給料が払えない! レバノンでは、外国人の家事使用人を所持金ゼロで街中に"捨てる"雇い主が相次いでいる

移民女性

レバノンの一般家庭で働く移民の権利を支持し、労働者の団結を呼びかけるパレードに参加したエチオピア人女性(2015年5月3日、レバノンの首都ベイルート)。

REUTERS/Alia Haj

  • レバノンの首都ベイルートでは、エチオピアから来た数十人のメイドがエチオピア大使館の外に捨てられている。レバノン人の雇い主が家事使用人の給料を払えなくなったためだ。
  • エチオピア大使館ではこうした労働者の受け入れは行っておらず、雇い主から置き去りにされた労働者は路上生活を強いられている。
  • BBCは、1時間で3人のエチオピア人メイドが大使館の外に捨てられていくのを確認した。

レバノンの首都ベイルートでは、一切お金を持っていないエチオピアから来たメイドたちが、給料を払えなくなった雇い主によって、エチオピア大使館の外に捨てられている。

BBC Newsが捉えた映像やテレグラフの報道によると、レバノンでは雇い主が家事使用人を捨てるケースが相次いでいる。こうした女性たちはエチオピア大使館 —— こうした労働者の受け入れは行っていない —— の外に置き去りにされ、路上生活を強いられている。

レバノンは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)や数カ月に及ぶ反政府デモの影響で、深刻な景気悪化に苦しんでいる。失業率が上昇し、貯金が消え、一部の生活必需品の価格が3倍になる中、その通貨は10月以降、その価値を70%失っている。

DPAによると、レバノンでは約25万人の外国人労働者が働いていて、その多くは中間層の家庭の家事使用人として雇われている。こうした労働者の多くはエチオピア人で、その他のアフリカやアジアの国々から来ている労働者もいると、テレグラフは報じている。こうした雇い主の多くが、もう家事使用人を雇う余裕がないと判断している。

雇い主から大使館の外に置き去りにされた初めの34人の女性たちは、シェルターに収容されたとテレグラフは報じた。

DPAによると、ベイルートにある慈善団体カリタス(Caritas)の外国人労働者問題の責任者、Huson Sayyah氏が「大使館の前で身動きできなくなっていたエチオピア人の家事使用人34人全員がカリタスのシェルターに収容されます」と発表していた。

だが、それ以来、ベイルート周辺で噂が広まったようで、数十人の労働者がさらに大使館の外に置き去りにされ、路上生活を強いられている。

BBCによると、取材陣はわずか1時間の間に3人のエチオピア人メイドが大使館の外に捨てられていくのを目撃したという。

レバノンの非政府組織「Anti-Racism Movement」のダイレクターFarah Salka氏は、こうした労働者たちには労働法が適用されず、労働者としての権利や保護が全くないとBBCに語った。「こうした制度が現代のわたしたちの家庭における奴隷制を可能にしている」とSalka氏は指摘した。

[原文:Ethiopian maids are being dumped onto the street by once wealthy Lebanese families who can no longer afford servants

(翻訳、編集:山口佳美)

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