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- コストコのリチャード・ガランティCFOによると、6月半ばから無料試食品の提供が再開される。
- 5月28日に行われた決算報告会で、新型コロナウイルスのパンデミックによる決算への影響などについて、ガランティCFOはアナリストからの質問に答えた。
- コストコでは試食コーナーに関する新たなルールを導入する予定で、「試食品を指でつまむということにはならない」とガランティCFOは述べた。
コストコ(Costco)は、新型コロナウイルスのパンデミックによって、その象徴である無料の試食品の提供ができなくなっていた。
だが米コストコ・ホールセールのリチャード・ガランティ(Richard Galanti)CFOは、5月28日に行われた第3四半期(5月10日まで)の決算報告会でアナリストからの質問に答え、試食コーナーは新たな衛生ルールを導入した上で、「6月半ばから徐々に再開させるつもりだ」と述べた。
「これ以上は言えないが、当然ながら空気にさらされた試食品を指でつまむということにはならない」
新型コロナウイルスは、アメリカにおけるコストコの試食提供員に大きな打撃を与えた。スタッフの多くは、試食サービスを提供するクラブ・デモンストレーション・サービス(Club Demonstration Services)の従業員だが、同社は4月6日から閉鎖しており、コストコでサービスを提供する何千人もの従業員を一時解雇している。
パンデミックで打撃を受けたコストコの食文化は、試食販売だけではない。フードコートでも「限られたメニュー」だけを提供するようになった。5月4日にはコストコ公式サイトに、フードコートではテイクアウトだけに対応するとの告知が掲載された。ガランティCFOは「第3四半期には、フードコートメニューの多くを提供しなかった」と述べた。
「現在はいくつかのメニューを復活させているが、すべてではない」
Business Insiderはコストコにコメントを求めたが、回答はまだ得られていない。どのメニューが復活するのか、試食に関する新たなルールはどのようなものなのかについて、現時点では明らかになっていない。ガランティCFOによると、コストコでは現在も「社会距離の確保と消毒」を実施し、フードコートは「第3四半期の間はほぼ閉鎖、あるいは制限を加えた営業を行った」という。
公式サイトで公開された決算報告では、「4月の売上高は新型コロナウイルスの影響を受けた」とし、外出禁止令や社会距離戦略のために売上高が減少したと述べた。さらにフードコートの「制限された営業」やガソリンの価格低下、メガネ店と写真プリント店の閉鎖なども、売り上げの減少に拍車をかけたとしている。
コストコの4月の売上高は前年同期比4.7%減だが「ガソリン、メガネ、旅行、フードコート、補聴器、写真プリントの売上高と為替の影響を除くと」8.6%増になるだろうとしている。2019年の年次決算報告書によると、コストコではガソリンスタンドやメガネ店などを「付随的ビジネス」と位置づけ、「幅広い商品やサービスを提供し、会員のより頻繁な来店を促す」ことをその役割だとしている。
[原文:Costco's free samples will be back by June, but they may not be the same after the coronavirus]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)