『ファンタスティック・ビースト』の主人公ニュート・スキャマンダーは、実は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に登場していた。
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『ハリー・ポッター』は史上最も愛されたシリーズの1つだ。スピンオフが作られたり、商品化されたり、テーマパークになったり、ウェブサイトが立ち上げられるなどしている。
『ハリー・ポッター』に関する知識では負けないと自信を持っている熱狂的なファンも多いだろう。だが、映画の中には観察眼に優れたファンでも見逃しているかもしれない細かなポイントがまだあるかもしれない。
映画『ハリー・ポッター』全8作品の中から、あなたが見逃しているかもしれない27の魔法のディテールを見ていこう。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』には、魔法の世界バージョンのシリアル「チェリオス(Cheerios)」 —— 「チェリオウルズ(Cheeri-Owls)」が登場する。
「チェリオウルズ(Cheeri-Owls)」
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『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のエンドロールには、「この映画を製作するにあたり、危害を加えられたドラゴンはいません」と表示されている。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』には、ハンガリー・ホーンテイルなど複数のドラゴンが登場する。
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魔法省へのアクセスコード「6-2-4-4-2」は「m-a-g-i-c」のつづりになる。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で、ハリーは初めて魔法省を訪れる。
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『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、ハリーがホグワーツの外で魔法を使った(守護霊(パトローナス)の呪文で吸魂鬼(ディメンター)を追い払った)ため、魔法省で尋問を受けることになり、アーサー・ウィーズリーが付き添った。
ハリーと一緒に電話ボックスに入ったアーサーが公衆電話のダイヤルを回すと、電話ボックスが地下に下がっていった。この時、アーサーが回した番号が6-2-4-4-2だった。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、ある魔法使いがスティーヴン・ホーキング博士の『ホーキング、宇宙を語る —— ビッグバンからブラックホールまで』を読んでいる。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督はアルフォンソ・キュアロンだった。
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漏れ鍋にいたこの魔法使いが、魔法を使ってコーヒーをかき混ぜながら読んでいた本が、スティーヴン・ホーキング博士の『ホーキング、宇宙を語る —— ビッグバンからブラックホールまで』だった。
『ハリー・ポッターと賢者の石』に出てくるみぞの鏡には「わたしはお前の顔でなく、心の願望を映す」と書かれている。
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熱狂的なファンの大半は「みぞの鏡(Mirror of Erised)」の「みぞの(Erised)」が逆から読むと「desire(のぞみ)」になることは知っているだろう。だが、鏡の上の部分に書かれた文章は見落としているかもしれない。
この文章「Erised stra ehru oyt ube cafru oyt on wohsi」も逆から読むと「I show not your face but your heart's desire(わたしはお前の顔でなく、心の願望を映す)」になる。
これは、鏡が具体的に何をするか使う人間に伝えるものだ。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、すでに死の秘宝のマークが登場していた —— その時は何のマークなのか分からなかったが。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の監督はマイク・ニューウェルだった。
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『ハリー・ポッターと賢者の石』では、思い出し玉を手に入れたネビルが「何を忘れたか思い出せない」と言っていたが、恐らくローブだ。このシーンでローブを着ていないのはネビルだけだから。
ネビル・ロングボトムはマシュー・ルイスが演じた。
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セブルス・スネイプは、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』でマクゴナガルと対決した時ですら、ハリーたちの味方をしていた。
セブルス・スネイプはアラン・リックマンが演じた。
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ホグワーツの戦いの直前、向かい合うハリーとスネイプの間にマクゴナガル先生が割って入り、スネイプと戦った。
だが、スネイプは明らかに戦いに興味がなく、自分の身を守る呪文を使っただけだった。マクゴナガルの呪文を巧妙にそらし、背後にいた2人の死喰い人(デスイーター)にあて、窓から逃げる直前には2人の杖を回収した。
その後、スネイプは最初からずっとハリーの味方だったことが分かる。つまり、マクゴナガルとの戦いでスネイプが実は死喰い人を倒し、その杖を奪う手助けをしていたということだ。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、ボーバトン魔法アカデミーの生徒たちはマグルに非常に馴染みの深いダンスを披露している。『恋のマカレナ』だ。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』には、ボーバトン魔法アカデミーとダームストラング専門学校の生徒たちが登場する。
