Crystal Cox/Business Insider
自分が自分に言うことの多くは、本当のことではない。何年もかけて、不健全な考えを受け入れてしまっている可能性は十分にある。
心理療法の世界では、これを「認知の歪み」と呼んでいる。わたしたちは皆、これを持っている。自分についているこうしたウソを認識し、それをより健全で、より現実的な考えと置き換えることを学ぶことが、強いメンタルを作る上では重要だ。
ただ、自分が固執してきた考えを手放し、不健全な考え方を変えるのは、必ずしも簡単にはいかない。
自分を安全地帯に留めておくために、あなたの脳はあらゆる手段を使うだろう。あなたを過小評価し、自信を失わせるだろう。居場所がないとあなたに思わせようとするだろう。
こうしたウソを信じることは、あなたの心を弱らせるだろう。
自分の脳を最高の資源にしたいか、最悪の敵にしたいか? 決めるのは自分だ。
強いメンタルを手に入れたいなら、今すぐ止めるべき自分自身への7つのウソを見ていこう。
1. 「自分は足りない」
誰もがこのウソを信じたことがあるだろう。自分には賢さが足りない、魅力が足りない、意欲が足りない…… 自分を"十分でない"と考えることは、自尊心やパフォーマンスに打撃を与える。
自分は"十分でない"と信じていると、挑戦しなくなってしまう。夢の生活を実現するために必要な努力をしなくなってしまう。
2. 「周りが自分を邪魔する」
あなたは成功できないと、周りの人々は言うかもしれない。彼らはあなたを昇進させてくれないかもしれないし、あなたの夢を邪魔しようとするかもしれない。
しかし、他人が自分の目標達成の邪魔をすると信じることは、あなたを阻害するだけだ。誰も信用できない、全員敵だと思っていると、あなたの成功に必要なサポートをしてくれる人たちとも関係が作れない。人間関係が損なわれ、あなたの決断も悪影響を受けるだろう。
3. 「耐えられない」
"オフィスにあと1秒いるのも耐えられない"と仕事を辞めるのは、自分は居心地の悪い状態に対処できないと自身を納得させたということだ。
「これには耐えられない」と考えるのと、「これをしないことを自分は選ぶ」と考えるのは全く違う。不快感に対処するスキルや自信がないからではなく、自分にとってより良いものを手に入れたいという事実をもとに、良い決断を下すよう自分自身を力づけよう。
4. 「精神的な問題のせいで強くなれない」
筆者がこれまで出会ったものすごく強い人々の中にも、うつや不安と戦っている人たちがいた。
こころの健康はからだの健康とよく似ている。健康問題を抱えながらもからだを鍛えるために運動することをわたしたちは選択できる。強くなれるかどうかは、日々自分が下す決断次第だ。自分が何と戦っていようが、自分は今日、メンタルを強くするために何かすることを選択できると覚えておこう。
5. 「自分には意志がない」
誰にでも意志はある。それを保てる環境を作るかどうかは、自分次第だ(毎晩、ダイエットの邪魔になっているなら、冷凍庫にアイスクリームは入れておかないこと!)。
自分には意志がないと信じることは、 誘惑に負ける言い訳を自分自身に与えることになる。最終的には予言の自己成就になってしまう。
6. 「自分は傷つき過ぎている」
成功するには、自分の心の傷があまりに大きなダメージをもたらしていると信じることは、過去の痛みの影響を現在、そして未来に及ぼすことになる。
あなたの傷は、あなたが犠牲者というより、サバイバーであることの証拠だ。自分の身に起きたこととうまく向き合えないなら、プロの助けを求めよう。心理療法士なら古い傷を癒し、それを大きな力に変える手伝いができるだろう。
7. 「自分は人と違い過ぎる」
周囲となじむことに全エネルギーを使い込んでいては、自分の可能性を引き出すことはできない。他より突出していることはいいことにもなり得る。
実のところ、あなたは恐らく、自分が思っているよりも他人と違わないだろう。だが、最高の自分になるために、他人との違いを生かす方法はたくさんある。
※エイミー・モーリン(Amy Morin)氏は、心理療法士で世界的なベストセラー『メンタルが強い人がやめた13の習慣』や『メンタルが強い親がやめた13の習慣』の著者。モーリン氏の著書は37か国語に翻訳されている。ノースイースタン大学の講師でもある。
[原文:7 lies to stop telling yourself if you want to become mentally stronger]
(翻訳、編集:山口佳美)