブックのルールには違反していないという。
- 「略奪が始まると銃撃が始まる」というフレーズは以前、1960年代の公民権運動が盛んだったときに南部の警察署長が使っていたものだが、トランプ大統領はそのことは知らなかったと公言している。
マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)は沈黙を破り、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がミネアポリスでデモ隊を「銃撃」することを警告する投稿について、「生理的な拒否反応」を示したものの、フェイスブック(Facebook)のルールを破るものではなく、削除されることはないだろうと語った。
ジョージ・フロイド(George Floyd)氏の死をめぐるミネアポリスの抗議行動に反応して、大統領が複数のソーシャルメディア上で「略奪が始まると、銃撃が始まる」と投稿した後、フェイスブックも論争に巻き込まれている。ツイッターは、そのツイートに「暴力を賛美すること」に関するルールに反しているとして警告ラベルを貼ったが、フェイスブックは即座に対応せず、沈黙を守り、報道機関や従業員からの明確化を求める声に応えていなかった。
5月30日の午後(現地時間)、フェイスブックの創業者兼CEOはついに公開投稿で、トランプ氏の投稿は暴力を扇動することに関するフェイスブックのポリシーに違反していないと述べた。「私は大統領のツイートや投稿にどう反応すべきか、1日中悩んでいました。個人的には、この種の分裂的で扇動的なレトリックには、生理的に拒否反応を示す」と書いている。
「多くの人が大統領の投稿をそのままにしていることに憤慨しているのは知っています。しかし、我々の立場は、明確な政策に明示された特定の害や危険の差し迫った危険を引き起こさない限り、できるだけ多くの表現を可能にすべきだということだ。我々はミネソタでの抗議を論じた投稿を非常に注意深く読んだ。州兵への言及は、その行動についての警告として読むことに意味があり、政府が武力の配備を計画しているかどうかを人々が知る必要があると考えている」
NBCニュースによると、トランプ大統領が使った「略奪が始まると、発砲が始まる」という言葉は、1960年代の公民権運動の混乱期にマイアミ市警の一人の署長が使ったもので、アラバマ州知事を4期務めた人種隔離主義者のジョージ・ウォレス(George Wallace)も使っていた。トランプはその後、その由来は知らないと公言し、自身の投稿は略奪は銃撃事件を伴うことがあるということを述べた、と主張した。「略奪は銃撃につながり、それが27日の夜にミネアポリスで男性が撃たれて殺された理由だ。あるいは、ルイビルで7人が撃たれたことを見てほしい。こんなことにならないようにしたいというのが、昨夜の発言だ」とトランプ大統領はツイートした。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)