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【オンライン学習】「学びの最前線」はアフターコロナでこう変わる…小学校、中学・高校、大学から社会人まで


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写真はイメージです。

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こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。

コロナウイルス感染拡大により大きな変革を強いられたのが教育業界です。例えば、World Economic Forumのデータによると2020年3月の時点で世界186カ国の子どものうち、約14億人の子供が学校閉鎖により影響を受けたといいます。

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学校が閉鎖されている間も授業をオンラインで続けるために、今まで一番アナログだった業界の一つであるK-12(幼稚園年長から高校三年生まで)の教育現場で、急速にデジタルトランスフォメーションが進んでいます。

今回は、「K-12、大学、社会人教育の現場がポストコロナでどう変わるのか」について書いてみたいと思います。

デジタル化が進む年長〜高校三年生までの「K-12」

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まずK-12に関しては、各国でコロナを通してデジタル化が進んでいます。

例えば、インドではBYJU’Sというオンライン学習プラットフォームの利用者数が無料コースを解放してから200%増加し、Google Play Storeが4月に発表した「教育アプリダウンロード数ランキング」で唯一インドの会社でトップ10にランクインしました。

インド発のオンライン学習プラットフォーム「BYJU’S」

インド発のオンライン学習プラットフォーム「BYJU’S」。

撮影:伊藤有

また、中国・武漢では、街が封鎖されたことで子供たちの学習もデジタル化を強いられました。テンセントが提供する教育プラットフォームを、生徒全体の8割にあたる約73万人の生徒が使用し、史上最大のオンライン教育ムーブメントになったということです。

アメリカでも、今まで特にデジタル化に積極的ではなかった公立学校でもグーグルの「Chromebook」を無料で生徒に配布し、Google Classroomという無料プラットフォームを使って教師が子供たちに毎日レッスンをしています(ちなみにGoogle Classroomの4月のダウンロード数は前年比で21倍になり、最もアメリカで普及している教育プラットフォームになっています)。

私の小学生の娘も、毎朝9時になるとチェックインタイムなので自分の部屋へ行き、Google Classroomにログインしてみんなに挨拶をしています。Zoomによる先生と生徒のお茶会(日本でもZoom飲み会が流行っているようですが、それに似たような感じでしょうか)を開催したり、「先生が毎日、本を朗読してくれる時間がなくなって寂しい」という生徒からの声を聞いて、担任の先生がZoom読み聞かせの時間を週に3回ほど導入してくれました。

数学の方は、特にデジタルプラットフォームが豊富にあり、Zearn.orgやスタンフォード大学の教育学の教授と学生が、無料で数学好きの小学生に数学を教えてくれるMOOC(Youcubed)などもあります。私の娘も早速Youcubedを受講していますが、隣で私も授業を聞いていて、とてもよくできていると感じます。

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数学の無料オンライン学習コンテンツ「Youcubed」。

撮影:伊藤有

数学が生活の色々なところであふれていて、誰でも数学が得意になれる、ということを分かりやすく教えています。また、「(女子は数学が苦手、ピンクのバービー人形で遊ぶのが好き、などを含む)ステレオタイプを常に疑いなさい」と教えていて、近年の女子生徒のSTEM教育への参加率を増やす動きに連動しているなと感じました。

アメリカでは毎年卒業前のこの時期(5〜6月)に修学旅行のような林間学校を行うことが多いのですが、今年はそれもキャンセルされました。通常は、この流れで6月から始まる夏休みも、サマーキャンプという数週間から数カ月のプログラムに通う子供がほとんどなのですが、今年は事情が変わってきています。

今注目されているのが、サマーキャンプなどの教育コンテンツをオンライン化してライブ配信で提供する、サンフランシスコに本社をもつ「Outschool」(2017年創業)です。

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「ポケモンをテーマに文章を書く能力を身に付ける」ことをうたうOutschoolのオンラインサマーキャンプ。

撮影:伊藤有

「ポケモンをテーマに文章を書く能力をつけよう」という1週間のオンラインサマーキャンプや、中学生向けに「ファッション史を学ぼう」というクラスなどあり、世界中の子供と仲良くなれるチャンスだということです。先生が自由に教育コンテンツを開発してよいということで、とてもニッチなテーマのコンテンツも豊富に揃っているマーケットプレースです。

デジタル化に苦労しているのは「大学」?

