独自ストアに試行錯誤。ファーウェイ「P40 Pro 5G」ほか国内8製品発表…「コロナ対策」に課題も

HUAWEI P40 lite 5G

4万円台で買えるSIMフリー5G端末として登場した「HUAWEI P40 lite 5G」。

撮影:小林優多郎

ファーウェイは6月2日、スマートフォン、タブレット、ノートPCなどの日本向け新製品発表した。以下、各製品の市場想定価格(税抜)と発売予定日。

とくに、カメラに特化したスマートフォンのP40シリーズと、ブランドリニューアルしたMatePadシリーズは、一部日本に導入していないモデルもあるものの、高価格帯と普及価格帯両方のモデルをラインナップする。

  • HUAWEI P40 Pro 5G……10万8800円、6月12日発売
  • HUAWEI P40 lite 5G……3万9800円、6月19日発売
  • HUAWEI P40 lite E……2万4800円、6月19日発売
  • HUAWEI MatePad Pro……5万9800円、6月12日発売
  • HUAWEI MatePad……3万6182円(LTE版)/2万9800円(WiFi版)、6月12日発売
  • HUAWEI MatePad T8……1万3900円、7月初旬発売
  • HUAWEI MateBook X Pro……17万9800円(Core i5モデル)/23万9800円(Core i7モデル)、6月5日発売
  • HUAWEI FreeBuds 3i……1万4800円、6月12日発売

HUAWEI P40 Pro 5G

HUAWEI P40 Pro 5Gはシルバーフロスト、ブラックの2色。シルバーフロストは磨りガラスの触感で、指紋が目立ちにくい。

撮影:小林優多郎

HUAWEI MatePad Pro

HUAWEI MatePad ProはQi準拠のワイヤレス充電・給電に対応する。

撮影:小林優多郎

とくに、HUAWEI P40 Pro 5Gについては、老舗カメラメーカー・ライカとの協業の成果である「Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ」を搭載。静止画時最大50倍の望遠撮影や暗所での撮影、マクロ(接写)撮影が可能。

ガラス越し作例1

ガラス越しで撮影してみたところ(クリックすると実際の写真サイズで表示します)。

撮影:小林優多郎

ガラス越し作例2

撮影した写真に対して「反射を削除」を適用したところ。手の映り込みは残っているが、会場の照明などはやや抑えられた(クリックすると実際の写真サイズで表示します)。

撮影:小林優多郎

さらに、「HUAWEI Golden Snap」と呼ぶ写真編集機能を搭載。アニメーション写真からベストショットを選び出したり、メインの被写体以外の通行人の除去、ガラス越しに撮影した際に発生する映り込みを低減するなどのAIを活用した写真加工機能が標準で使える。

独自ストアにはU-NEXT、国産ペイントアプリなどが追加

AppGalleryアイコン

今回発表されたAndroid搭載スマホ・タブレットは、すべてGoogleなしの「AppGallery」を搭載する。

撮影:小林優多郎

今回発表されたスマートフォンとタブレットには、アプリストアとして独自の「HUAWEI AppGallery」のみを標準搭載し、Google Playは使えない。

これは、ファーウェイは2019年5月15日に米商務省産業安全局の制裁対象リスト(Entity List)に追加された影響で、米国企業であるグーグルのサービスアプリ(GmailやGoogleマップ、Google Playなど)そのものや、その基幹となる開発者向けサービスが利用できない状況が続いているためだ。

スライドと吉松一彦氏

Huawei Mobile Servicesのグローバルでの状況を解説する吉松一彦氏。

出典:ファーウェイ

そのため、ファーウェイは自身のアプリ基盤「Huawei Mobile Services(以下、HMS)」と独自のアプリストア「HUAWEI AppGallery」を中国以外の国でも展開し始めている

6月2日に開いたウェブ発表会でファーウェイは、2月時点のHMSにの状況について、170カ国以上の国で展開、月間アクティブユーザーは4億人超、登録しているアプリ開発社数は140万人以上だとアピール。同社の吉松一彦氏は「Google Play、App Storeに続く第3の選択肢」と表現している。

日本のApp

日本の定番アプリも徐々に“AppGallery入り”を果たしている。

出典:ファーウェイ

とはいえ、これらの数字はグローバルの数字で大きな割合を占めるのは、中国市場で人気のアプリなどの影響だ。その多くは、日本ユーザーに馴染みのあるアプリとは言えず、国内向けスマホとしての実用性については、これまでも課題が指摘され続けてきた。

それに対し、吉松氏は発表会で日本の定番アプリの数々もHUAWEI AppGalleryへの登録が進んでいることを強調。日本の定額映像配信サービスの「U-NEXT」、日本生まれのお絵かきアプリ「アイビスペイント」なども導入したと説明する。

NAVITIME登場でゼンリン地図が利用可能に

NAVITIME

HUAWEI AppGallery版のNAVITIMEアプリ。

撮影:小林優多郎

1つ注目しておきたい点は、生活の中の必需品と言っても過言ではない地図アプリの状況だ。

多くの国内Androidユーザーにとって定番地図アプリは間違いなく「Googleマップ」だ。しかし、前述の通り今回の新製品ではこのGoogleマップのアプリ版は使えない。さらに、Googleマップを引用するサードパーティー製アプリもGoogleのアプリ基盤がないため利用できない。HMSにも独自の地図サービスは用意されているが、残念ながら膨大否情報量を持つGoogleサービスと同等とは言えない。

ゼンリンの地図

NAVITIMEアプリはゼンリンの地図を採用している。

撮影:小林優多郎

そんな経緯もあり、6月2日の発表会では日本の定番地図・乗り換えアプリである「NAVITIME」も紹介された。

ナビタイムジャパン広報によると、HUAWEI AppGallery版は「国内においてHMSに対応した初めての地図アプリ」となり、Google PlayやApp Storeで配信されているものと「基本的な機能は変わらない」としている。

また、地図の内容についてもHMSのMap Kitは利用せず、ほかのプラットフォームのNAVITIMEと同等で、国内地図制作・販売大手のゼンリン社のものを利用しているという。

生活に必要なアプリは揃いつつあるが……

実際に入れられるアプリ

LINEなどのアプリも利用できるになっているが……。

撮影:小林優多郎

ほかにも国内メッセンジャー大手の「LINE」もすでにHUAWEI AppGalleryで配信されており、HMS国内上陸初期の頃より国内ユーザーにとっての状況は改善しつつあると言える。

もちろん、Google系サービスやAPIを活用できないことによる弊害は未だにある。特に、この新型コロナウイルス感染症拡大が懸念される昨今、日本政府はグーグルとアップルが共同開発した共通APIを利用した濃厚接触通知アプリの開発を明らかにしている。このアプリは先述のグーグルが提供するアプリ開発者サービスを通して提供されるため、今回の新製品ではいずれも今後登場予定の濃厚接触通知アプリを利用できないということになる。

この状況は一朝一夕で解決するものではないが、端末のデキについては指折りの性能や特徴を持つ製品であることも事実だ。日本ユーザーにファーウェイがどのようなアプローチをしていくのか、今後も注目していきたい。

(文、撮影・小林優多郎

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