「HONDA」ロゴが印象的な消毒液ボトル。ホンダは製造後の自社割り当て量の多くを医療機関に寄付する。
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米ホンダと米ゼネラルモーターズ(GM)は6月23日、共同設立した燃料電池システム開発の合弁会社「フューエルセルシステム・マニュファクチャリング(FCSM)」を通じ、新型コロナウイルスの大流行で需要が逼迫している消毒液を製造したと発表した。
約1万2000ガロン(4万5000リットル強)の消毒液は、両社の北米エリアの生産拠点などで使用する。
ただし、ホンダは自社割り当て数量の75%にあたる9オンス(260ミリリットル強)ボトル3750本をオハイオ州とミシガン州の医療施設に寄付するという。それ以外の1500ガロンは、GMと同様に衛生・安全確保のため自社の生産拠点で使う。
包装用資材大手パッケージング・コーポレーション・オブ・アメリカ(PCA)が輸送用の資材を無償提供し、FCSMの社員らがボトル詰めを担当した。
輸送用の梱包資材は包装資材大手パッケージング・コーポレーション・オブ・アメリカ(PCA)が無償提供。
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今回製造した消毒液は、ミシガン州ブラウンズタウンにあるFCSMの開発拠点で製造されたもの。燃料電池の電極をつくるために設計された設備を用途変更したという。
ホンダとGMは燃料電池システム以外にも、GM参加の自動運転開発企業「Cruise(クルーズ)」にホンダが27.5億ドル(約3000億円)を出資するなど、先進領域での協力関係を深めている。
ホンダは1959年にアメリカ進出。現在では、ホンダおよび高級ブランド・アキュラ車両などの開発・製造販売に4万人が従事している。北米エリアには19の生産拠点を抱え、アメリカで販売されるホンダおよびアキュラ車両の9割を生産している。
(翻訳・編集:川村力)