苦境に立つ独立系レストラン…さらなる支援がなければ、85%は2020年の終わりまでに店を閉める

独立系レストラン

社会距離戦略の強制は、密集した座席の独立系レストランにとっては厳しいものだ。

Irene Jiang/Business Insider

  • 独立系レストランの団体が行った調査の報告書によると、独立系レストランの85%は2020年末までに廃業する可能性がある。
  • すべてのレストランの70%を占める独立系レストランは、客の来店による収入に大きく依存しており、企業としてのセーフティーネットやサポートシステムを持っていない。
  • レストランの経営者たちは、政府による中小企業救済プログラムは廃業に追い込まれる大規模な損失を防ぐことはできないという。
  • 経営者たちはまた、外食産業の収益がパンデミック前のレベルに戻るまでには長い時間がかかり、多くのレストランが当面は赤字で営業せざるを得ないとしている。
  • 独立レストラン連合は、政府に1200億ドルの助成金を求めている。

独立レストラン連合(Independent Restaurant Coalition:IRC)が依頼した調査の報告書によると、独立系レストランの85%が2020年末までに廃業を余儀なくされる可能性があるという。

コンサルティング会社のCompass Lexeconが実施したこの調査は、パンデミックがビジネスに影響を与え続ける中で、独立系レストランが直面している危機を表している。外食産業全体が大きな損失を被っているが、家族経営のダイナー、近くのタイ料理店、高級レストランなどの独立系レストランは、マクドナルドやスターバックスなどのファストフードチェーンよりもはるかにリスクが高い。すべてのレストランの70%を占める独立系レストランは、食事客からの収入に大きく依存しており、チェーン店のように危機を乗り切るための経営資源を持っていない。

ケンタッキー州レキシントンにあるアトミック・ラーメン(Atomic Ramen)のオーナー、ダン・ウー(Dan Wu)は、IRCの記者会見で、「私が恐れているのは、最も生き残れそうにないのが、移民や、女性や、有色人種が経営する小さなレストランだということだ。我々にはチェーンレストランのような生き残りのためのインフラがない」と語った。ウー自身も、他の多くの独立系レストラン経営者や従業員と同様、移民だ。

Business Insiderは、ニューヨーク市でベジタリアン向けレストラン 「Dirt Candy」 を経営し、IRCの幹部でもあるアマンダ・コーエン(Amanda Cohen)に話を聞いた。コーエンによると、当初は2週間の問題と思われていたものが、2年間の問題に変わっただけだという。

「元に戻るのは長い道のりになると思う」とコーエンは言う。

「店を閉める前にあった請求書はほとんどそのまま残っている。私は電気代とガス代と仕入れのお金を払わなければならない。そして、店を続けるのに十分な顧客がいるとは思わない」

レストラン経営者によると、政府による中小企業救済プログラム(Paycheck Protection Program:PPP)は多くの独立系レストランにすぐに融資を行ったが、それは長期的な問題に対する一時的な絆創膏に過ぎない。

「我々はPPPによる融資と政府の補助金を受けているが、長期的に営業を続けるには十分ではない。ほとんどのレストランが年末まで続けられるとは思わない」と、ニナ・コンプトン(Nina Compton)はIRCの記者会見で述べた。コンプトンは、ニューオーリンズの「Compère Lapin」と「Bywater American Bistro」のオーナーシェフだ。





「我々にはレストランチェーンが持っているインフラや財政基盤がない」とコーエン。コーエンはPPPによる融資を受けており、営業は12月まで続けるが、その後も営業を続けられるかどうかは分からないという。

「もっとお金が必要になった時、誰に頼めばいいのか分からない」

レストランはすでにカミソリのように薄いマージンで営業している。着席式のレストランの場合、そのマージンは、ワクチンが発見されるまで実施される収容人員の制限によって壊滅的になる。デリバリーに軸足を移した多くのレストランは、デリバリー業者の料金を15%に制限している都市でも利益が出ていないことが分かっている。サンフランシスコのレストラン経営者を対象にした最近のEaterの調査では、87%がデリバリーとテイクアウトだけでは食べていけないと答え、60%が営業を続けることで損失を出していると答えた。

レストランは、社会的な距離の制限なしに客席を満杯にできるようになるまでは、パンデミック前のレベルに戻ることはできないだろう。5月には140万人近くのレストランでの雇用が回復したが、大半のレストランが赤字経営を続けているため、この回復基調が今後数カ月続く可能性は低いと見られている。

特にニューヨークのような都市部では、社会的距離の確保しろと言うことは、狭いスペースに高い家賃を支払う個人経営のレストランにとって死刑宣告に等しい。「マンハッタンでは、我々は誰も生き残れない」とコーエンは言う。

アメリカ議会では、IRCがレストラン業界向けの資金援助の法案を推進しており、オレゴン州のアール・ブルーメナウアー(Earl Blumenauer)下院議員によって新しい法案が提出された。

ブルーメナウアーが提案した法案、RESTAURANTS(Real Economic Support That Acknowledges Unique Restaurant Assistance Needed To Survive)法案は、独立系のレストランに1200億ドル(約12兆8750億円)の助成金を提供するものだ。


[原文:85% of independent restaurants may go out of business by the end of 2020, according to the Independent Restaurant Coalition

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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