NASA's Goddard Space Flight Center/SDO
- NASAが制作した魅惑のタイムラプスビデオは、過去10年間の太陽の活動を記録したものだ。
- ビデオは、1日を1秒で示していて、回転するミラーボールのように見える。 明るい光は爆発で、暗い斑点は黒点だ。
NASAの人工衛星は、過去10年間、太陽をずっと観測してきた。これは、太陽の北極と南極が入れ代わる太陽活動周期(11年)に1年足りない長さだ。
2010年6月2日から2020年6月1日までの間に、NASAの太陽観測衛星、ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーは4億2500万枚の高解像度画像を撮影した。これは、平均して約0.75秒に1枚撮影したことになる。NASAのチームは最近、これらの画像の一部を1時間におよぶ魅力的なビデオに編集した。
このビデオでは1秒ごとに太陽の1日を表している。
このタイムラプスビデオは、太陽を回転するミラーボールのように見せてくれる。
それは高温のガスが絶えず動いているからだ。太陽活動周期の11年の間に、その磁場は絡み合い、引き伸ばされることがある。これにより、黒点が生まれる。黒点は磁場が特に強いときに形成される、太陽の表面上の暗くて温度の低い斑点だ。2014年10月、アメリカ航空宇宙局(NASA)はこの四半世紀で最大の太陽黒点を記録した。これは木星ほどの大きさだった。この太陽黒点は、太陽フレアと呼ばれる複数の爆発を引き起こし、動画では明るい光として表示されている。同じ月、太陽の表面は、明暗の模様が描かれ、ハロウィーンの時期だからか、ジャック・オ・ランタンによく似ていた。
太陽の磁気エネルギーは、2014年に太陽極大期と呼ばれるピークに達した。その時期、太陽表面での爆発やフレアは非常に激しく、地球上でも光として見えるほどだった。太陽の極大期には、停電や電力不足を引き起こすこともある。
その後、太陽の活動は弱まったが、2019年11月に水星が太陽の前を通過するなど、NASAの観測はいくつかの注目すべき事象を記録することに成功している。このような事象が再び起こることは2032年までない。
ただし、写真が欠落している時期がある。撮影しているNASAのソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーと太陽の間に地球や月が通過したときは暗い画面になるし、2016年には技術的な問題により、カメラが約1週間使えなくなった。
しかし、この動画は、過去10年間の太陽の活動のほとんどの部分を捉えている。
科学者たちは、太陽が次の太陽周期に入ったと考えている。NASAは5月29日、2017年10月以来最大となる太陽フレアを観測した。これは太陽活動が再び活発になり始めた兆候かもしれないが、確かなことを知るにはさらに6カ月か1年かかるだろう。それまでの間も、NASAの衛星はそれをカメラに収め続ける。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)