困っている人を助けたい! ニューヨークの街中にカラフルな冷蔵庫が出現


冷蔵庫

ニューヨークでは、街のあちこちに無料の冷蔵庫が出現している。

Laura Alvarez

  • アメリカのニューヨークでは、アーティストとコミュニティーのために活動をしている人々が協力して食料不足の問題に取り組んでいる。街中に置かれた冷蔵庫に健康的な食べ物を詰めて、無料で持ち帰りできるようにしている。
  • この「親切な冷蔵庫」運動に参加したい人は冷蔵庫を用意して、その冷蔵庫を電源につなぐ許可を地元の店から得る。ボランティアが1日に何度か立ち寄り、冷蔵庫をきれいにしたり、食べ物を補充する。
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって多くの人が食料不足に陥る中、冷蔵庫はあちこちに出現し始めている。

ニューヨークでは、たくさんの人々が職を失い、食料不足に陥っている。だが、助けを求めることに負い目を感じる人もいる。

こうした人々の気持ちを踏まえて、地域住民が地元の店と協力して、必要な人が無料で食べ物を持ち帰りできる「親切な冷蔵庫(friendly fridges)」が街のあちこちに出現している。食べ物を持ち帰る時に何か聞かれることもない。

「食べ物を買うお金がない状況だったんです。あれは辛かった。でも、誰かに助けてとは言いたくなくて」とローラ・アルバレスさんはInsiderに語った。

「何か聞かれることなく、アクセスできるものがあることがとても重要なんです。本当にたくさんの人たちが来て、いくつか食べ物を持ち帰ったり、逆に食べ物を置いて行ったりしています」

アーティストでBxArts Factoryの共同創設者でもあるアルバレスさんは、ブロンクスで3つの「親切な冷蔵庫」に絵を描いた。すると、地元の住民たち —— ブルックリンから始まった —— が助けを必要としている人たちのために冷蔵庫を用意し、食べ物を詰め始めた。

アルバレスさんのようなアーティストたちがボランティアで冷蔵庫に絵を描いている。

ブロンクスでは7月5日、アルバレスさんが数時間かけて冷蔵庫に絵を描いている間に、少なくとも6人が冷蔵庫に立ち寄り、いくつか食べ物を持って帰った。そして、それを上回る数の人々が車でやって来て、生鮮食品やその他の食料品を置いて行ったと、アルバレスさんは話している。

「高齢者がたくさんいたことにも、心が動かされました。彼らがどんなことを経験してきたかと思うと…… 」とアルバレスさんは語った。

この冷蔵庫を置いたのは、セルマ・レイブンさんとサラ・アレンさんだ。5月の終わりにハーレムで同じようなプロジェクトを手掛けている友人に会った後に思い付いたのだとInsiderに語った。

この時、レイブンさんとアレンさんはこの運動がもともと「In Our Hearts NYC」のサディアス・アンプスターさんが始めたものだとは知らなかったという。アンプスターさんはフードシェア・プログラムのために食べ物を入れておく冷蔵庫を買ったものの、自身のブルックリンのマンションに入らなかった。

そこで、冷蔵庫を外に置き、食べ物を入れたところ、ソーシャルメディアで情報が拡散していったのだとレイブンさんは話している。

多くの「親切な冷蔵庫」は、オーナーの許可を得て地元の雑貨店などに電源をつないでいる。

「たくさんのエッセンシャルワーカーやホームヘルパーの人々が利用しています。1つか2つ、アイテムを選んで、バッグに入れていくんです」とレイブンさんはInsiderに語った。

「今、人々はお金がないんです」

中でも、ブロンクスは新型コロナウイルスやそれに関連した経済的な影響を大きく受けた。

レイブンさんとアレンさんが冷蔵庫をきれいにしたり、食べ物を補充したりするためにその場に立ち寄り、過ごす時間は1日あたり1時間もないが、いくつかのアイテム(もしかしたらお金がなくて買えなかったのかもしれない)が手に入って喜んでいる人々にしばしば遭遇するという。

「今朝、歩いて行ってみたら、冷蔵庫にサニー・デライト(注:ジュースの一種)が5本入っていて、それを見て、とても喜んでいるお母さんがいました」とレイブンさんは語った。

「彼女は家に子どもが何人かいるんです」とアレンさんが付け加えた。

また、ある別の女性は、冷蔵庫に入っていた鶏肉を見つけて喜んでいたとレイブンさんは話した。女性はしばらく肉を買えていなかったのだという。

ニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市内には2月以降、こうした冷蔵庫が少なくとも14台現れているという。

自分たちの冷蔵庫を立ち上げてから、レイブンさんとアレンさんはIn Our Heartsのグループと連絡を取った。In Our Heartsでは、広がりを見せるこのプロジェクトを追跡している。

この運動は困っている"ご近所さん"を助けるだけでなく、食品廃棄物を減らすことにも役立っている。1日の終わりに、売れ残ったパンやその他の食べ物を近所の店が置いていくこともあるからだ。

アメリカでは、供給された食料のうち約30%が廃棄されていると、アレンさんはInsiderに語った。

法的な責任問題もあって、大手外食チェーンは余った食材を寄付することを禁止されていることが多いものの、地元の雑貨店やデリはブロンクスの冷蔵庫にサンドイッチやその他の食べ物を寄付してくれていると、レイブンさんは話した。

また、多くの人々が、経済的に苦しんでいる人々にとって最も手が届きづらいであろう新鮮な野菜や果物を寄付することに力を注いでいる。中には、地域で運営している農園から直接届くものもあるという。

「新鮮な自然食品へのアクセスがあるということは、彼らが考えもしないような贅沢なんです」とアルバレスさんは言う。

Food Bank for New York Cityによると、ニューヨーク市では120万人以上(市民の14.4%)が食料不足に陥っているという。

「このプロジェクトの認知度が上がって、人々が何かしら置いていく習慣を身に付けてくれたらうれしいです」とアレンさんは言う。

「こうしたちょっとした食料が誰かのその日の夜の食事になるんです」

[原文:Colorful 'friendly fridges' with free food have been popping up on New York City streets to feed those who are struggling

(翻訳、編集:山口佳美)

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