独特のデザインで、高い反発力を持ったミズノが発表した新シューズ「THE MIZUNO ENERZY」のコンセプトモデル。一部の店舗で限定販売。
出典:ミズノ
ミズノは7月1日、同社史上最高の反発性という新素材「MIZUNO ENERZY(ミズノエナジー)」と、この素材を用いた新シューズ、コンセプトモデル「THE MIZUNO ENERZY(ザミズノエナジー)」と「WAVE DUEL NEO(ウエーブデュエルネオ)」を発表した。
ミズノ史上最高の反発性の新素材
新シューズを持つ(左から)陸上の飯塚翔太選手、ミズノの水野明人社長、元テニス選手の松岡修造さん、ラグビーの田中史朗選手。
提供:ミズノ
ミズノエナジーは、2年をかけてシューズソール用に独自開発した新素材。最大の特長が反発性の高さで、素材の柔らかさによって接地時にたまったエネルギーを高い効率で反発させる。これにより、走りの推進力に変換する。「金属のバネに近い」(開発担当者)
ミズノエナジーは「ミズノエナジーコア」「ミズノエナジーライト」「ミズノエナジー」の3種類からなる。最上位のコアは、従来のソール素材「U4ic(ユーフォリック)」と比較し反発性が約56%、柔らかさが約293%向上している。
新シューズのコンセプトモデル「ザミズノエナジー」は、7月1日からミズノの一部の直営店と公式オンラインショップで限定発売している。価格は税別2万5000円。
ミズノの新シューズ発表会に登場した松岡修造さん。
提供:ミズノ
靴底がまるで泡のようなユニークなデザインで、フィットネス向けとは一見思えないが、会見に参加した元テニス選手の松岡修造さんは大絶賛。ザミズノエナジーを既に履いて走ったといい、「もう他のシューズは履けない。(ソールが)薄くても反発性を感じられる、安定性もありアスリートはとても⾛りやすいと思う」(松岡さん)
ミズノ社長「世界で100万足以上販売したい」
陸上の飯塚翔太選手は新シューズを履いてランニングマシーンを走った。左はラグビーの田中史朗選手、真ん中は松岡修造さん。
提供:ミズノ
ミズノに所属する陸上男子短距離の飯塚翔太は、今回発表した新シューズ「ウエーブデュエル ネオ」を履いて、ランニングマシン上で走ってみせた。
「反発性があるので、疲れてもしっかり前に⾜が前に出てくれる。軽さと反発性を兼ねそろえていて、⻑い距離を⾛って⾜が上がらなくなったときにサポートしてくれる」
同シュースの価格は税別2万3000円で、7月中旬から発売される。
水野明人社長は「新型コロナウイルスの影響はあるが、世界で100万足以上は販売したい」と意気込みを語った。
新シューズ「ウエーブデュエル ネオ」を手に持つミズノの水野明人社長。
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開発担当者は、同社にとって最高素材というミズノエナジーを開発できた理由として「ミズノが日本の総合スポーツ用品メーカーだからこそ」とした。
ミズノは長年、さまざまな競技の製品を開発してきた。例えば、ゴルフのクラブだったり、野球のバット、ラケットなど「研究テーマとして、遠くに飛ばす、打つというのをずっと追求し続けている」(開発担当者)。こういう研究環境だからこそ、「開発の幅が広い」(開発担当者)ことで、新素材でいきたという。
ミズノエナジーはランニングなど陸上向けだけでなく、バレーボールや卓球向けにも搭載していく予定だ。
ランニング向け、陸上向けのシューズの開発は、ナイキの厚底シューズなど激しい開発競争にさらされている。また、ランニング愛好者は世界中におり、各社、開発を競っている。ミズノの新シューズはどこまで受け入れられるだろうか。
(文・大塚淳史)