一般従業員の200倍は多すぎる…高給CEOのいる企業への追加課税を提案

サンフランシスコ

2019年3月のサンフランシスコ。

Katie Canales/Business Insider

  • 提案されている法案は、経営者が平均的な労働者よりも法外に多くの収入を得ているサンフランシスコ市の大企業に課税するものだ。
  • 例えば、あるCEOが従業員の中央値の200倍以上の収入を上げている場合、0.2%の課徴金がその会社の年間事業税の支払いに加算されることになる。
  • 中小企業は免除されるが、ハイテク企業とその富裕なCEOはこの税の対象となる可能性がある。
  • 「過払い役員税(Overpaid Executive Tax)」と呼ばれるこの税は、サンフランシスコ市の医療システムの強化に充てられる年間1億4000万ドルの増収になると、同市の幹部は見積もっている。
  • この税はまた、ハイテク産業の隆盛とその高給によって悪化してきた面もある、同市の顕著な富の格差にも影響を与える可能性がある。

6月17日にサンフランシスコ市で提案された法案は、年間の総収入が170万ドル(約1億8000万円)以上で、そのCEOが従業員よりもはるかに高い給料を受け取っている市内の企業に追加で課税するものだ。

この法案は、市のスーパーバイザーのマット・ヘイニー(Matt Haney)によって提出され、「過払い役員税(Overpaid Executive Tax)」法案と呼ばれている。CEOと平均的な労働者の間の賃金の差が大きければ大きいほど、課徴金は高くなり、例えば幹部に従業員の100倍の給与を支払っている企業には0.1%の税金が課せられる。200倍だと、課徴金は0.2%になる。

サンフランシスコ・クロニクルが報じているように、IT業界で一般的に配られているストックオプションは報酬としてカウントされるため、課税の対象になる。

ヘイニーの広報担当者はBusiness Insiderへのメールで、サンフランシスコ市内で事業を展開している企業は、市内で登記されているかどうかにかかわらず課税の対象になると認めた。とすると、サンフランシスコを本拠地とするセールスフォース(Salesforce)、ツイッター(Twitter)、スクエア(Square)、ウーバー(Uber)などのテクノロジ大手企業とその幹部も含まれることになる。

しかし、クロニクル紙が指摘しているように、従業員に高い給与を支払っているテック企業は、労働者の平均収入に対するの幹部の給与の比率が低くなるため、課徴金の対象外となる企業もあるだろう。

この課徴金は、サンフランシスコ市がCOVID-19の蔓延を食い止め続ける中で、何百人もの医療従事者の雇用を救い、脆弱な住民の公衆衛生を向上させる可能性を秘めている。ヘイニーはツイッターの投稿で、サンフランシスコがCOVID-19のパンデミックによって20億ドル(約2140億円)の財政赤字に直面しており、この税金は年間1億4000万ドル(約150億円)を得ることができると述べた。

この法律は双方にとって好都合だ。精神衛生と依存症に対処するための看護師への資金提供を含む、我々の医療システムの亀裂を修復するために必要な資金が調達できる。そしてまた、企業が経営者だけでなく、労働者にも投資するインセンティブになる。

この法案は2020年11月に投票にかけられる予定で、可決された場合、2022年は大企業にのみ適用されることになる。同様の税はオレゴン州ポートランドでも実施されている。

サンフランシスコのマーケット・ストリートで荷物の入ったカートを押すホームレスの男性。

2019年5月、サンフランシスコのマーケット・ストリートで荷物の入ったカートを押すホームレスの男性。

Barbara Munker/picture alliance via Getty Images

課徴金はまた、ハイテク産業で見られる高給によって広がったサンフランシスコの貧富の差にもよい影響を与える可能性がある。現在、サンフランシスコの中流階級は縮小し、低所得者層が競争力のある価格の住宅市場から追い出されているため、ホームレス化の危機に陥っている。

サンフランシスコ市がハイテク企業に課税しようとしたのはこれが初めてではない。企業が株式を公開する際の株式報酬に課税する、いわゆるIPO税が2019年半ばに提案されていた。この法案は、棚上げになった

また、プロポジションC(通称「ホームレス税」)と呼ばれる議論の的となった法案があった。ホームレス税は、市内の大企業に課税し、ホームレスの危機と戦うための取り組みに資金をつぎ込むことを提案したものである。ツイッター、スクエア、ストライプ(Stripe)、ジンガ(Zygna)など、ほとんどの大手テクノロジー企業がこの法案に反対した。しかし、セールスフォースのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)やシスコ(Cisco)のチャック・ロビンス(Chuck Robbins)などは、これを支持していた。

[原文:A San Francisco proposal could tax tech giants an annual surcharge if their 'overpaid' CEOs make 200 times the salary of average employees

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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