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三大魔法学校対抗試合の3回戦が始まる直前、ボーバトン魔法アカデミーの生徒たちが踊ったダンスにはマグルっぽさ紛れ込んでいる。よく見ると実は『恋のマカレナ』を踊っているのだ。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で、スラグホーンは肘掛け椅子に化けていたが、足が見えていた。
スラグホーン先生はジム・ブロードベントが演じた。
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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』で、スラグホーンはホグワーツの戦いの直前、幸運の液体(フェリックス・フェリシス)を飲んでいた。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で初登場したスラグホーンは、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』のこのシーンにも登場する。
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これはいいアイデアだ。結果、スラグホーンは戦いを生き残っているため、効果があったのだろう。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で、ロンは明らかに同級生よりも古くて薄汚れたローブを着ている。恐らく"お下がり"なのだろう。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』はクリス・コロンバスが監督した。
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ロン・ウィーズリーは裕福な家庭の出身ではなく、ドラコ・マルフォイも『ハリー・ポッターと賢者の石』でからかっていた。
『ハリー・ポッター』シリーズの衣装デザイナーたちはこうした細かなポイントにも注意を払っていて、ロンは他の生徒に比べて明らかにみすぼらしくて古い、色あせたローブを着ている。他の生徒のローブが真っ黒なのに対し、ロンのローブは明るいグレーで制服のセーターの色に近い。ホグワーツの紋章も他のローブから取ってきて縫い付けたように見える。
だが、皮肉なことに、この映画の制服は実は高級百貨店ハロッズ(Harrods)で作られたものだ。
『ハリー・ポッターと賢者の石』で、ヴォルデモート卿は「名前を呼んではいけないあの人」とクレジットされた。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』以降、ヴォルデモート卿はレイフ・ファインズが演じた。
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『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』以降、ヴォルデモート卿はレイフ・ファインズが演じているが、初めて『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場した時はクィレル先生の後頭部でその一部として生きることを強いられていた。
この映画でヴォルデモートを演じたのはリチャード・ブレマーだったが、映画のエンドロールでその役名はヴォルデモートではなく、「名前を呼んではいけないあの人」となっていた。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ワーナー・ブラザースのロゴにナギニの姿が映っている。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でナギニは初登場する。
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ファンの間には『ハリー・ポッターと賢者の石』でハリーがロンドンの動物園で自由にしたヘビが実はナギニだったという説があるが、それは違う。
ナギニが初登場するのは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』だ。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のトム・リドルの子ども時代の寝室のシーンには、のちにリドルが分霊箱(ホークラックス)を隠すことになる洞窟の写真が写り込んでいる。
トム・リドルの子ども時代を演じたのは、ヒーロー・ファインズだ。
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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』には、ダンブルドアと子どもの頃のトム・リドル(レイフ・ファインズの甥っ子であるヒーロー・ファインズが演じた)の出会いのシーンがある。
リドルの寝室の壁には、のちにリドルが分霊箱を隠すことになる洞窟(映画の後半でハリーとダンブルドアが訪れた洞窟だ)の写真が貼られていた。
同じシーンで、寝室の窓際には7つの石が置かれている。これはリドルが自身の魂を7つの分霊箱に分けることを暗示している。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』はデビッド・イェーツが監督した。
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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』で、ハリー、ロン、ハーマイオニーは巨大なクモやトロール、吸魂鬼(ディメンター)、オオカミ人間と戦った —— 全て3人が最初の3作品で戦った敵だ。
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』はデビッド・イェーツが監督した。
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『ハリー・ポッターと賢者の石』に出てくるクィディッチのトロフィーには、ジェームズ・ポッターのすぐ隣にマクゴナガルの名前が刻まれている。
マクゴナガル先生はマギー・スミスが演じた。
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『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ハリーを励ますためにハーマイオニーがクィディッチの古いトロフィーにハリーの父親ジェームズ・ポッターの名前が刻まれているのを見せるシーンがある。
