警察の対応の違いが逮捕者数にも影響? アメリカでは5600人以上のデモ参加者が逮捕されている

身柄を拘束される男性

2020年5月29日、ニューヨーク。

Frank Franklin II/AP Photo

  • 警察官によるジョージ・フロイドさんの暴行死をめぐる抗議活動で、アメリカでは6月2日現在、5600人以上が逮捕された。
  • その数はロサンゼルスで最も多く、AP通信によると931人が逮捕されている。
  • 逮捕者数が多い都市では、警察官がデモ参加者に対して暴力的である傾向が強い。
  • だが、そうでない都市もある。テキサス州ヒューストンでは511人が逮捕されているが、ヒューストン市警は抗議の声を上げる人々とともにデモ行進すると警察署長が語った。

警察官によるジョージ・フロイドさんの暴行死をめぐる抗議活動が始まって約1週間で、アメリカでは6月2日現在、5600人以上が逮捕された。

その数はロサンゼルスで最も多く、AP通信のまとめによると少なくとも931人が逮捕されている。

次いで、ニューヨーク(790人)、ヒューストン(511人)、サンタモニカ(400人)と続いた。

フロイドさんが警察官に9分間近く首をひざで押さえつけられ死亡したミネソタ州ミネアポリスでは、155人が逮捕された。今では、警察の蛮行に対する抗議は世界中に広がっている

デモ参加者と警察の衝突が増える中、各地で逮捕者も増加している。

ロサンゼルスでは、デモ参加者が警察官に卵や水の入ったペットボトルを投げつけると、警察官はゴム弾を発砲したと、ロサンゼルス・タイムズが報じている

この様子を目撃していた雑誌『マザージョーンズ(Mother Jones)』のジャーナリスト、ケビン・ドラム(Kevin Drum)氏は、警察は「水の入ったペットボトルが投げつけられるのを待っているかのようだった。そうすれば、武力で応戦できるからだ」と書いている

逮捕されるデモ参加者

2020年5月30日、ロサンゼルス。

AP Photo/Ringo H.W. Chiu

ニューヨーク市では5月30日(現地時間)、デモ参加者の群衆に2台の警察車両が突っ込んだ。 デブラシオ市長は当初、警察官の対応を支持していたが、その後、非難に転じた。

31日には、ニューヨーク市警が平和的に抗議活動をしていた人々に銃を突きつける様子が動画に捉えられた。デブラシオ市長は「あの警察官からは今日、銃とバッジを取り上げるべきだ」と語った

ジョージア州アトランタでは、暴徒鎮圧用の装備を着用した警察官が走行中の自動車を止め、乗っていた黒人男性を強引に引きずり下ろす様子が動画に捉えられている

警察官の1人が運転手側の窓を割り、複数の警察官がドライバーの黒人男性にテーザー銃を発射した。

だが、例外もある。テキサス州ヒューストンでは警察が500人以上を逮捕しているが、警察署長は31日、デモ参加者との連帯を示した。

「このコミュニティーの全ての人たちとともに、わたしたちもデモ行進に参加します」とアート・アセベド(Art Acevedo)署長はソーシャルメディアに投稿された動画の中で語っている

「でも、この街はわたしたちの街です。誰にも破壊させません」

[原文:Police have arrested more than 4,200 people nationwide in protests following George Floyd's death

(翻訳、編集:山口佳美)

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