アマゾン、シアトルの屋内競技場を「気候誓約アリーナ」と命名…気候変動を常に思い出させる存在に

気候誓約アリーナ完成予想図

「気候誓約アリーナ」の改修後の完成予想図。

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  • アマゾンが、シアトルにあるスポーツ・アリーナの命名権を取得、「気候誓約アリーナ(Climate Pledge Arena)」へ改名する。
  • アマゾンCEOのジェフ・ベゾスは6月25日、その名称をアマゾン・アリーナにはしないと述べた。その理由は「気候への対策が今すぐ必要であるということを、常に思い出させる存在にするため」だとしている。
  • ベゾスは、このアリーナは世界初の「二酸化炭素排出量が実質ゼロと認定されたアリーナ」となり、行われるイベントから廃棄物が発生することはないだろうと述べた。アイスホッケーの氷も雨水を再利用する。
  • 「気候誓約アリーナ」は以前、キーアリーナ(KeyArena)として知られ、NBAのシアトル・スーパーソニックスの本拠地だった。改装工事が終われば、WNBAのシアトル・ストームが戻ってきて、まだ名前が付いていないNHL新加入チームの本拠地にもなる。

アマゾン(Amazon)が、シアトルにあるスポーツ・アリーナの命名権を取得、「気候誓約アリーナ(Climate Pledge Arena)」へと改名する。

アマゾンCEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は6月25日、これについてインスタグラム(Instagram)で発表し、「気候変動への対策が今すぐ必要であるということを、常に思い出させる存在」としての名称を採用するとした。

ベゾスは、このアリーナは世界初の「二酸化炭素排出量が実質ゼロと認定されるアリーナ」となり、運営やイベントから廃棄物が発生することはないだろうと述べた。また、雨水を再利用する製氷システムで「NHL(ナショナルホッケーリーグ)で最も環境に優しい氷を作る」とも述べた。

かつてキーアリーナ(KeyArena)として知られた、歴史あるシアトルのアリーナの命名権をアマゾンが取得したことを発表でき、うれしく思う。アマゾン・アリーナ(Amazon Arena)ではなく、気候への対策が今すぐ必要であるということを、常に思い出させる存在にするため、「気候誓約アリーナ」と命名した。世界初の二酸化炭素排出実質ゼロと認定されるアリーナとなり、運営やイベントによる廃棄物を発生させず、雨水を再利用する製氷システムでNHLで最も環境に優しい氷を作る。

名称変更に関するプレスリリースで、アマゾンは、気候に焦点を当てたアリーナの変更点についても述べている。

  • エネルギーは電力のみで、ソーラー・パネルを搭載
  • 食品の約75%が地元産で、使われない食品は寄付される
  • WNBAおよびNHLの試合のチケットで公共交通機関に乗車することもできる
  • NHLの新チームによると、使い捨てプラスチック製品は禁止で、施設内にごみ箱はなく、リサイクル・ボックスと生ごみ処理器しかない
  • 4400万ポンド(約2万トン)ある現在の屋根は、新施設で再利用される

この施設は現在、シアトル・センターの新アリーナと呼ばれているが、以前はキーアリーナとして知られ、NBAのシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)の本拠地だった。現在はワシントン大学(University of Washington)の競技場に一時移転中の、WNBAのシアトル・ストームの本拠地でもある。

気候誓約アリーナ ロゴ

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オープンは2021年で、シアトルに誕生する、まだ名前もないNHL新加入チームの本拠地にもなる。このチームの所有者が2018年、8億ドル(約857億500万円)をかけた改修工事を開始したが、その後、コストは9億ドル(約964億1800万円)にまで膨らんでいる。施設のオープンは、2021年6月以降になると見られている。

ジェフ・ベゾスはかねてより、スポーツ界への興味を示している。2019年7月にはテニスのウィンブルドン選手権を観戦、2019年と2020年のスーパーボウルでも目撃されている。ワシントン・ポストは2019年11月、ベゾスはNFLのシアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)買収に興味があるのでは、と報じた。チームは現在売りに出ているわけではないが、ワシントン・ポストが報じたところによると、以前のオーナーでマイクロソフト(Microsoft)の共同創業者、ポール・アレン(Paul Allen)が亡くなった際、新オーナーを探していたようだ。


[原文:Amazon will rename a Seattle sports stadium 'Climate Pledge Arena' after buying the naming rights (AMZN)

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

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