小売業の回復にはまだ時間がかかる…4月からは過去最高の伸びでも、前年同月比は大幅減

小売は回復しているように見えるけどそうではない

Salwan Georges/The Washington Post via Getty Images

  • アメリカ商務省は、5月の小売売上高が前月比プラス17.7%で、記録的な伸びだったと発表した。
  • この報告の後、小売店の株価が上昇した。だが堅調な回復を予測するのは、時期尚早かもしれない。
  • 前年比で見れば、衣料品店は63%以上の減少で、百貨店はおよそ26%、家電店はおよそ30%の減少だった。

6月16日、アメリカ商務省が2020年5月の小売売上高が前月比で17.7%増加したと発表したことを受けて、小売業の株価が急騰した

だがデータをよく見ると、多くの小売店の業績が回復するまでには長い道のりがあるとわかる。

この17.7%の増加は、州や地域による新型コロナウイルス対策の規制で小売店の多くが閉鎖し、売上が14.7%も下がった4月の後に起きている。4月の下げ幅は、ここ30年近くでもっとも大きいものだった。

そして5月、規制が緩和され、メイシーズ(Macy's )やJCペニー(JCPenney)などの「必要不可欠ではない」小売店も全米各地で営業を再開し、消費者はより多く支出するようになった。

消費支出の増加は、1人あたり約1200ドルのアメリカ政府給付金の小切手や、7月に期限切れとなる失業保険申請者への週600ドルの支給も、後押しとなったようだ。

小売は回復しているように見えるけどそうではない

2020年5月の業種別売上高の前年同月比。

Ruobing Su/Business Insider

これらの変動要因のため、単月だけのデータを見ても、堅調で持続的な回復の兆しだと推測することは難しい。

「新たな感染拡大が生じる懸念は依然として高く、ソーシャルディスタンスにより小売店や飲食店の営業が制限されるため、完全な回復はかなり先になる」と、フィンテック企業、ステン・グループ(Stenn Group)のカースティン・ブラウン(Kerstin Braun)社長は調査報告で述べた。

代わりに前年比のデータを見てみると、特に衣料品や家電店、百貨店での落ち込みが顕著だ。5月の小売店全体の売上は、前年比で6.1%減だったが、衣料品店は63%以上の減少で、百貨店は約26%、家電店は約30%の減少だった。

だが多くの人が飲食店での外食の代わりに、食料品に多く支出したため、レストランとバーの売上は39.4%の減少で、食料品店は14.4%増だった。

[原文:Hopes of a retail rebound are surging, but a closer look at sales data suggests a long road to recovery

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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