メルカリは7周年を記念し、直近1年間の利用状況を公開した。
出典:メルカリ、撮影:小林優多郎
メルカリは7月2日、サービス開始7周年を迎え、直近1年間を振り返ったインフォグラフィックスを公開した。
同資料の中で、メルカリ史上最も高く売れたものは655万円の「ハリー・ウィンストンの指輪」であることや、直近1年間(2019年5月〜2020年5月)のメルカリ内での購買傾向などが明らかにされた。
人気ブランドは、ユニクロ、ナイキ、アップル、アディダス
出典:メルカリ
最も目をひくのは、取引ブランドのランキングだ。最も取引されたブランドはユニクロで、同社によると「買われている・売られているブランドともに3年連続で1位」だという。
ユニクロを除くブランドランキングを見てみると「買われている」「売れている」ともに1位はナイキ、2位はアップル、3位はアディダスとなっている。服飾のメジャーブランドやiPhoneシリーズが人気製品だとわかる。
一方で、それぞれ4位以下を見てみると、「買われている」には任天堂(4位)、ソニー(6位)などゲーム、電化製品ジャンルがランクインしているが、「売られている」にはそれらの名前がなく、ファッション系ブランドほとんどを占めている。
ユーザー層の変化とコロナの影響で人気カテゴリーにも異変
出典:メルカリ
カテゴリー別シェアを見ると、1位は「エンタメ・ホビー」(22%)、2位は僅差で「レディース」(21%)、3位は「メンズ」(16%)、4位は「家電・スマホ・カメラ」「コスメ・美容」(それぞれ9%)となっている。
同社が2019年7月2日に公開したカテゴリー別シェアでは、1位「レディース」(24%)、2位「エンタメ・ホビー」(21%)、3位「メンズ」(17%)、4位「家電・スマホ・カメラ」(8%)だった。
なぜ、「レディース」と「エンタメ・ホビー」(ゲームを含む)が逆転したのか?
Business Insider Japanの取材に対し、メルカリ広報は男性ユーザーの増加、新型コロナウイルスの影響などをあげた。
「近年、メルカリでは男性ユーザーが増加傾向にあり、それに合わせて『エンタメ・ホビー』カテゴリーの人気が高まっていた。
加えて、直近の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、家で楽しめる“巣ごもり消費”にあった商品のニーズも高まっていると考えられる」(メルカリ広報)
潜在顧客の発掘を進めていくメルカリ
メルカリは梱包材などの販売やメルカリ教室の実施、旗艦店の立ち上げなど、顧客とのリアルでの接点を増やそうとしている。
撮影:小林優多郎
冒頭の資料ではそのほか、メルカリのオリジナル資材の販売数が月間100万枚を超えたこと、メルカリ教室の拠点数が333拠点、受講者数が約2万人になったことなども明らかにされている。
同社は4月30日に発表した2020年6月期第3四半期決算で営業赤字を記録しているが、国内のメルカリ事業に関しては「第3四半期の総流通額(GMV)も過去最高を更新し、高い成長性を継続」と好調に推移している。
さらに、6月10日には同社初の旗艦店「メルカリステーション」を東京・新宿マルイ本館にオープン。7月2日には2号店を神奈川の「ららテラス 武蔵小杉」内にプレオープンするなど、リアルでの顧客接点づくりに力を入れている。
リアル拠点を拡大することにより新規顧客を増やし、国内事業の堅実な成長を狙っていくというのが、メルカリの当面のロードマップとみられる。
(文・小林優多郎)