- ロシアの国民投票の結果、ウラジミール・プーチン大統領は2036年まで続投することが可能になった。
- 一部のロシアのインフルエンサーはニューヨーク・タイムズに、フォロワーに対して賛成投票を促す投稿への金銭提供が提示されたと語った。
- 一部のインフルエンサーによる投稿棄権の意思表示は、プーチンの人気が低下していることを示唆していたのかもしれない。
- ニューヨーク・タイムズは、この主張を検証することはできないとしつつ、それらは「世論の指標」であると述べた。
ロシアのインフルエンサーは、国民投票に投票するように呼びかける記事作成に10万ドルもの金額が提示されたと述べている。
ロシアで、プーチン大統領が2036年まで政権を延長できるようになる憲法改正の国民投票が行われ、可決された。これまでは、プーチン大統領の任期は2024年までに制限されていた。
何人かのブロガーたちは、プーチン大統領が提案した憲法改正案についての記事を書くオファーを受けたと述べている。
ロシアのビデオブロガー、クセニア・ホフマン(Ksenia Hoffman)がニューヨーク・タイムズに語ったところによると、国民投票についてのインスタグラム(Instagram)の記事を書くように3月にオファーを受けたが断ったという。彼女は、クレムリンへのサポートを示すことで自身のイメージを傷つける可能性があり、「広告収入への深刻な影響」を恐れていると述べた。
「国民のムードは本当に変わった」とホフマンはタイムズに語った。
460万人以上のフォロワーを持つインスタグラムのインフルエンサー、エレナ・シェイドリナ(Elena Sheidlina)も、この懸念について述べた。
彼女はタイムズに「政権と公然と接触しているアーティストがフォロワーからの攻撃の対象になるのは明らかで、これは最近起こり始めたことだ」と語っている。
また、タイムズによると、人気自動車ブロガーのエリック・キトゥアシビリ(Erik Kituashvili)は、フォロワーに投票を促すために10万ドルを提示されたと表明するビデオを撮ったという。彼は、金銭を取ったインフルエンサーは「売国奴」だと言った。
YouTubeでコスメやオンラインショッピングサイトをレビューしているカーチャ・コナソバ(Katya Konasova)はビデオの中で、憲法改正が「母と子ども」のためにどのように役立つかをアピールした場合、1万4000ドルの報酬を約束されたと述べた。
タイムズは、これらの主張を「検証することはできなかった」としているが、それは「国民のムードの表れ」であり、それが長年政権の座についているプーチンに対してどのように変化したかを示していると指摘した。
ロシアは現在、世界で3番目に多いコロナウイルス感染者を抱えていて、多くの人がパンデミックへのプーチン大統領の対応を批判している。
プーチン大統領は最近、モスクワの赤の広場で大規模な軍事パレードを行ったり、軍隊を称える大聖堂を作ったりして、人気を集めようとしていた。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)