マイクロソフトが6月に発売した「Surface Headphone 2」。その魅力は?
撮影:小林優多郎
いま現在も在宅勤務が続いているという人も多いだろう。筆者もその一人で、さまざまな製品やサービスを試行錯誤し、テレワークをより快適にできるよう工夫を続けている。
そんな中で最も重視しているのが“音”に関する品質だ。すでにさまざまな種類のヘッドホン・イヤホンが登場しているが、マイクロソフトの新型ヘッドホン「Surface Headphone 2」が6月5日に発売。実機を試してみた。
高音質規格「aptX」に対応、ノイキャン性能も抜群
Surface Headphone 2は約290gのワイヤレスヘッドホン。
撮影:小林優多郎
Surface Headphone 2は、耳をすっぽりと覆うオーバーイヤー型のワイヤレスヘッドホンだ。その名の通り同製品の2世代目にあたり、6月5日に発売された。
“Surface”シリーズの周辺機器ではあるものの、Bluetooth対応機種であれば、iPhoneやAndroidスマートフォン、iPadなどとも接続できる。前機種では非対応だった、クアルコムの音楽伝送規格「aptX」にも対応。とくに同規格に対応しているAndroidスマートフォンとの相性はよい。
aptXに対応するグーグル「Pixel 4」につなげてみたところ。
撮影:小林優多郎
Surface Headphone 2の最大の特徴は、なんといってもその高いノイズキャンセリング性能だ。オーバーイヤー型という物理的な構造も相まって、テレワークで気になるエアコンの音、PCのファンからの風切音、家人の声……などをスッと消すことができる。
リングを回転させて各種設定を調整する。左側でノイズキャンセリングのレベル、右側で音量。どちらも中央部はタッチセンサーとなっており、音楽の一時停止・再生操作も可能。
撮影:小林優多郎
ノイズキャンセリング性能は「高」「中」「低」の3段階で調整可能で、さらに外音取り込み機能も備えている。これらの設定は本体左側リング部を回転させることで調整でき、この操作感もSurface Headphone 2ならではの点だ。
例えば、アップルの「AirPods Pro」もソニーの「WI-1000XM2」も同様にノイズキャンセリングと外音取り込み機能を持っているが、いずれも長押し的にタッチしたり、ボタンなどの操作となっており、慣れてしまえばSurface Headphone 2の方が、直感的に素早く切り替えられる。
Bluetooth、イヤホンジャック、USB Type-Cで接続可能
PCとは付属のUSB Type-Cケーブルで有線接続も可能。
撮影:小林優多郎
また、使っていて感じたのは、オンライン会議向けに見たとき、本機は“かゆいところに手が届く”仕様になっているということだ。
その1つが有線接続の仕様で、Surface Headphone 2は3.5mmイヤホンジャックとUSB、2種類の有線接続方法をサポートしている。
そのため、Bluetoothがつながりにくい場所では、PCとの接続はUSBで接続できる。また、USBで充電しながら音楽を楽しみ、外出先ではスマートフォンとペアリングしてワイヤレスで楽しむという使い方も可能だ。もちろん、飛行機に搭乗するときにも、イヤホンジャック経由の接続で使うことができる。
付属のキャリーケースはしっかりした素材でできており、中には本体の他にケーブル類を入れるポケットがある。
撮影:小林優多郎
直販価格3万円台の価値は十分にある
Windows 10 PCとAndroidスマホで同時にペアリングできた。
撮影:小林優多郎
そのほかにも、Bluetoothの同時接続に対応しており、複数の製品に同時にペアリングし、音源をスムーズに切り替えるといったことも可能。
ワイヤレス接続時のSurface Headphone 2で、実際のビデオ会議で数回、音質チェックもしながらミーティングしてみたが、マイクとしての音質は、声のクリアさ、背景のノイズの少なさなど十分に「良さ」を感じられるものだった。
ユーティリティーアプリである「Surface Audio」は、Windows 10、iOS、Android向けにリリースされている(写真はWindows 10版)。
撮影:小林優多郎
気になる点としては、アプリや内蔵の音声ガイダンスの“日本語の質”に粗がある点と、価格が高い点(直販価格で3万2428円税込)。けれども、高い音質とノイズキャンセリング性能、直感的な操作性、幅広い接続方法などを考えると十分にその価値はあると思える。
ユーティリティーソフトがMac向けにはないため、Macユーザーはイコライザーの設定ができないなど、使い勝手に差が出てきてしまうが、iPhone、Android、Windows 10ユーザーであれば十分に買って満足できる製品だ。
(文、撮影・小林優多郎)