アメリカの不動産専門家の間では、2021年前半にかけて住宅価格が下落するとの見方が広がっている。
REUTERS/Peter Nicholls/File Photo
%!(EXTRA string=米不動産データ分析会社コアロジックは、住宅価格に関する最新レポートのなかで、アメリカの住宅価格が2021年4月には前年同月比で1.3%下落するとの見方を示している。米金融大手バンク・オブ・アメリカもほぼ同様の見通しを示している。)
%!(EXTRA string=同レポートによると、2020年4月の住宅価格は前年同月比5.4%上昇。新型コロナウイルスの大流行によって住宅供給が滞ったことが要因で、初回購入者向け住宅の販売在庫は4月に平均25%減少している。)
2020年4月の住宅在庫(初回購入者向け)は平均25%減。
出典:CoreLogic 'U.S. Home Price Insights'
%!(EXTRA string=コアロジックのフランク・マーテル最高経営責任者(CEO)は、レポートのなかで次のように分析している。)
%!(EXTRA string=「供給がタイトになる一方で、ミレニアル世代を中心に需要も抑え込まれたことで、結果として、いずれ中期的には購買行動にも住宅価格にも揺り戻し(の回復)が来るだろうとの楽観論が生まれている」)
%!(EXTRA string=しかし、パンデミックによって引き起こされた経済の低迷は、住宅価格のトレンドを逆転させることになる、レポートはそう予測する。)
%!(EXTRA string=「これから1年〜1年半は厳しい経済状況が続く。その後、雇用や経済活動は間違いなく上向く。そのときは住宅供給が国全体の経済回復をけん引していくことになるだろう」)
%!(EXTRA string=(S&Pケース・シラー)住宅価格指数は2012年2月以降、前年同月比ベースで毎月上昇を続けており、前に底入れした2011年3月からの伸び率は68.2%にもなる。もし2021年4月に1.3%減というコアロジックの予測が正しければ、この9年間で初めてのことになる。)
アメリカの住宅価格指数の推移。
出典:CoreLogic 'U.S. Home Price Insights'
%!(EXTRA string=コアロジックのチーフエコノミスト、フランク・ノットハフトはこう分析する。)
%!(EXTRA string=「住宅在庫は相当な低水準にあり、住宅ローンの記録的な低金利のおかげで購買意欲も旺盛。そのため、夏前まで住宅価格の上昇は続くとみられる。失業率の高止まりが2021年前半まで続く場合、住宅価格の上昇は鈍化するだろう。われわれとしては、1年後には41州で価格が下落すると予測している」)
%!(EXTRA string=コアロジックのレポートによると、2020年4月の住宅価格は前月比で1.4%上昇し、5月は同0.3%の上昇となる見通し。しかし、経済低迷からの復活を目指す市場の苦戦が続くため、年間を通じてみると住宅価格は下落すると予想されている。)
2020年4月の住宅価格は前年同月比+5.4%、2021年4月には-1.3%と予測されている。
出典:CoreLogic 'U.S. Home Price Insights'
%!(EXTRA string=例えば、ケープコーラル=フォートマイヤーズ(フロリダ州)、ノースポート=サラソータ=ブレイデントン(同)、プレスコット(アリゾナ州)といった都市圏では、行楽客が外出を控えるため、1年間は住宅価格の下落が想定される。)
住宅価格の下落リスクが想定されるエリアワースト5。
出典:CoreLogic 'U.S. Home Price Insights'
%!(EXTRA string=バンカメも今後1年間は価格下落を予想)
%!(EXTRA string=米金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)はパンデミックの発生以前、2020年中に住宅価格が4〜5%上昇すると予測していたが、その後修正し、現在では2021年4月に底入れするまで1年間で2.3%下落するとしている。)
%!(EXTRA string=住宅価格の下落は家計の収入低下によって起きる。パンデミック発生後の平均的な予測によれば、家計収入は2%程度の下落が想定されている。)
%!(EXTRA string=バンカメによると、政府の給与保護プログラム(PPP)と3月末に成立した2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策法は、住宅市場への経済的打撃を緩和する上で重要な役割を果たすものの、ホスピタリティ(接客)産業や旅行業、エネルギー産業はパンデミックとの格闘が続き、それが主に低価格帯の住宅市場に響いてくるという。)
%!(EXTRA string=それでも、住宅価格の今後の見通しとしては「大きな変化は起きない」とバンカメは予測する。)
%!(EXTRA string=一方で、住宅販売戸数の変化は大きく、これから数カ月で40%近く減り、2021年末までコロナ以前の水準に戻ることはないという。)
%!(EXTRA string=住宅市況について、バンカメは5月にレポートを発表し、消費者および建設業者の景況感データ、住宅ローン申込件数ともすでに底を打ち、住宅投資も2020年第4四半期(10〜12月)には好転するとの見通しを示している。)
(原文:More data shows that rising house prices won't last — the dip is coming)
%!(EXTRA string=(翻訳・編集:川村力))