そのトロフィーにはマクゴナガル先生の名前も刻まれていた。マクゴナガルが受賞したのは1971年、ホグワーツの生徒だった時だと示している。ただ、1927年が舞台の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でマクゴナガルがホグワーツの教師として登場したことを考えると、これは辻褄が合わない。
同じシーンで、クィディッチのトロフィーのすぐ後ろにはトム・リドルが受賞した「特別功労賞」が映り込んでいる。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ではクリスチャン・コールソンがトム・リドルを演じた。
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リドルは学生時代、嘆きのマートルを殺した罪をハグリッドとハグリッドのかわいがっていた巨大クモ「アラゴグ」に着せてこの賞を不当に得た。だが、のちにハグリッドとアラゴグは無実で、リドルとバジリスクのせいだったことが分かる。
『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ペチュニアおばさんがダドリーの古くなった服をハリーの制服用にグレーに染めているのが分かるシーンがある。
フィオナ・ショウがペチュニアおばさんを演じた。
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原作の本には、ペチュニアおばさんが息子ダドリーの古くなった服をハリーが学校の制服として着て行けるようグレーに染めるシーンがある。この服はハリーには大き過ぎるのだが、これはダドリー一家がいかにハリーをひどく扱ってきたかを示す1つの例だ。
映画ではこのディテールが語られることはないが、服を染めているペチュニアおばさんの姿が映り込んでいるシーンはある。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に出てくるモリー・ウィーズリーの柱時計の選択肢の1つは「刑務所」。
モリー・ウィーズリーはジュリー・ウォルターズが演じた。
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柱時計のもう1つの選択肢は「歯科医」。ただ、魔法界に歯科医は存在しない。
アーサー・ウィーズリーはマーク・ウィリアムズが演じた。
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魔法界に歯科医が存在しないことは『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でハーマイオニーが両親は歯科医だとスラグホーン先生に説明した時に分かる。 スラグホーンは当惑し、それは危険な職業なのかと尋ねる。
だが、マグルに関するものが大好きなアーサー・ウィーズリーの自宅にある柱時計には「歯科医」が存在する。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、忍びの地図にニュート・スキャマンダーが登場する。
『ファンタスティック・ビースト』では、エディ・レッドメインがニュート・スキャマンダーを演じた。
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『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ドビーがクィディッチ・ワールドカップのキャンプに一瞬登場する。
ドビーは『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で初登場する。
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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』に登場する妖精ドビー(トビー・ジョーンズが声を担当)は、実は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にもカメオ出演している。
クィディッチ・ワールドカップのキャンプに、ドビーがラマに乗って一瞬姿を現したのが見えるはずだ。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』でシリウスは、ルシウス・マルフォイの杖を奪ったハリーに「よくやった、ジェームズ」と声をかける。これはその前の回想シーンでシリウスがハリーの父親にかけたのと同じ言葉だ。
「Nice one, James! (よくやった、ジェームズ)」
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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』では、トム・フェルトンの当時のガールフレンドがドラコの妻を演じた。
ドラコ・マルフォイはトム・フェルトンが演じた。
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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』のエピローグでは、ハリー、ロン、ハーマイオニー、ジニー、ドラコがそれぞれ成長し、結婚、子どもを持った姿が見られる。
トム・フェルトン演じるドラコは妻 —— フェルトンの当時のガールフレンドが演じた —— とともに息子に別れを告げていた。
フェルトンはこれをMTVで認めている。
『ハリー・ポッターと賢者の石』でハリーの傷が痛んだのは、クィレルが背を向けていた —— つまりクィレルの後頭部にいたヴォルデモートがハリーの方を向いていた —— からだ。
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『ハリー・ポッターと賢者の石』はクリス・コロンバスが監督した。
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『ハリー・ポッターと賢者の石』でハリーはスネイプに見られていることに気付くと同時に、ひたいの傷が痛み出した。わたしたちはこれを当初、スネイプには気を付けろという警告だと考えたが、のちにスネイプはハリーを助けようとしていて、クィレルが実は悪人だったと分かる。
[原文:27 details you might have missed in the 'Harry Potter' movies]
(翻訳、編集:山口佳美)