UNIQLO TOKYOのメインエントランス。日本で4店舗目の旗艦店としてオープンする。
撮影:小林優多郎
ユニクロは6月19日、東京・銀座3丁目の「マロニエゲート銀座2」内に新店舗「UNIQLO TOKYO」をオープンした。売場面積は約1500坪。ユニクロとしては日本最大規模を誇る“グローバル旗艦店”を謳っている。
全世界で旗艦店と位置付ける店舗は、UNIQLO TOKYOで16店舗目。日本国内では銀座店(銀座6丁目)、OSAKA店、心斎橋店に続く4店舗目となる。
昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、当初の予定より遅れてオープンとなった同店舗だが、どのようなコンセプトになっているのか。店内を写真で見てみよう。
UNIQLO TOKYOはマロニエゲート銀座2の1階〜4階にある。住所は銀座だが、有楽町駅の方が近く、徒歩5分圏内には無印良品やアップルストアなどがある。
撮影:小林優多郎
外側に並んでいる特徴的な動きのデジタルサインは、インターフェイスデザイナーの中村勇吾氏によるもの。かなり目をひく。
撮影:小林優多郎
フロアごとによって展示内容・販売商品のコンセプトが異なる。
撮影:小林優多郎
店内で特に圧倒されるところは、中央の吹き抜けだ。打ち放しのコンクリートを活かしたシンプルなデザインは、スイスの建築家ユニット「ヘルツォーク&ド・ムーロン」が担当した。
撮影:小林優多郎
同ユニットは窓や店内構造も担当しており、他店舗に比べると開放感があり、通路やスペースも国内店舗の中では余裕のあるつくりになっている。
撮影:小林優多郎
旗艦店というだけあり、同社店舗では初もしくは珍しい展示や商品も多い。これは、原宿店とここだけの「StyleHint」アプリをつかったコーディネート提案の展示。
撮影:小林優多郎
ニューヨーク生まれのブランド「Theory」とのコラボ商品は発売当初、UNIQLO TOKYOとオンラインストアのみの展開となる。
一部商品はUNIQLO TOKYOのみ。なお、Theoryはユニクロと同じファーストリテイリング傘下のブランド。
撮影:小林優多郎
メンズの人気商品「感動ジャケット」は、実店舗では初めてほとんどすべてのサイズを取りそろえている。XSやXLなどはオンライン注文のみだったが、UNIQLO TOKYOでは実物を確かめられる。
なお、感動ジャケットはテレワークの普及と共に売上が伸びている商品とのこと。外部クライアントとの打ち合わせなど、在宅でもジャケットが必要な層に好評だという。
撮影:小林優多郎
オンライン限定販売でネットの口コミで定評のある「エアリズム」仕様の寝具も初めて実店舗で販売。
撮影:小林優多郎
4階にあるキッズフロアーには子どもが遊べるスペースをユニクロとして初めて用意。置いてある絵本は読めるし、買える。
撮影:小林優多郎
4階の「UT」売り場の近くには、歴代UTのアーカイブ展示もあり。今は権利関係などの影響で買えない商品が関連書籍とともに飾られている(書籍は購入可能)。
撮影:小林優多郎
日本で6店舗にしかない自作のUTをつくれる「UTme!」のエリアには、UNIQLO TOKYO限定の銀座周辺の企業とのコラボTシャツがある。
撮影:小林優多郎
また、各フロアーには同社のサステナビリティー活動に関する展示もある。こちらは難民支援活動の展示で、実際に発展途上国などに古着を持ち込む時と同じ“塊”を生で見られる。
この古着の塊は、展示終了後に支援先へ送られる。
撮影:小林優多郎
地元・国内消費者がゆっくり買い物できる店づくり
オープン初日の19日は新商品「エアリズムマスク」の発売日でもあるので混雑が予想される。同社は他店舗と同じくマスクや消毒の徹底、店内への入場規制で対策する。
撮影:小林優多郎
コロナ禍で外出する人も海外旅行客も減る中、ユニクロは4月13日に横浜ベイサイド店、6月5日に原宿店、そして今回のUNIQLO TOKYOと立て続けに新店舗をオープンしている。
その理由は単純に「東京オリンピック開催に合わせる計画だった」(ユニクロ広報)からだ。国内外から人が集まるオリンピックに向けて、ユニクロの世界観やさまざまな取り組みを発信することで、販売店舗としてだけではなく情報発信拠点にしていく狙いがあった。
東京オリンピックの開催が1年延期になったとはいえ、その基本方針は変わっていない。
銀座の文化をフィーチャリングした展示もある。
撮影:小林優多郎
とくに、銀座にはもともと訪日外国人が多く訪れていた旗艦店があるため、今回開店したUNIQLO TOKYOはより日本らしさ、銀座らしさを前面に押し出した店舗に見えた。同社広報も「とくにターゲットは絞るつもりはない」としつつも「地域のお客様にも来ていただきたい」と国内や首都圏の客を意識していると語っている。
ユニクロに限らず、アパレル業界は外出自粛で販売機会を多く失っており、苦しい局面を迎えている。そんな中でリアル店舗の在り方も変わっていくだろう。
(文、撮影・小林優多郎)