WWDC2020の招待状。
出典:アップル
アップルは6月16日未明、各国のプレス関係者に向けて大規模イベント「WWDC 2020」の招待状の配布を開始した。
例年6月に開催され、一時期は新製品披露の場にもなっていた大規模イベントだが、近年は文字通りの「World Wide Developer Conference」(世界開発者会議)としての色合いを濃くしている。
つまり、アップルのiOSを中心としたプラットフォームの最新技術の共有と、開発者向けの情報交換が主になったエンジニア向けイベントということだ。
いま、北米のテック企業はユーザーや導入企業を集めた大規模イベントをいかにオンライン化するかを模索している最中だ。3月、4月はそれぞれ自宅から配信するといった「緊急事態」対応で乗り切った企業もあるが、それがオンラインイベントのあるべき姿でないことは、関係者全員が気づいている。
そんななかで先週、アップルと同じシリコンバレー企業の1つ、SNSアプリ「SnapChat」を展開するSnap社が開催したオンラインカンファレンスが、業界関係者の間で話題になっている。
オンライン開催したパートナー向けの大規模イベント「Snap Partner Summit 2020」の演出の完成度が非常に高かったからだ。
Snap Partner Summit 2020の模様。背景CGの使い方や、リアルの登壇者をうつすカメラワークなど、オンラインカンファレンスの可能性を感じさせる演出が話題だ。
出典:Snap
オンラインであるメリットをいかしたバーチャル背景の使い方や、アプリケーションの解説方法などは、リアルイベントがいまだ困難な状況のなかで、これからのオンラインカンファレンスのあるべき姿の可能性を感じさせる。
魅せる演出にこだわり続けてきたアップルゆえに、オンライン版WWDCへの演出面の期待値も当然高い。
WWDC2020の基調講演は、日本時間6月23日午前2時に開始予定となっている。
(文・伊藤有)