期日前投票の案内板(写真は千代田区内のもの)
Business Insider Japan
史上最多の22人が立候補した東京都知事選(6月18日告示・7月5日投開票)では、6月19日から期日前投票(不在者投票)がはじまった。
投票所でも新型コロナウイルスの感染防止の取り組みが始まっている。選挙戦に入って初の週末に記者が見た投票所の様子を紹介する。
1:入口でポリ手袋を着用、「宣誓書」の記入有無を確認
期日前投票宣誓書(見本)
総務省
投票所を訪れたのは6月20日の午後。在住する基礎自治体の役所内のワンフロアに設置された期日前投票投票所だ。
役所の入り口ではアルコールで手の消毒が促された。投票所に向かうと、入口には係員が立っており、用意されていたポリエチレン製の手袋の着用が求められた。
手袋を着用すると、係員から「宣誓書は記入されていますか?」と聞かれた。
「宣誓書」とは、自宅に郵送される入場整理券に付されている期日前投票の宣誓書のこと。投開票日(7月5日)当日に投票ができない事由を伝えるものだ。
パーテーションで区切られた記入スペースが用意されていたが、混雑を避けるために自宅で記入しておいたほうが投票がスムーズにできそうだ。
記者は記入済みだったので、その旨を伝えると投票所に入るように案内された。
期日前投票も7月5日の投票日も、入場整理券を持参していなくても本人確認書類(免許証、パスポートなど)があり、選挙人名簿に自分の名前が登録されていれば投票はできる。投票所で入場整理券を忘れた、もしくは紛失した旨を伝えよう。
2:鉛筆は一人1本、持参した鉛筆も使用可
期日前投票所の簡略図。
Business Insider Japan
投票所に入ると、中には立会人と2人の選管腕章をつけた職員が座っていた。職員と立会人の前には、透明なビニールシートでシールドが設けられていた。これまでの選挙とは異なる緊張感が漂っている。
手前の職員に入場整理券を渡すと、選挙人名簿と照合される。確認が終わると奥の職員から投票用紙を受け取る。
床には、投票者の間隔をあけることを促す立ち位置を示すテープが貼られていた。間隔は1メートル程度。この間隔は、投票所として使われている部屋の大きさに左右されそうだ。換気のためだろうか、出入口や窓が開けられ、空調もついていた。
この日、職員のマスクは通常の不織布のマスクだった。口元が覆われているため、聴覚障害のある人への対応が気になった。
投票用紙の交付を受ける際、1本の鉛筆を一緒に渡された。感染拡大防止の為、投票者の一人ひとりに鉛筆を1本ずつ渡すという。
投票所では、持参した鉛筆・シャープペンシルも使用できる。ボールペンやサインペンは各選管で判断が異なるため、事前に確認を。
3:記載台も「密」防止
記載台には候補者の一覧が掲示されていた。これまでの選挙では数本の鉛筆と消しゴムが用意されていたが、今回はなかった。記載台も密にならないよう、一定の間隔を開けることを促していた。
4:投票はいつもどおり
投票用紙に書くのは「候補者の氏名」のみ。(写真は2017年衆院選・最高裁裁判官国民審査)
Buddhika Weerasinghe/Getty Images
投票用紙に候補者名を記入し、投票箱に入れる。
投票箱の横には使用済みの鉛筆を回収する箱が用意されていた。投票を終えて出口に進む。
5:出口でポリ手袋を捨てる
出口にはゴミ袋があり、使用した手袋を捨てるよう指示があった。ゴミ袋の口にはフタはなく、袋の1/3程が使用済みの手袋で埋まっていた。交換のタイミングが気になった。
6:お土産にポケットティッシュ
投票所で配布されていたポケットティッシュ。
撮影:吉川慧
出口を出ると、係員から「よろしければこちらのティッシュをどうぞ」と促された。示された机の上にあったカゴには、ポケットティッシュが入っていた。これで終了だ。
都選管では4月の目黒区長選での対応を踏まえて、各区市町村の選管に向けて投票所でのコロナ対策を周知。アルコール消毒液の設置、職員のマスク着用、記載台や鉛筆の消毒などを励行するとしている。
また、都選管は有権者に対して以下のような協力を呼びかけている。
(2)来場前、帰宅後の手洗い等の対策をお願いします。
(3)投票所では、有権者が持参した鉛筆を使用することができます。
(4)周りの方との距離の確保にご協力をお願いします。
(文・吉川慧)