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教室、図書館、校舎など、「大学」を形作る設備は数多い。それが使えないとなれば、高額な学費の価値が何なのかを問い直す動きが出てくるのは自然なことだ(写真はイメージです)。

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このように相対的に見てデジタル化がスムーズに進んでいるように見えるK-12ですが、それに対して苦労しているように見受けられるのが大学です。

特にアメリカでは年々、学費(寮などの生活費を含む)が高騰しCollege Boardによると4年制の大学(公立)で年間 2万1950ドル(約240万円)、私立の場合は 4万9870ドル(約546万円)にもなります。大学側は、大学生活のだいご味である寮生活やスポーツイベント、図書館やカフェテリアなどのキャンパスライフを提供することを前提に高い学費を請求していたわけですが、今回教育を全てオンライン化したことで「教育の質が下がった」と感じる学生が増えています。1万4000人の大学生におこなったある調査では約70%の学生がオンライン教育は対面に比べて効果的ではないと答えたとのこと。学生による大学への集団訴訟も100件を超えているとの報道もあり、高い学費を払っているのでオンラインになったことで学費の返済を求めています。

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今回デジタル化を強いられたことで「対面でなければ教えられない教科」と「オンラインでも教えられる教科」を見直すきっかけになったと考えられます。

対面でないと教えられないものとして、実験ベースのものやソクラティックメソッド(問答形式で授業を進める学習方法)で教える議論ベースなどが考えられます。

が、それもVRやARの技術革新がZoomなどのシステムと融合していけば解決できるのではないかと私は思っています。そういう意味では、アフターコロナでもオンラインとオフラインのハイブリッドモデルが導入されるかもしれません。

対面教育は今後「プレミア化」する

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今回の急激な教育のデジタルシフトで明確になったのは、「対面教育がプレミアム化する」ということではないでしょうか。デジタルでも問題がないとなれば、より多くの生徒に低価格で教育が届けられます。

今後、留学生を多く取り込むことで財政を立てていた大学などは、根本的なビジネスモデルと(教育を生徒へ提供する仕組みづくりである)オペレーティングモデルの転換を求められるでしょう。それにより、「プレミアムをつけられる大学」と「そうでない大学」の差がより広がり、2極化が進むのではないかと言われています。

最後に、社会人の学び直しなどの「リカレント教育」の現場では、コロナ前からずっとオンライン化が進んでいたので、今回コロナ禍で再注目されている領域です。代表的なものにコーセラやUdacityなどが挙げられますが10年ほど前からスキルベースのクラスをオンラインで提供しており、コロナにより失業者が急増したこともあり、ここ数カ月での成長が著しく、前年比で7倍を記録したと報道されました。

パロアルトインサイトのデータサイエンティストがジョージア工科大学、Udacity、スタンフォード大学の3つの異なるMOOCを受講しその内容を比較した図表がこちらです。

ジョージア工科大学、Udacity、スタンフォード大学の3つの異なるMOOCを受講しその内容を比較した図表

ジョージア工科大学、Udacity、スタンフォード大学の3つの異なるMOOCを受講しその内容を比較。

出典:パロアルトインサイト

スキル系の習得は、今後100%オンラインに集約されると私は予測しています。

例えばシリコンバレーで有名なラムダスクールは100%オンラインでデータサイエンスやプログラミングなどが学べる学校です。授業料が無料(年間5万ドル以上の仕事につくまでは返済不要)だということもあり、多くの社会人がキャリアチェンジのために受講しています。

パロアルトインサイトのUXデザイナーもラムダスクール出身で、その前はアメリカで日本語教師をしていたので、大きなキャリアチェンジになります。

今後、個人のキャリアはオンライン教育が加速することでより変容性が高くなります。その変容のスピードに付いていく形で次々に新しい教育コンテンツを作り出し、多くの人に届けるためにも、オンライン教育というインフラは今後さらに定着すると考えています。

(文・石角友愛)

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