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「すべてが自動運転車でも事故の3分の2は起こっていた」と最新の調査報告書が指摘…業界団体は反論

ペンシルベニア州ピッツバーグにあるUberの自動運転テスト車両。

ペンシルベニア州ピッツバーグにあるUberの自動運転テスト車両。

Kyodo News Stills via Getty Images

  • 自動運転技術は、ヒューマンエラーによる事故を防ぐことを長く期待されてきた。
  • 人の関与を排除すれば、事故はずっと少なくなるという理屈だ。
  • しかし、それは予期せぬ事態を考慮しているわけではなく、また、自動運転システムの構築方法も考慮されていないとアメリカ道路安全保険協会が最近発表した研究報告書は述べている。
  • 研究によると、たとえ路上のすべての車が「完全自動運転」車であったとしても、衝突事故の約3分の2は発生していたという。
  • 「自動運転によって、ほとんどの衝突事故をなくすためには、速度などの運転者の好みと安全性が相反するときは安全性に焦点を合わせて設計する必要がある」と報告書は述べている。

そう遠くない将来、路上のすべての車が自分の好きなように運転するようになるだろう。そして車の衝突事故は、仮にあったとしてもまれにしか起こらないだろう。

それがいわゆる「完全自動運転」の世界のお約束だ。しかし、アメリカ道路安全保険協会(IIHS)が発表した新たな調査結果は、未来の運転に関するユートピア的なビジョンに疑問を投げかけている。

この研究によると、たとえすべての車が完全に自動運転で、運転者の介入がまったくないとしても、自動車事故の2/3が発生してしまうという。

「警察による衝突事故の全国調査によると、ドライバーの過失が原因の事故は、10件中9件以上だった。しかし、当協会の分析によると、自動運転車が人間の運転手よりも正確な知覚を持ち、脆弱でないため回避することが期待できるのはこれらの事故のうち約3分の1だった」と報告書には記されている。

簡単に言うと、この研究によると自動運転車はある程度のヒューマンエラーはカバーできるが、より複雑な事故の原因を回避することはまだできないということだ。

2018年3月20日、アリゾナ州テンピで起こった死亡事故に関係したウーバーの自動運転車。アメリカ運輸安全委員会(NTSB)の調査員が調べている。

2018年3月20日、アリゾナ州テンピで起こった死亡事故に関係したウーバーの自動運転車。アメリカ運輸安全委員会(NTSB)の調査員が調べている。

National Transportation Safety Board/Handout via REUTERS

研究によると、ドライバーの注意散漫や脇見、潜在的な危険察知が遅すぎることについては、自動運転車の方が優れているという。麻薬やアルコール、または急病が原因の場合も同様だ。しかし、これらを原因とする事故は、3分の1に過ぎない。

「残りの3分の2はこれ以外のタイプで、自動運転車両でも、予測、意思決定、パフォーマンスのエラーを回避するように特別にプログラムされていない限り、依然として発生する可能性がある」と研究は述べている。

具体的には、どのようなエラーが発生するのだろうか。これらの分類はやや複雑で、予測(例えば、自転車に乗って並走する人を監視すること)からパフォーマンスエラー(不適当あるいは不正確な回避操作、過度の補正、その他の車両制御の誤り)まで、あらゆるものを含んでいる。

アリゾナ州テンピでは、49歳の女性が自動運転車にはねられて死亡した

彼女は自転車で車の前を横切った時にはねられた。車はその行動を予測することができなかったのだ。「そして彼女に衝突するのを避けるための正しい行動を行うことができなかった。」自動運転の業界団体、Partners for Automated Vehicle Education(PAVE)はブログ記事で、この調査に疑問を呈した。PAVEには、フォード(Ford)、ゼネラル・モーターズ(General Motors)、ウェイモ(Waymo)、リフト(Lyft)、ダイムラー(Daimler)、フォルクスワーゲン(Volkswagen)といった自動車業界の大手企業が参加している団体で、自動運転システムはすでに安全性を最優先して設計されていると反論している。「『認識したことに安全に反応するように設計されていなければ、自動運転車によって防げるのは、深刻な衝突事故の約3分の1だけだ』と書かれているが、これは大理石は丸くないと遠くまで転がらないと言っているようなものだ」

[原文:Self-driving cars still won't prevent the most common car accidents, according to a new study

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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