ビジネスチャット「Slack(スラック)」のバイスプレジデント、ブライアン・エリオット。前職はグーグルのゼネラルマネジャー。
Courtesy of Brian Elliott
- Slack(スラック)のバイスプレジデント、ブライアン・エリオットはプラットフォーム全体のグロースマネジメントを担当している。
- エリオットによると、Slackと連携できる便利な機能拡張アプリがたくさんあり、それらを使うことで生産性を向上させ、コミュニケーションを円滑化できる。
- Zoom(ズーム)もマイクロソフトのTeams(チームズ)もSlackから直接立ち上げることができる。Slack上でDonut(ドーナッツ)を使って、オンラインコーヒーミーティングにつき合ってくれる同僚をランダムに見つけることもできる。
いまや自宅の裏に置いたテーブルが僕の仕事場だ。今日、それは別に異常なことでも何でもないけれども。
多くの人たちが物理的に切り離された状態で仕事をするようになったいまでも、誰かの肩をポンと叩いてみたり、同僚と気楽にコーヒーブレイクを楽しんだり、何かしら一緒に働く方法はないかと模索を続けている。
現在の状況は、同僚とのつながりを深めたり、リモートワーク中の生産性を維持したりする上で役立つツールを見つけ、その価値を確かめる絶好の機会だ。僕はもちろん毎日Slackを使っていて、ここ数カ月でユーザーが一気に増えたことを実感している。
Slackの「Appディレクトリ」には2000以上のアプリが揃っている。そこには、Office 365やGoogleドライブ、Zoomなどの人気アプリも含まれる。実際、3月だけみても、何らかのアプリをSlackと連携させたユーザーの割合は3倍近く増えている。
SlackのAppディレクトリには2000点以上の連携アプリが揃っている。
Screenshot of Slack App Directory
それにしても、どんなアプリを最初に連携させるべきなのか?そもそも何のために連携させるのか?
ファイル共有やビデオ会議、音声通話、マネジメントなどについて、ありがちな問題を解決してくれるオススメのお役立ちアプリを紹介しよう。
ビデオ/音声通話アプリ
従業員全員参加のビデオ会議もできるし、ビデオ会議の最中にクイックチャットを起動することもできる。議論が複雑になってきたら、連携アプリを使って、Slackでのチャットからビデオ通話や音声通話に移行することもできる。
3月、Slack経由での音声通話やビデオ通話はおよそ350%と大幅な利用増を記録した。基本機能のSlackコールのほか、連携アプリの「Zoom」「Cisco Webex Meetings(シスコ・ウェブエックス・ミーティングス)」もよく使われた。
Brian Elliott
マイクロソフトの「Outlook(アウトルック)」や「Googleカレンダー」を連携させれば、予定されているミーティングの通知を受け取ることもできる。SlackのチャンネルでURLをシェアすれば、同僚も即座にミーティングに参加できる。
ただし、ビデオ会議は必要なくて、音声通話で済ませたいときもある。そんなニーズを満たすために、Zoomフォンや「Cisco Jabber(シスコジャバー)」「RingCentral(リングセントラル)」「Dialpad(ダイアルパッド)」を連携させ、Slackから直接電話できる機能を付加した。
マイクロソフトの「Teams Calls(チームズ・コールズ)」と連携させれば、SlackからTeamsのビデオ通話や音声通話を立ち上げることもできる。
僕自身は、完全リモートワークを始めてから、ビデオ会議疲れしないよう最大限に気を使ってきた。立て続けにミーティングを入れるとか、連続して他人の顔を見つめると人は精神的に疲労するという研究成果も発表されている。
最近は実験的に、“非同期型”ビデオ会議ツールの「Loom(ルーム)」を折り混ぜて使うようにしている。
LoomをSlackに連携させると、短尺のスクリーンキャプチャやビデオクリップにナレーション(や字幕)を入れたり、それをチャンネルでみんなにシェアしてそれぞれのタイミングで視聴したりフィードバックしたり、簡単にできるとわかったからだ。
同様に、「Hallway(ホールウェイ)」を連携させれば、リモートワーク中の同僚と自然発生的な会話を楽しむ休憩室(ビデオチャット)を作成でき、交流を多様化させることができる。
ファイル共有アプリ
Brian Elliott
ファイルを使う仕事は山のようにある。そして、同じチーム内でも、Googleドライブやマイクロソフトの「OneDrive(ワンドライブ)」「SharePoint(シェアポイント)」「Box(ボックス)」「Dropbox(ドロップボックス)」など複数のソースを使ってファイルをやり取りすることが多い。
