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何もする気が起きない時にからだを動かすのは難しい。かけなきゃいけないと分かっている電話を先送りにしたり、家のリフォームを終わらせるのに苦労したり…… モチベーションの欠如は深刻な問題になり得る。
ただ、幸運なことに、心とからだを協力させてこうしたタスクを片付けられる、いくつかの心理的トリックがある。
1. 「10分ルール」を使う
家の掃除やメールの受信箱の整理など、やらなきゃいけないことをやるよう自分を説得しようとする時は「10分ルール」を使おう。それを10分だけやらなきゃいけないと、自分自身に伝えるのだ。
10分を過ぎたら、ここで止めてもいいという許可を自分に与えよう。このまま続けようと思う可能性は十分にある。
一般的に、始めることが一番難しい。そして、一度動きだせば、そのまま動き続けられることが多い。
2. 「なぜ」のリストを作る
あなたの心は、やりたくないことはやらなくてもいいと囁くかもしれない。どうして自分がそれをやらなければならないのか、その合理的な理由をリストにすると、モチベーションがちょっとアップする可能性がある。
例えば、仕事終わりで毎日ジムに行きたいと思っていても、「疲れたし、家に帰った方がいい」と考えている自分に気付くこともあるだろう。その場合、なぜ自分はエクササイズをすべきなのか、理由をリストにしておこう。
オフィスを出る前にこのリストを読み返せば、自分にとって運動をすることがなぜ良いことなのか、合理的な理由があなたをジムへ向かうよう説得するかもしれない。
3. 自分自身を成功へと仕向ける
毎朝、ジョギングへ行くなど、自分を習慣付けしたいなら自分自身を成功へと仕向けよう。
良い習慣のハードルを下げることは何でもしよう。玄関にスニーカーを出しておいたり、ジョギング用の服装をベッドのすぐ横に用意しておくのもいい。コーヒーメーカーのタイマーをセットし、早めに寝よう。
目標は、行く手にある全ての障害物を取り除くことだ。そうすることで、なぜ行動しないのか、自分への言い訳をなくすことができる。
4. ステップに従っている自分を視覚化する
人はしばしば、自分が目標を達成することをイメージする。成功している自分を想像することが、良いパフォーマンスをするモチベーションになると考えているからだ。
だが、研究結果は明らかだ。目標を達成する自分や昇進する自分を思い浮かべるのは、むしろ害になる。報酬を得る自分を想像すると、脳はすでに目標を達成したかのように反応する。その結果、努力するモチベーションが低下するのだ。
ビジョンボード(編集注:自分の願望などを1枚のボードにまとめ、視覚化したもの)が裏目に出がちなのは、これが理由だ。
目標を達成する自分を思い浮かべるより、レースを走っている自分を想像しよう。成功に必要な苦しみに耐える自分を思い描くことで、目標の達成により近付くだろう。
5. 締め切りを「今」にする
研究は、わたしたちが自分のタスクを「今」やるべきことか、「後で」やるべきことかのどちらかに分類していると示している。「後で」に分類したものをわたしたちは先送りしやすい。そして、脳は常に合理的に物事を分類するとは限らない。
例えば、次の水曜日が締め切りのレポートを抱えているとする。そして、その水曜日が今月最後の日だとすると、脳はこれを「今」に分類する可能性が高い。
だが、水曜日が翌月の1日だとすると、脳は「後で」に分類する可能性が高い。月が替わるからだ。
脳が今、始められることに小さな理由をつけて先延ばしするよう自分に促すのを防ごう。7月1日が締め切りの10ページのレポートがあると自分に言うのではなく、毎日1ページ書き進めるよう努力しよう。または、毎日タスクに取り組むために30分取っておこう。
「金曜日までに3ページ書くのが目標」と考えることで、このタスクは「今」やるべきことになる。早めに手を付けるモチベーションが高まるだろう。
※エイミー・モーリン(Amy Morin)氏は、心理療法士で世界的なベストセラー『メンタルが強い人がやめた13の習慣』や『メンタルが強い親がやめた13の習慣』の著者。モーリン氏の著書は37か国語に翻訳されている。ノースイースタン大学の講師でもある。
[原文:5 mental tricks that will help you take action when you don't feel motivated]
(翻訳、編集:山口佳美)