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「ワクチンしか望みはない」…感染によって免疫を獲得できるのはごくわずかであることを研究結果が示す


イギリス、ロンドン。

イギリス、ロンドンで。2020年6月29日。

REUTERS/Toby Melville

  • 抗体検査は、新型コロナウイルス感染症などの病気に対して、人の体内で防御反応が起きているかどうかを調べることができる。
  • 世界中で行われている抗体の研究によると、別のコロナウイルスによる感染症では、ある程度防御できるようになる人が10人に1人以下だという。
  • 「現在の抗体検査の問題は、それが何を意味するかが分からないことだ」と、ワクチンとウイルスの専門家はBusiness Insiderに語った。

世界中で何百万人もの人々が新型コロナウイルスに感染したが、感染から回復した人でも免疫を持たないことがある。

新型コロナウイルスの抗体検査は、体内にウイルスがいるかどうかを鼻やのどのぬぐい液で調べる検査とは違い、コロナウイルスに過去に感染したことがあるかどうかを測定するための血液検査だ。

この検査では、体が免疫グロブリンと呼ばれるY字型のタンパク質が産生して新型コロナウイルスに対する免疫反応を示しているかどうかを判定する。検査はまだ完全には正確ではないが、これまでにどのくらいの人が感染したかを測る指標の一つとして、世界中の国で利用されている。

これらの抗体検査の結果は依然として補助的ではあるが、別のコロナウイルス感染によって免疫が生じるとしても(科学者にもまだよくわかっていない)、新型コロナウイルスに対する免疫ができるまでの道のりはまだまだ遠いことを示唆している。

世界中の国や都市で行われた最近の抗体検査の結果を紹介しよう。大きな打撃を受けた北イタリアとニューヨークは他の地域より抗体保有率がかなり高いことがわかる。しかし、多くの地域では、新型コロナウイルスに対して検出可能な免疫反応があるのは10人に1人未満にとどまっている。

抗体を獲得したのはごく少数

Yuqing Liu/Business Insider

「抗体検査に関する現在の問題は、それが何を意味するか我々がわかっていないことだと思う」と、ニューヨークのマウントサイナイ医科大学のワクチンとウイルスの専門家、フロリアン・クラマー(Florian Krammer)はBusiness Insiderに語った。

「別のコロナウイルスや一般的な風邪のコロナウイルスに一度感染すると抗体が作られて、しばらくの間、免疫を持つことがわかっている。おそらく再び感染することは容易ではない…。が、それは完璧ではない」

スペインの最新の抗体検査で、感染からわずか数カ月後には、ウイルスに対する免疫が弱まっている人がいることが示唆された。中国の新型コロナウイルス感染症に関する査読前の論文によると、特に40歳以下の若い患者の中には、抗体をまったく作らない人もいるという。

「重要なことは、身を守るためにどのくらいの抗体が必要かということだ」と、クラマーは言う。

感染またはワクチンによって十分な数の人が病気に対する抗体を持つ、集団免疫の状態に至るのは予防接種抜きには不可能だと、多くの証拠が示している。

「ワクチンができるまで我々にできることはほとんどない。そしてワクチンがあれば、集団免疫をすばやく獲得することができるだろう」とクラマーは述べた。

アメリカの感染症の専門家は、彼の考えに同意しているようだ。アンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)博士は7月9日、「我々が今できる解決策は、明らかにワクチンでなくてはならないと思う」とThe Hillに語った。

「2020年末から2021年初めまでには、ワクチンの接種を開始できると期待している」

[原文:Antibody tests around the world suggest very, very few people have built immunity to the coronavirus

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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