どの書類がどこにあるのか、仕事を片づけるのに必要な情報をどうやって探したらいいのか、従業員たちはいちいち覚えていられない。
けれども、Slackでファイルを共有しておけば、仕事に使っているチャンネルから、必要とする人が即座にファイルを取り出すことができるようになる。
上に列記したファイルアプリをSlackに連携させることで、ファイルにアクセスしたり、その中身について議論したり、フィードバックしたり、すべてをSlackからダイレクトに行える。アクセスへのリクエストや承認も手軽になり、ファイルがシェアされたら通知も飛んでくる。
加えて、Adobe(アドビ)製アプリを使っている世の中のクリエイターに朗報がある。アップデートによって、Slackに「Adobe Creative Cloud」アプリを連携させ、Creative Cloudで作成したファイルの共有やプレビュー、共同作業ができるようになった。
Screenshot of Slack App Directory
いまや、Creative CloudストレージあるいはAdobe XD、Photoshop、Illustrator、Acrobat、Indesignといったアプリケーションからも、簡単にファイルの共有やプレビューができる。
そんなわけで、探したいファイルがPhotoshopで作成したデザインであれ、ミーティングのアジェンダをまとめたWord文書であれ、Googleスライドのプレゼン資料であれ、Slackの検索窓から探せば、一発で見つけられる。
ヘビーユーザーの方々ならすでにご存知のように、最近のアップデートで左サイドバーの「ファイル」をクリックすると、すべてのファイルを共有者やファイルタイプでフィルターして検索できる。
人事向けアプリ、カルチャー形成支援アプリ
多くの会社が完全リモートワークに移行している。固定のオフィスがなくなったために、チームがつながり続け、企業文化を維持し、評価のフィードバックから休暇届の承認まで人事上の重要な問題に漏れなく注意を払うことが簡単ではなくなっている。
「Disco(ディスコ)」や「Donut(ドーナッツ)」のようなシンプルなアプリは、従業員どうしのつながりを維持するのにとても役立つ。
Brian Elliott
Discoはチームのメンバーに会社の重要視するバリューを認識してもらうのに有効だ。Donutは同僚とのバーチャル・コーヒーミーティングをランダムに設定してくれるので、従業員の横のつながりが生まれやすくなる。
僕自身についていえば、しばらく会っていない同僚や自分のチームと密に仕事をしたことのない同僚と情報交換するのに、Donutはすごくいいと思って使っている。
人事担当にとっても、Slackはコンプライアンスを向上させるのに役立つ。経費の請求や承認は、ツールがひとつにまとまっているとよりわかりやすくなる。
例えば、「Workday(ワークデイ)」を連携させれば、Slackから休暇届を提出できるし、「WFH Surveys(サーベイズ)」を使えば、リモートワーク中の従業員たちの仕事がうまくいっているか、それぞれのフィードバックを得やすくなる。
Brian Elliott
これらのアプリをインストールしてSlackをより高度に活用したいと思ったら、「Appディレクトリ」で使えるアプリを探すか、Slackデスクトップアプリから参照してほしい。
デスクトップアプリの場合、左サイドバーの「Apps」をクリックすると、あなたの参加しているワークスペースの全員が利用可能なアプリが表示され、新しいアプリを探したり、最近使用したアプリを開くこともできる。
使いたいアプリが決まったら、「追加」ボタンをクリックして、あとは表示されるメッセージに従うだけ。アプリをインストールする権限を持っていない場合、代わりにアプリのリクエストを申請する必要がある。
予想もしなかった今回のリモートワークシフトは、仕事を成功させる上で誰もが知っておくべきことをふたつ浮き彫りにしたと思う。それは、仕事をやりやすくするシンプルな手法と、同僚たちとつながっている感覚の重要性だ。
必要に応じて正しいツールを使うことで、誰がどこで仕事をしていようと、生産性と幸福は維持できる。
僕もどこで仕事をするかにかかわらず、Slackの成長を通じて皆さんをサポートし続けていきたい。
(翻訳・編集:川村力)
[原文:A Slack vice president shares the 23 most useful apps his team uses daily to boost productivity]