パキスタンの民間パイロットの3分の1は不正な免許…5月の事故ではコロナの話題で集中を欠く

2020年5月30日、パキスタン国際航空機の墜落事故で亡くなった父親の棺の前で嘆く遺族。

2020年5月30日、パキスタン国際航空機の墜落事故で亡くなった父親の棺の前で嘆く遺族。

REUTERS/Akhtar Soomro

  • パキスタンの民間パイロットの30%以上は不正に取得した免許を持っていると同国の航空省が発表した。
  • この事実は、5月にカラチ近郊で発生した旅客機墜落事故の原因を、パイロットのミスだとする調査結果とともに明らかにされた。この事故では97人が死亡した。
  • パキスタンの民間パイロット860人のうち、262人が不正な免許を取得していたとして、乗務が禁じられている。

パキスタンの民間パイロットの30%以上は、不正に取得した免許を持ち、本来であれば旅客機を操縦する資格がないと、同国の航空省が、6月24日に発表した。

この衝撃的な事実は、5月に発生したパキスタン国際航空(PIA)の旅客機墜落事故の暫定調査結果とともに明らかにされた。この事故ではPIAの8303便がカラチのジンナー国際空港近くに墜落し、97人が死亡した。

調査結果では、パイロットのミスが事故の原因とされた。着陸に向けて、細心の注意を払うべき時に、2人のパイロットは新型コロナのパンデミックについて語り合っていたというのだ。さらに航空管制官からの警告を再三無視したという。

CNNによると、グラーム・サルワル・カーン(Ghulam Sarwar Khan)航空相は国民議会において、同国の860人の現役パイロットのうち、262人が資格試験を「自分で受けていない」と述べた。つまり替え玉を雇って試験を受けさせたということだ。

「彼らには飛行経験がない」とカーン航空相は付け加えた。

860人は、同国のフラッグ・キャリアであるPIAのほか、ローコストの国内線、国外の航空会社の旅客機に乗務しているパイロットだ。

PIAの声明によると、PIAは違法な免許を有するすべてのパイロットの乗務を禁止したという。

「違法な免許は、PIAだけの問題ではなく、パキスタンの航空業界全体にはびこっていると認識している」と同社の広報担当者、アブドゥラ・カーン(Abdullah Khan)はCNNに語った。

墜落した旅客機のパイロットが正規の免許を持っていたのかどうか、まだ明らかにはなっていない。カーン航空相によると「彼らはフライトの間、新型コロナについて語り、操縦に集中していなかった。家族がどうしているのかを気にしていた」という。

同機が着陸態勢に入ろうとしたころ、飛行高度が高すぎたため、航空管制官はパイロットに着陸中止を何度も指示した。「だが機長はその指示を気にも留めなかった」とカーン航空相は述べた。

報告書によると、パイロットらはそのまま着陸を試みたが、着陸装置を適切に作動させることができず、「機体のエンジン部分が滑走路に接触」し、エンジンが破損、パイロットらは機体を再び上昇させようとしたが、破損したエンジンではうまくいかず、墜落した。

PIAを含むパキスタンの航空業界全体では、これまでにも安全面でたびたび問題が生じており、過去10年間でも複数の事故が発生し、死者も出ている。

[原文:A third of airline pilots in Pakistan have fake licenses, the nation's aviation minister said while citing pilot error for a recent crash

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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