(左から)マーク・ザッカーバーグ、サンダー・ピチャイ、ジェフ・ベゾス。
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- ジョージ・フロイド氏の死に対する抗議行動に、シリコンバレーのリーダーたちが連帯の声を上げている。
- グーグル、アップル、フェイスブック、スナップなどの幹部たちは、ソーシャルメディアへの投稿や従業員へのメモで、人種的不平等や警察の残虐性に反対を表明している。
- 「我々が悪や不正行為に対して沈黙することは、悪人を支援していることになる」とスナップのエヴァン・シュピーゲルCEOは、従業員へのメッセージに書いた。彼は税制改革と超党派の賠償委員会の設立を求めている。
- ブルームバーグが入手したメモの中で、アップルのティム・クックCEOは、アメリカにおける人種差別の歴史を指摘し、「痛みを伴う過去」であり、かつ「現在も存在している」と述べた。
- グーグル、アップル、スナップ、フェイスブックの各CEOはいずれも、人種的正義と平等を支援する団体に寄付することを約束した。
- アメリカは、ミネアポリスで起こった警察官によるフロイド氏殺害を巡って、混乱に陥っている。
5月30日、グーグルのサンダー・ピチャイCEOは、同社の慈善組織Google.orgで人種差別と戦う組織への寄付キャンペーンを行っていることを社内へのメッセージに書いた
Stephen Lam/Reuters
グーグル(Google)は最大1万ドルまで従業員の寄付と同額を寄付すると、ピチャイ(Pichai)CEOはBusiness Insiderが入手したメモで述べている。
グーグルはまた、人種的な平等へのサポートを示すために、ホームページに黒いリボンを追加した。「悲しみや怒りや、恐怖を感じている人のために。あなたは一人ではない」とピチャイCEOはツイッターに書いている。
今日、アメリカのグーグルとYouTubeのホームページでは、黒人コミュニティと連帯し、ジョージ・フロイド、ブレオナ・テイラー(Breonna Taylor)、アーマウド・アーベリー(Ahmaud Arbery)、その他の声を持たない人々を偲んで、人種平等への支援を共有している。悲しみ、怒り、孤独、恐怖を感じている人のために。あなたは一人ではない。
スナップのCEO、エヴァン・シュピーゲルは5月30日の夜、「アメリカに重大な変化を受け入れる」よう要求する長い文章を従業員に書いた
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「悪事や不正に直面して沈黙しているのは、悪者を支援するために行動しているのと同じ」とシュピーゲルはThe Informationが入手したメモに書いている。
「私はアメリカの黒人と有色人種に対する扱いに心を痛め、激怒している」
シュピーゲルは政府レベルでの変化を求め、賠償金に関する超党派の委員会の設立を促し、裕福な人々により高い税率で課税するような税法を改正するよう求めた。スナップ(Snap)は人種的平等を支持する組織に寄付をするが、慈善事業の力はこの問題では限界があるとシュピーゲルは言った。
「私的な慈善活動は風穴を開けたり、進歩を加速させたりすることができるが、それだけでは不正の深く広い溝を乗り越えることはできない」とシュピーゲルは書いた。
「我々は一つの国として、その深淵をともに越えなければならない。自由、平等、そしてすべての人のための正義を目指して団結しよう」
シュピーゲルはSnapchatのコンテンツ管理にも触れ、人種的暴力を扇動する人々につながるアカウントを宣伝することはないが、人々が同意しなければコンテンツを削除することはできないと述べた。
メリンダ・ゲイツはフロイド氏の映像に「心を壊された」と言った
REUTERS/Mike Theiler
メリンダ・ゲイツ(Melinda Gates)は5月30日にツイッターで、過去数日間抗議行動を注視していて、「連帯感に圧倒された」が、自分の立場と慈善活動を活用する最善の方法はまだわからないと述べている。
「理解を深め、ジェンダーと人種の平等を中心とした、未来に向けて努力する人々や組織とともにあり続ける」とゲイツは書いた。
Black Lives Matter。我々は、組織的な人種差別が、名前もなく、異議もなく行われることを許容できない。何よりも、我々はそれに背を向けることができない。
マーク・ザッカーバーグは5月30日に投稿し、フェイスブックは黒人コミュニティの平等と安全を支援するためにもっと努力しなければならないと述べた
Charles Platiau/Reuters
