イギリスの「接触確認アプリ」、独自開発による情報管理を断念…アップルとグーグルの技術を採用へ

イギリスの国民保健サービスは、独自の新型コロナ接触追跡アプリ開発を断念した。

イギリスの国民保健サービスは、独自の新型コロナ接触追跡アプリ開発を断念した。

NHSX

  • イギリス政府は、数カ月にわたって新型コロナ接触追跡アプリの独自開発を試みてきたが、それを断念し、グーグルとアップルが提供するAPIを採用してアプリ開発を進めると述べた。
  • イギリス政府は、これまでグーグル/アップルAPIの採用を避けてきた。人々の情報を「中央」に集約し、情報へのアクセスを容易にしたかったからだ。
  • イギリス独自のアプリ開発では、アプリの基盤となる通信手段のBluetoothが適切に動作しないなどの問題が指摘されていた。

イギリスは6月18日、新型コロナ接触追跡アプリの独自開発を断念し、アップル(Apple)とグーグル(Google)が提供するAPIを導入すると発表した。

イギリスは、3月から接触追跡アプリの開発を始めたが、技術的な問題によってリリースが遅れていた。今回の動きは、これまでの独自開発からの方向転換を示している。

イギリス当局の発表によると、独自で開発中のアプリだけでなく、グーグル/アップルのAPIを使用したものでも問題が生じたという。

イギリス政府が開発するアプリは、他の多くの接触追跡アプリと同様に、スマートフォン同士がバックグラウンドで信号を送受信するために、Bluetooth(ブルートゥース)を使っている。ユーザーがCOVID-19を発症した場合、そのことをアプリで連絡すると、その情報が国民保健サービス(NHS)のサーバーに送られ、そのユーザーが過去2週間で接触した可能性のあるすべてのスマートフォンユーザーに対して警告を発するべきかどうかが判断される。

彼らが直面した技術的な問題の1つは、特定のOSを使っているスマートフォンユーザーにBluetoothで通知できるのかということだった。それが主な原因となり、イギリス政府は独自アプリの開発を断念したようだ。

グーグルとアップルによるAPIでは、この問題は回避できたようだが、それでも完璧ではなかった。イギリス政府によると、この基盤となる技術では、スマートフォン間の距離が「必要な精度」では推計できなかったという。そこでイギリス政府は、グーグル、アップルと共同研究を行い、精度を高めたい考えだ。

更新されたアプリがいつ公開されるのかはまだ明らかではないが、イギリス政府は2020年の冬までには普及するだろうと述べている。

グーグル/アップルのAPIが公開された時、イギリスは、フランスやドイツとともに、これを採用しないとしたヨーロッパ諸国でも数少ない国の1つだった。だがドイツは早い段階で方向転換し、6月16日にはグーグル/アップルAPIをベースに開発したアプリを公開した。一方、フランスはアプリを独自で開発し、6月2日にすでに公開している。

アプリ開発に詳しい人々は4月、いずれイギリス政府は方針を転換するだろうという考えが大勢を占めていると、Business Insiderに語っていた。その中の1人は「(国民保健サービスが)グーグル/アップルAPIを採用してアプリを開発し直し、勝利宣言をしてほしいと誰もが願っていた」と述べている。

ある人は、方針転換のニュースに対して「驚きはない」とコメントした。

[原文:The UK will use Apple and Google's technology for its contact-tracing app after months of floundering

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

新着記事

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み