今季のハリケーンは早くも記録破り…「大型」が「例年以上に」発生すると、NOAAが予測

クリストバルの衛星画像

トロビカルストーム「クリストバル」の衛星画像。2020年6月3日。

NOAA GOES-East

  • 2020年のハリケーン・シーズンは、早くもこれまでの記録を破っている。
  • トロピカルストーム「クリストバル」は、今シーズン3つ目の名前のつけられた嵐で、3番目としては史上最も早く到来した。
  • アメリカ海洋大気庁は今シーズン、合計6から10個のハリケーン発生を予想している。
  • 熱帯性低気圧が大型ハリケーンになる確率は過去40年、10年ごとに8%ずつ増加している。地球温暖化のためだ。

大西洋の2020年ハリケーン・シーズンの2日目(6月2日)に、トロピカルストーム(熱帯暴風雨)のクリストバル(Cristobal)がメキシコ湾で猛威をふるった。

クリストバルは、今シーズン大西洋で発生した嵐の中で、勢力が強くなって名前がついた3番めのものだ。これほど早く3つに名前が付いたのは観測史上初めてで、アキュウェザー(AccuWeather)によると、平年では、3つ目の嵐ができるのは8月13日頃だという。

世界気象機関(World Meteorological Association)は、風速が時速39マイル(秒速およそ17メートル)以上の嵐に名前を付ける。これが暴風雨がトロピカルストームと見なされる基準だ。クリストバルは6月2日にその風速を超え、3日にカンペチェ湾を襲った。そしてアメリカのメキシコ湾岸に接近するにつれ、ハリケーン級の強度になる可能性もあった。

クリストバルの予想進路図

クリストバルの予想進路図。

National Hurricane Center

アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2020年のハリケーン・シーズンは「例年以上」になるだろうと予測した。6個から10個のハリケーンが発生し、うち3個から6個がカテゴリー3以上(大型ハリケーン)になるという。

平均的なシーズンであれば、発生は約6個で、うち3個が大型になる。だが、NOAAによると、大西洋では1995年以降、ハリケーンは非常に活発になっている。

ハリケーン・シーズンは毎年6月1日に始まる。しかし、今年はそれ以前に、トロピカルストームのアーサー(Arthur)がノースカロライナ沿岸をかすめ、バーサ(Bertha)がサウスカロライナのチャールストンに上陸した。

NOAAが今シーズンの予測をするよりも前に、他の政府機関、研究機関、民間企業の多くが、嵐の活動は「例年以上」で6個以上になるだろうと予測していた、とCNNは報じている。「極めて活発」になって9個以上発生する、と予測しているグループさえある。

「概して、今季のハリケーン予報は、過去数年に比べて活発だということで一致している」コロラド州立大学大気科学学科のリサーチ・サイエンティスト、フィル・クロッツバッハ(Phil Klotzbach)はCNNに語った。

暴風雨が大型ハリケーンになる確率が増している

ハリケーン、ドリアン

宇宙飛行士のニック・ヘイグ(Nick Hague)が国際宇宙ステーション(ISS)からツイッターに投稿した、ハリケーン「ドリアン」の写真。2019年9月2日。

NASA/Nick Hague

熱帯性の暴風雨が大型ハリケーンになる確率は増している。人間の活動によって地球が温暖化しているためだ。NOAAの研究者とウィスコンシン大学マディソン校による研究では、その確率は過去40年にわたり10年ごとに8%ずつ増加していることが明らかになった。

「我々は、こうした嵐がすでに本質的に変わってきており、そのすべてが危険なものだという、多くの証拠を見出してきた」とNOAAの大気科学者で同研究の筆頭著者であるジェームズ・コッシン(James Kossin)はワシントン・ポストに語った。

5月に発表されたこの研究結果は、40年間の衛星観測データに基づいている。

ハリケーン、ドリアンの被害者

ハリケーン「ドリアン」によって家を破壊された女性。バハマのグレートアバコ島。2019年9月5日。

Al Diaz/Miami Herald/Tribune News Service via Getty Images

ハリケーンはより強く、より湿潤になっている。気候変動が海水温や気温の上昇を引き起こしているからだ。2019年は、観測史上2番目に暑い年になり、観測史上最も暑い10年だった2010年代を締めくくった。ハリケーンは、温かい水によって発達する。その上、水温が高ければ海面上昇に繋がり、満潮や高潮の際は洪水のリスクも高まる。空気は暖かくなると、より多くの水蒸気を含むことができるので、熱帯低気圧はより強くなり、より多くの雨を降らせることになる。

「暴風雨によって引き起こされる被害と死のほとんどは、大型ハリケーンによるものだ」とコッシンはCNNに語った。

「大型ハリケーン発生の可能性が高まれば、間違いなくそのリスクも高まるだろう」

[原文:The 2020 hurricane season already broke a record, and it's only day 3

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

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