Thomas Peter/Reuters
- ボストン市は、顔認証技術を使用禁止している都市としては、サンフランシスコ市に次いで2番目に大きい都市になった。
- ボストン市議会は6月24日、全会一致で市内における顔認証技術の禁止する条例案を可決した。この決定は、市の職員が第三者に顔認証を依頼することも禁じている。
- この条例は、プライバシーの問題に加えて、顔認証アルゴリズムが白人よりも有色人種で誤認する確率が高いことを示す複数の研究によって、成立が促進された。
ボストン市議会は6月24日、全会一致で市内における顔認証技術の使用を禁止する法案を可決した。地元のラジオ局のWBURが最初に報じた。
この動きは、顔認証アルゴリズムの欠点を指摘する人権擁護派や研究者の圧力によるものだ。アメリカ連邦政府が2019年、詳細に調査した結果、主要な顔認証ソフトウェアの多くで、白人に比べて有色人種の場合に誤認する傾向が強いことが明らかになった。
この条例は、デトロイトのある黒人男性が、警察による顔認識スキャンで誤認逮捕されたと公表したのと同じ週に成立した。その男性は告訴されることなく釈放された。
ボストンは、顔認証技術を使用禁止している都市としては、サンフランシスコに次いで2番目に大きい。これにより、市職員が顔認識技術を利用したり、第三者にこの技術の利用を依頼したりすることはできなくなる。同じマサチューセッツ州にある他の5つの自治体でも、この技術を禁止している。
「権利を求めるデモ行進や抗議という直接行動が多く見られる今、本質的に言論の自由を脅かし、活動や活動家の監視に使用される可能性がある技術はいかなるものでも危険だ」とボストン市会議員のリカルド・アローロ(Ricardo Arollo)は6月24日に述べた。
ボストン警察はこの技術について、信頼性が低いため使用していない、と述べた。
顔認証技術に対する世間の批判が高まる中、大手テクノロジー企業はここ数週間、自社の顔認証製品から距離を置いている。アメリカ国内の警察に顔認証技術を販売しているアマゾン(Amazon)は6月、新たな販売を1年間「保留する」と発表した。IBMも「汎用的な」顔認証技術の販売を無期限停止にすると述べた。だが、人権擁護派はこうしたモラトリアムでは十分ではないと批判している。
[原文:Boston just became the latest city to ban use of facial recognition technology]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)