Vyzrテクノロジーズが開発したシールド「BioVYZR」。
VYZR
- Vyzrテクノロジーズは、空気浄化システムを取り入れたコロナウイルス感染防止用のPPE(個人防護具)「BioVYZR」を開発した。
- この防護シールドは、クラウドファンディングサイトのIndiegogo上で6月11日現在、約32万ドル(約3400万円)を調達している。同社によるとシールドは生産段階に入っており、初期の支援者には6月中に出荷するとしている。
- シールドとフィルター1箱(10個入り)がセットになった「シングルパック」は178ドル(約1万9000円)。
マスクだけがコロナウイルスから身を守るための防護具ではない。カナダのトロントを拠点とするVyzrテクノロジーズは「BioVYZR」を開発した。頭から胸までをカバーして、飛沫や病原体から着用者を守るシールドだ。
同社が「宇宙時代の美しさ」と表現するBioVYZRは、電動ファン付き呼吸用保護具(Powered Air Purifying Respirator:PAPR)で、これまで工業や医療の現場だけで使われてきた。同社によると、通常、PAPRは1800ドル(約19万円)前後の価格になることが多いが、BioVYZRは今のところ172ドル(約1万8000円)で予約販売されている(まもなく価格が249ドル:約2万7000円になる予定)。クラウドファンディングサイトのIndiegogoのほか、同社の公式サイトからの予約できる。ちなみに、現在世界中で不足していると言われるN95マスクは40ドル(約4300円)前後だ。
Vyzrテクノロジーズは、Indiegogo上でのクラウドファンディングを完了して、現在は予約販売を行っている。それらを合わせた調達額は6月11日の時点で約32万ドルに達した。初期の出資者の元へは6月末に出荷される予定だ。初回生産分は完売しており、今後の注文分の発送は8月以降になる。
BioVYZRについて詳しく見てみよう。
BioVYZRはネオプレン(合成ゴム)とビニールでできており、息で曇ることのないフェイスシールドだ
VYZR
N95エアフィルターを内蔵し、最大12時間稼働するファンが付いている
VYZR
ファンで取り込まれた空気はN95エアフィルターで浄化され、内部の空気もフィルターで浄化されてから排出される
Vyzr
胸のベルトを締めることで密閉性が高まり、病原菌が入り込むのを防ぐ。レインコートやフードのように、あらゆる天候にも対応できる
Vyzr
バッテリーを含めた重さは、約1.4キログラム
VYZR
BioVYZRは、N95マスクのように着用者を病原体から守りつつ、着用者が顔に触るのを防ぐ
VYZR
子ども用サイズもある。いずれも調節可能なストラップ付き
VYZR
手指消毒剤などをつるすためのフックや、着用したまま充電できるUSBポートが付いている
VYZR
大きく透明なフェイスシールドで、広い視野と視認性を確保している
BioVyzr.
VYZR
Vyzrでは、医療用のBioVYZRも開発している(要問い合わせ)。同社は一般用のBioVYZRが1つ売れるごとに、医療用を1つ、医療従事者に寄付するとしている
VYZR
Vyzrは、このシールドを空港や公共交通機関、職場など、あらゆるシチュエーションで利用することを提案している
VYZR
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)