ザッカーバーグ(Zuckerberg)はフェイスブック(Facebook)への投稿で、フロイド氏が暴行を受ける動画を投稿したダーネラ・フレーザー(Darnella Frazier)氏を称賛し、「我々は、それを見る必要があった」と述べた。
また、フェイスブックが従業員と「公民権アドバイザー」が推奨する人種正義グループとに1000万ドルを寄付すると述べた。さらに、刑事司法改革に対するチャン・ザッカーバーグ・イニシアティブ(Chan Zuckerberg Initiative)の取り組みについても詳細に説明し、過去数年間で4000万ドル近くを費やしたと述べた。
「先週の痛みは、すべての人に尊厳と平和を持って生きる自由を得るために、我が国がどれほど遠くまで行かなければならないかを考えさせられる。このことは、今日アメリカの黒人が直面している暴力が、人種差別と不公正の長い歴史の一部であることを思い知らされた」とザッカーバーグは記している。
「我々は黒人コミュニティとともに、そしてジョージ・フロイド、ブレオナ・テイラー、アーマウド・アーベリー、そしてその名が忘れ去られることのない多くの人々に敬意を表して、正義に向かって活動しているすべての人々とともに歩んでいく」
テスラとスペースXのCEO、イーロン・マスクは6月1日の朝、「#JusticeForGeorge」というハッシュタグを添えてツイートした
Patrick Fallon / Reuters
イーロン・マスクは、フロイド氏が死亡したとき、その場にいた他の警察官が起訴されなかったことは「まったく正しくない」とツイッター上のビデオに反応して、述べた。
他の警官が起訴されなかったのは間違いなく正しくない。他の警官が間違った事をしている間、傍観している警官は何をすべきか。#JusticeForGeorge
アップルのティム・クックCEOは、この痛みは「我々の国の魂と何百万という人々の心に深く刻まれている」と述べた
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ブルームバーグの報道によると、ティム・クックは従業員に宛てた文書で、フロイド氏の死の余波の中で「人種差別の長い歴史」に照らして、互いのために立ち上がる必要があると述べたという。
「その痛みを伴う過去は、暴力という形でだけでなく、根深い差別として日常的な経験の中に今も存在している」と、クックCEOは記している。
「我々はそれを刑事司法制度、不均衡な黒人コミュニティでの疾病による犠牲者、行政サービスや子どもたちが受ける教育の不平等の中に見ることができる。我々の法律は変更されたが、現実には、まだ普遍的に適用されていないということだ」
クックによると、アップル(Apple)はEqual Justice Initiativeをはじめとする複数の団体に寄付を行い、6月には従業員からの寄付に同額を加算するという。
「ジョージ・フロイド氏の死は、我々が『普通の』未来よりもはるかに高い未来を目指し、平等と正義の最高の理想に沿う未来を築かなければならないという、衝撃的で悲劇的な証拠だ」
フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOは、フェイスブックの投稿でザッカーバーグCEOに対して「真の平等を実現するために、我々には多くの努力が必要だ」と述べた
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「我々は人種差別に反対する。我々は偏見に反対する。我々は正義を支持する」とサンドバーグは書いている。
アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾスは、今回の抗議行動について具体的に述べていないが、労働者、特に有色人種に対する抗議行動の影響について、5月29日にインスタグラムに投稿した
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ベゾスは作家のセネカ・ゴールディング(Shenequa Golding)による、黒人の男女が殺害されるのを目撃した後、プロ意識を維持しようとする試みについて書いている文章を投稿し、ゴールディングの考えを読むことを勧めている。
「我々が目撃している黒人社会に向けての人種差別や暴力によって引き起こされる痛みや精神的トラウマは、広範囲に及ぶ」とベゾスは記している。
我々が目撃している人種差別や暴力によって引き起こされる痛みや精神的なトラウマは、広い範囲に及ぶ。 特にあなたがマネージャーまたはリーダーである場合は、@goldinggirl617のエッセイを読むことをお勧めする。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)