「本人確認のコスト」という課題。銀行がデジタルID導入を強化すべき理由【レポート】

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  • この記事はビジネスインサイダー・インテリジェンスのプレミアム・リサーチ・レポート「デジタルIDと未来の銀行業(Digital Identity and the Future of Banking)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから

これまでの金融業の常識を覆すデジタルオンリーバンクの登場、規制改革、消費者ニーズの変化などを背景に、銀行業はデジタルファーストを掲げてさまざまな改革を進めている。しかし、その改革の足かせとなっているのが本人確認の問題だ。

本人確認の問題は、金融サービスのコアプロセスの多くに関わっている。顧客の資産を守るため、そして法令遵守のため、銀行は利用者の身元を厳格に確認する必要がある。

オンライン取引での本人確認を効率的に行うため、いくつもの方法が試みられてきたが、課題を根本から解決するには至っていない。

「パスワードリセット」に70ドルのコストがかかるケースも

デジタルIDの開発には、いくつもの階層にわたる複数の問題をクリアしなければならない。

デジタルIDの開発には、いくつもの階層にわたる複数の問題をクリアしなければならない。

Business Insider Intelligence

例えば多くの場合、金融サービスの利用者は自分のアカウントにアクセスするために、覚えにくいパスワードや本人確認のための情報管理を求められる。しかし、これは決して簡単なことではない。このプロセスは利用者のストレスとなっているだけでなく、銀行にとっても高くついている。調査会社Forrester Researchの概算によると、パスワードのリセットにかかるコストは1つあたり最大70ドルにもなるという。

パスワードのリセットは、問題のごく一部に過ぎない。銀行が本人確認関連の法令遵守のためにかけているコストは、年間数十億ドルにのぼるのだ。一方で、機動性が高く先端技術の活用に長けた新興企業は、使い勝手の良いサービスで既存銀行の顧客を奪いにかかっている。

オンライン取引の際の、本人確認に関する課題を解決するため有効なのが、デジタルIDだ。銀行はこれを取り入れることでデジタル・チャンネルを強化し、中核事業を脅かしつつある新興企業に対抗できる。デジタルIDソリューションの導入に成功すれば、本人確認プロセスでの顧客の負担を軽減でき、オペレーションやコンプライアンスのためのコストも抑えられる。

銀行は信用力を活かし、デジタルIDのプロバイダーになれる

データ漏洩件数の推移。

データ漏洩件数の推移。

Business Insider Intelligence

上記のような課題解決のためだけでも、銀行がデジタルID関連の仕組みを主体的に構築する理由として十分。だが、メリットは他にもある。

本人確認は金融サービス分野に限らず、多くの企業にとって課題となっている。もし銀行が独自のソリューションを開発できれば、それを軸とした新事業を育てることも可能だろう。信頼に足るIDプロバイダーとして、Eコマースやヘルスケア、公共サービスなど、さまざまな業種に向けたサービスを展開できるかもしれない。

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート、「デジタルIDと未来の銀行業」では、デジタルIDとそれを可能にしているテクノロジーについて解説する。デジタルIDソリューションの開発を銀行が主導すべき理由や、なぜ開発主体として銀行が最適であるのかを明らかにする。

また、本レポートでは、銀行がどのように効果的、かつスケーラブルなデジタルIDソリューションを開発できるのかを示す。こうしたインフラ構築は自社の課題解決に役立つだけでなく、新たな可能性にもつながるだろう。

本レポートで言及される企業:

Barclays, Belfius, BNP Paribas Fortis, Capital One, CIBC, Danske Bank, Desjardins, First American Corporation, Handelsbanken, ING, KBC/CBC, Mastercard, Microsoft, Orange, Proximus, Rabobank, RBC, Scotiabank, Signicat, SkandiaBanken, Sparbanken Gripen, Telenet, TD Bank

本レポートのキーポイント:

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート「デジタルIDと未来の銀行業」

ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるレポート「デジタルIDと未来の銀行業」

Business Insider Intelligence

  • スピード感と革新性に秀でたフィンテックの台頭、規制改革、スマホなどのデジタル技術の低価格化によって、金融サービスのデジタル化が進んでいる。これにより顧客と銀行とのやり取りの仕方も大きく様変わりしている。
  • しかし、非効率な本人確認のプロセスがネックとなり、デジタル化の良さが最大限に活かされていない。本人確認は銀行とその利用者の双方にとってスムーズな手続きの障壁となっている。
  • この課題を解決するため、デジタルIDが有効だ。オンライン取引での正確な本人確認を実現するデータを含有した電子証明書が、利用者の負担を軽減してくれる。
  • デジタルIDソリューションの自社開発は、成功すれば銀行にとって大きな利益につながる。新規顧客獲得や法令遵守のためのコストを減らし、新たな収益源に育てることも可能だからだ。

本レポートの完全版では:

  • 現存する本人確認ソリューションの主な課題について解説する。
  • デジタルIDが本人確認の課題をどのように解決できるかを示す。
  • 銀行がデジタルIDソリューション開発を通じて、新たな収益源を確保するための方法を探る。
  • 銀行が手掛けたデジタルID関連のプロジェクトを紹介する。成功事例だけでなく、失敗に終わった取り組みも参照しながら、本人確認という難しい課題を解決するために銀行がどのような役割を果たしていけるかを示す。

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[原文:DIGITAL IDENTITY AND THE FUTURE OF BANKING: How digital identity can slash the costs of onboarding and regulatory compliance by up to 70% for banks

(翻訳・野澤朋代、編集・佐藤葉)

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