GitHubのCEO、ナット・フリードマン。
GitHub
- オープンソース・ソフトウェアをホスティングする世界最大のサイトであるGitHubは、Black Lives Matter運動が広がる中、コードにおける「マスター」と「スレーブ」という用語の置き換えに取り組んでいる。
- プログラミング用語では、「マスター」は、「スレーブ」と呼ばれる従属的なプロセスを制御するメインのコードを指す。
- ソフトウェア企業はすでにこのような用語をなくす努力をしてきたが、制度的人種差別に抗議する世界的なデモは、その動きを加速させている。
マイクロソフト傘下のコーディングプラットフォームGitHubは、Black Lives Matter運動が企業の責任を問い続けていることから、同社のシステムから「マスター」という用語を削除した。
BBCによると、GitHubの最高経営責任者 (CEO) であるナット・フリードマン(Nat Friedman)は、5000万人の開発者が利用している同社の用語を中立的なものに変更していると述べた。プログラミング用語では、「マスター(主人)」とは、「スレーブ(奴隷)」と呼ぶ他のプロセスを制御するメインのコードのこと。置き換え後は「マスター」は「メイン」、「スレーブ」は「レプリカ」になる。
BBCにも書かれているが、GitHubが用語を変更することは、フリードマンがGoogle Chromeの開発者であるウナ・クラベッツ(Una Kravets)にツイッターで返信したことで分かった。
デフォルトのブランチ構造の「マスター」を「メイン」に変更できるととてもハッピーだ。GitHubが実装することで、コミュニティとして一緒にこれを行うことができることを望む。
これに対し、フリードマンは「それはすばらしい考えだ。そして、我々はすでにそれを始めている」と返答した。
ソフトウェア関連企業は何年も前から、このような用語から距離を置こうと努力してきたが、警察の残虐行為と組織的な人種差別に対する世界的な抗議運動は、新たな切迫感を呼び起こしたようだ。
Telegraphが指摘しているように、テクノロジー企業は特に長い間、多様な労働力や文化を育むのに苦労しており、このような用語に固執することは問題を悪化させる可能性がある。
「一人でも孤独感や不快感が薄れるのであれば、変えてみてはどうだろうか」とクラベッツはツイッターに記した。
「テックコミュニティの現状は、黒人やラテン系の声を欠いているといえる」
[原文:Microsoft-owned GitHub is dropping coding terms like 'master' and 'slave' (MSFT)]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)