ロビンフッドの共同創業者、ウラジミール・テネフ。
REUTERS/Brendan McDermid
- 株取引アプリ「ロビンフッド」の利用者、リチャード・ドバツェは1万5000ドルを100万ドルにした後、すべてを失ったという。
- 彼はニューヨーク・タイムズに「彼らは株について何も知らない人の為に取引をとても簡単にしてくれた。そして我々はお金を失い始める」と話した。
- 彼は仲裁を受けるために金融規制当局に彼のケースを訴え出ることを考えていると述べた。
- 彼の話は、デイ・トレーディングの危険性についての教訓であり、どれほど迅速に損失が増えるのかを知ることができる。
ニューヨーク・タイムズによると、株式のデイ・トレード・ブームの危険性を示す最も痛ましい例が、あるアマチュア・トレーダーが1万5000ドルを100万ドルに変えた後、すべてを失ったことだという。
31歳のリチャード・ドバツェ(Richard Dobatse)は投資を行うために1万5000ドルの預金と3万ドルの住宅担保ローン2件をロビンフッドの証券口座に入金したと語った。彼は、それを約100万ドルに変えた後、数カ月のうちにほとんどすべてを失ってしまい、今は口座に6956ドルしか残っていないという。
彼はタイムズに「彼らは、株式について何も知らない人々のために、取引をとても簡単にしてくれる。そして、そこに行くと金を失い始める」と語っている。
彼は、金融規制当局の仲裁を受けるために訴え出るつもりだと述べた。
オンライン取引のロビンフッド(Robinhood)は、口座開設件数の急増に象徴されるように、ここ数カ月で投資業界を席巻している。2020年に入って300万件以上の新規口座が開設されたがその多くは、3月に株価が急落した時に手っ取り早く金を儲けようと株式市場に目を向けた多くの素人投資家だ。
Barstool Sportsの創設者で投資家に転身したデイブ・ポートノイ(Dave Portnoy)はここ数カ月、「デイヴィー・デイのグローバル・ビデオ(Davey Day Global Videos)」でしばしば強気の投資を誇示し、多くの利益を宣伝する動画を投稿することで、デイ・トレードの寵児になっている。
ポートノイは先月、Business Insiderに対し、経済活動が再開され、デイ・トレードから離れれば、スポーツ・ギャンブルに復帰する予定だと述べていたが、ギャンブルの専門家らはBusiness Insiderに対し、多くのスポーツ・ギャンブラーは、株式市場に残る可能性が高いと思うと語っていた。
市場関係者は、ロビンフッドの素人トレーダーが効果的なタイミングで取引していることを称賛するべきか、釣り上げられた株価を見誤って自分たちの能力を超えたリスクを冒したを非難するべきかで意見が分かれている。
億万長者の投資家、レオン・クーパーマン(Leon Cooperman)は6月、「彼らは愚かなことをしているだけで、私の考えでは、これは涙に終わるだろう」と述べた。
しかし、すべてのアマチュア・トレーダーが損をしているわけではないようだ。
mori 226というユーザー名で、Redditの「ウォールストリートベット」フォーラムに参加している人物が7月8日、この世界的大流行の最中に3万5000ドルを125万ドルにしたと主張した。
その人物は「私は7桁の金額を得た。その後も何度か」と述べた。ただし、その主張は検証されていない。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)