マイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツ。
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- ビル・ゲイツは6月25日、「アメリカは新型コロナウイルス感染拡大との戦いで十分なことをしてこなかった」とCNNに語った。
- ゲイツはまた、最近の感染者数増加は単に検査数増加によるものだとするドナルド・トランプ大統領の主張を「完全に誤りだ」と一蹴した。
- そして、感染率の上昇が予想される秋に向けて、アメリカは安心している余裕などあるはずはないと付け加えた。
ビル・ゲイツは、アメリカが新型コロナウイルスの対応で遅れを取っていると考えている。
6月25日のCNNのインタビューで、マイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツは「アメリカは新型コロナウイルスとの闘いに、十分なことをしてこなかった」と語った。
「アメリカは厳しい状況だ」とゲイツは語った。
「我々は、接触者の追跡や強制隔離など厳しい対応もせず、しかもアメリカでマスクを着用している人は、特にアジア各国と比べると格段に少ない」
アメリカのCOVID-19感染症の患者数は250万人以上で、死者は12万人以上だ。最近の感染者数の増加は特に問題であり、6月24日と25日は1日の新規感染者数の記録を更新した。
「世界とアメリカの状況は、どちらも予想以上にひどいものだ」と、ゲイツは言う。また、直近の感染者急増の理由はアメリカが多くの人の検査を行っているからだとするドナルド・トランプ大統領の主張について、「完全なる誤りだ」と一蹴した。感染病の専門家は、検査数の増加がアメリカの感染率増加の主な原因ではないと述べている。
アメリカでは、他の国よりもはるかに多くの検査を行っており、常に拡大しているため、感染者数が増え続けている。検査の規模が小さければ、症例数も少なくて済むだろう!
ゲイツは、アメリカは夏以降、安心する余裕などあるはずはないとし、「ウイルスが季節的なものでなかったら、5月はさらにひどい状態だっただろう。今は夏の恩恵を得ている」と語った。「そして秋になると感染力は強くなる。だからこそ、我々は行動を緩和するべきではない」
最近の研究で、夏の期間は感染率が若干落ちることが示唆されたが、専門家は温かい気候だからといってウイルス感染を阻止できるものではないと警告している。
ゲイツは「慎重になる人もいれば、パンデミックを基本的に無視する人もおり、危機に対する行動は人によって大きな違いがある」と語った。そして「残念ながら、政治的なことと感じる人もいる」と、彼は述べた。
ゲイツは、これまでも感染症対策に資金を提供してきた彼自身が運営する「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を通して、歴史的なこの感染症への対策に2億5000万ドル(約268億円)を投じることを約束している。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)