イーロン・マスクとドナルド・トランプ大統領。
Evan Vucci / AP
- アメリカのトランプ大統領は2020年末まで移民ビザの発給を一時停止するつもりだと述べた。
- 影響を受けるビザの1つは「H-1B」だ。これは技術企業が才能ある移民を引き付けるためによく使われる。
- テスラのCEOであるイーロン・マスクは、この決定に「大いに」反対し、H-1Bビザの申請者は「実際に仕事をしている人々(net job creators)」であるとツイートした。
2020年内の移民ビザの発給を停止するというドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の決定に、テック企業のCEOたちが反対しているが、イーロン・マスク(Elon Musk)もそれに加わった。
トランプ大統領は6月22日、H-1B、H-2B、H-4、J-1、L-1ビザをすべて発給停止にすると記者団に語った。IT業界では、外国から優秀な人材を採用するためにH-1Bビザプログラムが頻繁に利用されている。トランプ氏によると、今回の発給停止の理由は、コロナウイルスのパンデミックによって失業者が急増している時期に、移民がアメリカ人の雇用を奪うのを阻止するためだという。
テック界の大富豪であるイーロン・マスクは、22日の夜、この決定についてツイートした。「この動きには反対だ」と、彼は述べた。
この動きには反対だ。私の経験では、彼らの知識や技能は、実際に仕事を動かしている。ビザの改革は理にかなっているが、これは対象が広すぎる
マスクは、ビザ改革をどう支持しているのかについて詳しく述べなかった。マスク自身も移民であり、若い頃に南アフリカからカナダを経由してアメリカに渡ってきている。
マスクがトランプ大統領の移民政策に異議を唱えたのはこれが初めてではない。
マスクは2017年、イスラム教徒が多数を占める国からの移民を禁止したトランプ政権を批判する一連のツイートを公開したが、すぐに削除し、後になってこのツイートは下書きを誤って投稿したものだと言った。
マスクは、今回の命令に反対する発言をしている他のテック企業の幹部に加わったが、彼の発言は他の人ほど強硬なものではない。
例えば、グーグルのサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEOは、次のようにツイートした。
移民はアメリカの経済的成功に計り知れないほど貢献しており、アメリカをテックの世界的リーダーにし、グーグルを今日のような会社にした。今日の宣言には失望した。我々は移民とともにあり、すべての人の機会を拡大するために行動する。
マイクロソフト(Microsoft)のブラッド・スミス(Brad Smith)社長も次のように述べた。
今は、アメリカを世界中の才能から切り離し、不確実性や不安を生み出す時ではない。我々の会社では移民が重要な役割を果たし、我が国の重要なインフラを支えている。彼らは、我々が彼らを最も必要とする時に、この国に貢献してくれている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)